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7月12日朝日(大岩):H7N9、日本人に免疫なし 中国で広がった鳥インフル

2013年8月8日

各紙に取り上げられた。今回対象にした朝日、読売とも元に記事をペーストする事を許していない。元の記事については以下のURLを参照。 http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201307100678.html http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20130711-OYT1T00189.htm

日本に河岡グループがあってよかったと思う論文だ。中国での鳥インフルエンザのヒトへの感染が連日報道されていたのはついこの前の事だ。遅かれ早かれ日本にもと恐れているが、短期間でここまで解析が進んでいるのかと感心した。 記事については、朝日は抗ビールス薬剤について、毎日はビールスの感染性の問題に焦点を置いた記事になっている。一方、読売は両方の内容をうまくまとめて報道している。そして、全誌が最も強調しているのは、日本人の血清がこのビールスに反応しないと言う点だ。 現役時代は、感染症についての論文など読む事がなかった。しかし、今回このグループの仕事を読んでみると、鬼気迫る使命感を感じた。遺伝子の解析、感染実験によるビールスの変異の解析、病態の解析、日本人の抗ウィルス抗体価検討等々。この鬼気迫ると言う感覚は、この論文に漂う、感染を防ぎ、感染が起これば迅速に対応出来るように準備しようとする科学者としてとしての使命感に由来するのではないだろうか。とすると、報道もこの点を強調しても良かったのではないだろうかと思った。ここまで科学的準備ができているのに、万が一我が国で犠牲者が出るとしたら、これは政治や行政の問題で、しかも言い訳はきかないはずだ。科学報道の一つの使命(勿論全部ではない)は、科学研究の市民生活への影響を伝えたり、予想したりする事だろう。その点でこの論文を伝える価値は大きい。今回各紙もこの認識を共有し、それぞれの好みが出ているにせよ(この好みについては科学報道データベースとして調べて行く計画だ)、この論文を大きく取り上げた。繰り返すが、各紙とも報道内容は正確で、市民にとっても関心のある情報が伝えられている。ただ、実際に論文を読んでこのグループの切迫感に触れた私は、研究内容の紹介にとどまらないで、政治や行政の責任にまで踏み込んで報道してほしかったと不満を感じた。


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