7月2日 Tauタンパク質伝搬に小胞も関与する(6月29日 Cell オンライン掲載論文)
AASJホームページ > 新着情報

7月2日 Tauタンパク質伝搬に小胞も関与する(6月29日 Cell オンライン掲載論文)

2026年7月2日
SNSシェア

リン酸化され繊維状に凝集したTauを神経細胞に振りかけると細胞内に取り込まれそこでプリオンと同じように新しいTau凝集を引き起こすことは、ほぼ多くの研究者の認めるところだと思う。脳から分離したTau線維はそのまま神経細胞に取り込まれるが、シナプス小胞のように小胞体に詰め込まれて吐き出されると、より効率的に伝搬する可能性が示唆されていた。

今日紹介するユタ大学からの論文は、この可能性を検証し、Arcと呼ばれる分子がTauを小胞体に詰め込むための鍵となる分子で、これによりTau伝搬が加速することを示した研究で、6月29日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Arc mediates intercellular tau transmission via extracellular vesicles(Arcは細胞内Tauを細胞外小胞に詰めて伝搬する過程に関わる)」だ。

神経細胞から放出される小胞の中にTauが存在し、シナプス形成に関わるArcが同じ小胞に見つかることは既に知られていた。従って、研究は最初からArcがTauを小胞体に詰め込むのに関わるという仮説から始めている。まずArcをノックアウトした神経細胞にTau遺伝子を導入、放出される小胞の中のTauを調べると、Arcがノックアウトされても小胞自体の生成は変わらないが、Tauが詰まった小胞形成が激減することを確認する。すなわち、Arcは小胞にTauを詰め込む過程に関わっている。これは試験管内の現象だけでなく、ヒトTauを導入したマウスモデルでも、EVへの詰め込みにはArcが必要であること、またヒトアルツハイマー病でも、TauとArcを強発現している小胞が見つかることを明らかにしている。

次は、Tauが小胞へ詰め込まれるメカニズムで、分子同士の結合を調べるオーソドックスな生化学実験を繰り返して、ArcはN-末のドメインでTauと結合し、その後で小胞形成に必須のIRSp53分子と結合、これにより小胞が形成される時にTauが封入される。即ち小胞形成ではなく、小胞にTauを詰め込むのに機能することが明らかになった。繊維状に凝集したTauはArcへの結合力が強くより小胞内に封入される。

最後にTauをわざわざ伝搬しやすいように小胞に詰め込む仕組みが何故存在するのかを調べている。基本的には、細胞内に蓄積してきたTauが細胞ストレスを誘導するため、これを軽減する目的でこの仕組みが存在している。すなわち、Arcが存在しないと神経細胞内からTauが放出されず細胞死が上昇する。とは言え、Arcがないからと言ってTauのリン酸化など細胞内での処理には全く影響はない。さらに、他の神経への伝搬に注目してみると、神経から神経への伝搬の効率にArcによる小胞体へのTau詰め込みが関わることも確認している。

残念ながら、実際のAD症状の進行とArcを調べた研究が行われておらず、またアミロイドとtau異常が誘導され1年ぐらいで症状を発生するモデルでは、雄マウスでArcノックアウトによる変化がないことから、このシステムがADの発症にどこまで寄与しているのかについては明確ではないと思う。しかし、シナプスからシナプスへの異常タンパク質の伝搬には明らかに寄与しており、今後Tau伝搬研究には常に念頭に置く必要がある、しかし不思議なメカニズムだと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

7月1日 ヒト原腸陥入期を試験管内で再現する(6月24日Cell オンライン掲載論文)

2026年7月1日
SNSシェア

図はGPTが提案する原条が形成される前のヒト胚の構造で、次の段階で図右の平べったいエピブラストに細長い窪み、原条が現れる。この原腸陥入時期に複雑な胎児構造の基本が形成される。

今日紹介する北京農業大学と中国科学アカデミー動物学研究所からの論文は、この過程をできるだけ忠実に試験管内で再現する方法を模索した力作で、6月24日に Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Reconstituting human primitive streak formation through extra-embryonic cell coordination(胚外細胞の協調を通してヒト原条形成を再現する)」だ。

ヒト胚の原腸陥入はマウスとは大きく異なり、誤解を恐れず印象を述べるとニワトリの原腸陥入期に近い。図に示した胚を形成するエピブラストは胚盤を形成しており、中胚葉が発生し複雑な胎児構造が形成される。図には示されていないが、この時期にはヒポブラストから卵黄嚢へ移動した胚外中胚葉も存在する。即ち、胚盤胞からの原条及び中胚葉形成は、基本的にこれら4種類の細胞の相互作用で進むことがわかる。

