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3月24日:ジュラ紀の化石にDNAは残っているのか?(3月21日号Science誌掲載論文)

2014年3月24日
私たちAASJも小保方さんの論文についてニコニコ動画も含めて独自の発信を行ってきた。そのせいか取材申し込みを様々な形で受ける。実際家の前で記者の方が待っていたりすると、世の中の関心の高さが理解できる。ただ私自身は、取材に応じて何かを話す事はしないと決めている。じっくり独自の調査を続けて、計画中の本の中で取り上げようと考えている。また分析に十分な確信が持てた時点で、ニコニコ動画等を使って、しかるべき人と対談してそれを公表したいと思っている。期待して欲しい。    こんな折なので少し世間離れした話題を取り上げよう。遺伝情報解読はどの時代の化石まで可能か?あるいは限界はないのか?この問いに対する研究は今多くの期待を集めている。この一年だけでも70万年前の馬の化石の全ゲノム解読、45万年前の原人のミトコンドリア全ゲノム解読等を紹介して来た。一方琥珀の中に閉じ込められた昆虫や植物の遺伝情報を読む事は全く不可能で、DNAは50年も経てば完全に分解されるという残念な結果も報告して来た。噂によると、この分野の次の目標は既に1000万年前の生物のゲノム情報解読に拡大されているようだ。どの生物を選べばそれが可能になるのか?今日紹介する論文は一つの可能性を示しているかもしれない。スウェーデン自然史博物館からの研究で3月21日号のScienceに掲載された。タイトルは「Fossilized nuclei and chromosome reveal 180 million years of genomic stasis in royal ferns (化石化した核と染色体はシダ類ゲノムの安定状態を明らかにする)」だ。これまでジュラ紀の化石と言うと骨が中心で、皮膚や羽などが見つかれば大喜びだった。ところがこの研究で扱われたシダの化石は火山砕屑岩層から採取されており、カルシウムを多く含む熱水により急速にカルシウム沈着が細胞内にも起こる事で細胞内の様々な器官が保存されている化石だ。結果は単純で、この化石に含まれる一個一個の細胞は、核や核小体の形態は言うまでもなく、分裂期の染色体の構造まで、現存の細胞を顕微鏡下で観察するのと同じ分解度で観察できると言う事が示されている。その上で、核の大きや、染色体の数や形などを現存のシダと比べ、シダ類のゲノム量は2億年にわたってほとんど変わらず安定して現在に至っていると結論している。掲載された写真を見ると、本当に2億年も経っているのか不思議な気分になる。DNAの分解が最終的には分子衝突が積み重なって起こる事を頭ではわかっていながら、この特殊な保存のされ方ならひょっとしてDNAも残っているのではと期待してしまった。雑誌の編集者もひょっとしたらそんな気持ちで採択したのかもしれない。

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