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10月6日:人間により誘発された地震データベース(Seismological Research Lettersオンライン版掲載論文)

2017年10月6日
私は地震についてはもちろん素人だが、大きな地震が人間の経済・軍事活動により誘発されるのではと言う懸念は常に頭の隅にある。例えば昨年、東日本大震災後の歪みにより、白頭山の噴火レベルが危険域に達してきたことをこのブログで紹介した(http://aasj.jp/news/watch/5160)。先日、北朝鮮が中朝国境に近いブンゲリで核実験を行った話を聞いた時、白頭山の噴火とその後の火山性地震を誘発するのではないかと、心配してしまった。ただ、これは決して私だけの懸念でなく、人為的要因で起こる地震については地震研究者も心配しているようだ。

今週号のNatureを読んでいる時、「Risk of human-triggered earthquakes laid out in biggest-ever database(これまで最大のデータベースにより人為的に誘発された地震の危険が示された)」というAlexandra Witzeさんのレポートが目に止まった。この記事は、人為的に誘発された地震のデータベースについて報告している英国Durham大学からの論文についてレポートしている。元の論文のタイトルは「HiQuake: The human induced earthquake database(人間により誘導された地震のデータベース:HiQuake)」で、Seismological Research Lettersオンライン版に掲載されている。

もともと人工地震で地質を調べることは珍しい話ではなく、人間の経済・軍事活動が地震を誘発することは昔から懸念されていたようだ。特に最近、シェールガス採掘などで大量の水を地中に注入し、また急速に抜く大規模な地殻操作が頻繁に行われるようになり、これが地震を誘発するのではと言う懸念が生まれ、その安全性を確認するためのデータベース構築の要求が高まっていた。

この要望を受けて、昨年オランダ最大の天然ガス田を運営するガス採掘会社の助成で英国のDurhamとNewcastle大学がマグニチュード1以上の人為的要因による地震のデータベースHiQuake構築を進め、今年の1月に一般公開できるところまでこぎつけた。データベースは一般に公開されており、ウェッブサイトで誰もが情報を得ることができる(http://inducedearthquakes.org/)ので、読者の皆さんが閲覧されればいいのだが、幾つか論文を読んだ上で補足をしておこう。

1) データベースに収載された地震で、人為的要因の関与程度は完全に科学的に特定されているわけではない。
2) それでも150年間に人為的要因が疑われる地震が700以上起こっおり、人為的要因としては鉱山事業、大規模ダム貯水、石油・ガス採掘で半分以上を占める。
3) ほとんどのケースで人的被害のない小さな地震で終わっているが、地中への水の注入により誘発されたM5.8の地震(2016)、大規模ダム貯水により誘発されたM7.9四川地震(2008)、そして地下水のくみ上げが誘発したと考えられるM7.8ネパール地震(2015)なども含まれており、大規模な地殻の操作は常に地震の危険と隣り合わせだ。
4) 我が国での地震についても22ケースがリストされているが、最も大きなものでM4程度で、大地震と言われるケースとの関係はこれまで特定できない。
などが言えるだろう。 素人の私だけでなく、プロの地震学者も人為的要因による地震を研究することの重要性を力説しているようで、少し安心した。

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