(紹介論文 Circulation: Cardiovascular Quaity Outcome 12:e005342. 掲載論文)
様々な病気の患者さんにとってペットが孤独を癒し、心の支えになることで病気の回復を助けることが知られている。例えば、血圧ですらペットと一緒に暮らしていると下がるという報告もある。これらを受けて、米国の心臓病学会では2013年、ペットを飼うことは心臓病の予防や治療に役に立つ可能性を述べているぐらいだ。ただこの可能性を大規模調査で確かめた研究はなかった。
今日紹介したいのは、スウェーデン・ウプサラ大学からの論文で、スウェーデンの疾患レジストレーションから心筋梗塞や狭心症の発作を起こした患者さんを抜き出し、予後を調べるときに犬を飼っているか、飼っていないかの2群に分けて、犬を飼うことの効果を調べている。論文はCirculationのCardiovascular Quality and Outcomes に掲載され、タイトルは「Dog Ownership and Survival After a Major Cardiovascular Event(重大な心臓発作後の生存に犬を飼うことの影響)」だ。
国の疾患レジストレーションなので数は多く、心筋梗塞が18万人、虚血性発作が15万人で、それぞれ5.7%、4.8%が犬の飼い主と特定されている(私の予想よりは低い感じだ)。
結果はいずれの心臓発作でも、発作後の死亡のリスクが犬を飼っている方が優位に低下している。特に、一人暮らしの患者さんの場合危険度(hazard ratio)が心筋梗塞で0.67、虚血性発作で0.73とかなり低下している。
おそらく犬に限らないとは思うが、ペットと暮らすことの心の安らぎ、あるいは散歩などの運動は、心臓発作からの回復を助けることは確かなようだ。
心筋梗塞が18万人、虚血性発作が15万人で、それぞれ5.7%、4.8%が犬の飼い主と特定された。犬を飼っている人が低いですね。犬を飼っているとそもそもそれらの疾患に罹る割合が低いということはないでしょうか?
心筋梗塞が18万人、虚血性発作が15万人で、それぞれ5.7%、4.8%が犬の飼い主と特定された。犬を飼っている人が低いですね。犬を飼っているとそもそもそれらの疾患に罹る割合が低いということはないでしょうか?
この研究の場合、心臓発作が起こった人を調べているので、その点はわかりませんが、調べることは可能で、おそらく可能性も高いような気がします。
漠然とした印象ですが、小児がん患者さんとセタピー犬の関係と似ているのでしょうか??
メカニズムは同じかもしれません。