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朝日新聞10月14日 生活習慣の改善、細胞レベルで老化防止 米研究チーム

2013年10月15日

元の記事については、http://www.asahi.com/tech_science/articles/TKY201310130097.html 参照

朝日にしては珍しい無記名の記事で、ネットワークから引っかかってきた情報を面白いと、転載したものだろう。ScienceNewsLineにも報告されていた。
  もともと、生活習慣を身体的細胞学的なデータと関連させることは困難を伴う。一つは、長期に追跡が必要なこと、また生活習慣を科学的に数値化することが珍しいからだ。今回の論文は、The Lancet Oncology (vol14, 1112)に掲載されたカリフォルニア州立大の仕事で、生活習慣と白血球のテロメアの長さとの相関を調べている。論文を読んでの感想を正直に告白すると、全くいい印象を持てなかった。5年、25人についてテロメアを経時的に調べたことは評価する。ただ、何となく始めに結論ありきの、きわもの論文という印象がある。発表された結果が間違っているわけではないと思う。先ずなぜ対象が、バイオプシーで確定診断がついているものの、がんとしてのリスクの低い前立腺ガンの患者さんである必要があったのか。特に生活習慣との関係なら、明確な病気がない対象を調べるべきではなかったか?また、生活スタイルの介入を受けたグループは、ダイエットから運動に至るまで、あまりに多くの「身体によい」と思えることを続ける事を要求されている。しかし、今回のように相関が見いだせても、ではどの要素が最も効いたのかほとんどわからず、生活スタイルという曖昧な言葉で済まさざるを得ない。最後に、テロメアの長さと、何か機能的なデータ(例えば前立腺ガンの進行)との関連があるのかが全くわからない。そもそも、この研究で見つかったテロメアが長いことが、身体にいいのか悪いのかもわからない。年と共に白血球のテロメアが短くなるというこれまでの仕事だけを根拠にしている。また、白血球と言っても様々だ。どの白血球(リンパ球?幹細胞?)かに決めないでデータをとって意味があるのか。あまりにも多くの問題がありそうだ。わざわざテロメアなど調べないで、生活習慣は寿命にいいとか、ガンの発生を抑制するのかなどをストレートに調べた仕事のほうが評価できる。
  記事については、細胞レベルで老化防止と本当に期待させていいのかについては気になったが、他は問題ない。

 


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