そこで、エピブラストの代わりにES細胞を使い、胚由来の羊膜細胞、及びトロフォブラストとともに培養して、原条マーカーであるT遺伝子発現を調べると、羊膜細胞のみが強い中胚葉誘導能を持っており、逆にトロフォブラストはそれを抑制する活性があることがわかった。

次に、胚外中胚葉の役割を調べるため、胚外中胚葉の長期培養方法を確立した後、ES細胞と共培養する実験系で、胚外中胚葉は原条から由来する中胚葉を惹きつける働きがあることを確認している。そして、それぞれの相互作用により誘導される分化細胞が、胚に存在する細胞とほとんど同じであることを single cell RNA sequencing で確認した後、胚盤の原条形成を再現する実験システムの構築に進んでいる。

この実験系では、長期培養が可能なES細胞の回りにトロフォブラスト細胞、そして胚外中胚葉を配置し、その上にこれは胚由来の羊膜細胞を貼り付けたトランスウェルをかぶせている。それ以外に全く増殖因子などは加えていない。すると24時間ぐらいから美しい原条が形成され、T遺伝子の発現が誘導されていること、また原条から中胚葉がこぼれて、胚外中胚葉の方へ惹きつけられることを明らかにする。そして、この系で発生する様々な細胞はほとんど実際の胚に存在する細胞と同じであることを single cell 解析で確認している。

最後にこうして発生した原条を含む細胞をシャーレから剥がして浮遊培養に移すと、神経間などの次の段階の発生とともに、前後軸、背腹軸を持つ胚様構造が出来ることも示している。

以上が結果で、オーソドックスな発生学の課題を解決しながら、試験管内でヒトの初期胚発生を再現しようする強い意志とプロの技が感じられる、試験管内発生学の鏡とも言える研究で、本当に感心した。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月30日 果糖とブドウ糖摂取による異なる食欲刺激回路(6月10日 Neuron オンライン掲載論文)

2026年6月30日
SNSシェア

コーンシロップという形で果糖を大量に消費する様になってから、果糖の毒性と代謝経路についての研究が進んでいる。考えてみると、草食動物も含めてほとんどの野生動物は果糖を摂取する機会はないだろう。一方で、鳥類や霊長類などかなりの果糖を摂取するが、基本的には特殊と言える。従って、我々人間の果糖への反応はこの特殊性を反映しているのではと勝手に想像しているが、多くの果糖研究をマウス(他の動物よりはサルに近いが)で出来ているのもいつも不思議に思っている。

今日紹介するフィラデルフィアにあるモネル化学感覚研究所からの論文は、マウスはグルコースと果糖を区別して脳の食欲中枢に伝える回路を有していることを示す研究で、マウスレベルでもこれほど果糖とブドウ糖が複雑に処理されているのかと驚いた。タイトルは「Attenuated hypothalamic response to fructose via a dedicated gut-brain pathway(特別な腸脳回路を介する果糖の視床下部反応抑制)」だ。

何度も紹介してきたが、Agouti related protein (AGRP) を分泌する視床下部にある細胞が我々の飢餓感を調節しており、食後上昇する脂肪細胞由来のレプチン、様々な消化管ホルモンなどの刺激により抑制されることで食欲を落として摂食を制限している。

この研究では果糖とブドウ糖に AGRP 神経刺激に差があるかどうか、直接十二指腸に果糖/ブドウ糖を注入しそのときの視床下部の AGRP 神経興奮を調べている。すると、ブドウ糖では大きく興奮を抑制できるのに、果糖の抑制活性は1/3程度にとどまっていた。即ち、果糖とブドウ糖では飢餓回路への影響に大きな違いがあることがわかった。

問題は、だからといって果糖では摂食が抑制されず過食になるというわけではなく、注入後の摂食量は変化がない。すなわち、果糖は視床下部 AGRP 神経抑制効果は低いが他のルートで食欲を抑えている。この回路を探ると、果糖投与ではマンニトールと同じで水が保持されることから腸管が広がるので、これが他の経路で食欲を抑えるため、AGRP神経の活動抑制が低くても食欲は抑制できることがわかった。しかし複雑だ。

次に腸から AGRP 神経への回路を、消化管ホルモン分泌について調べている。前もって消化管ホルモンカクテルを投与すると、果糖に対する反応は消えるが、ブドウ糖に対する反応はそのまま残る。即ち、特に果糖は消化管ホルモンを介して AGRP 神経を抑制していることになる。

この回路をさらに探ると、Y2-PYY 受容体を発現した迷走神経を介して視床下部にシグナルが送られることがわかった。一方、Y2 神経はブドウ糖でも刺激できるが、刺激できても AGRP 神経の興奮には影響がない。

以上が結果で、少しややこしいが、AGRP 神経活動の抑制に関してみると、ブドウ糖と果糖では全く異なる神経回路が使われ、果糖は完全に迷走神経依存的にシグナルを送るが、ブドウ糖は脊髄神経回路を用いている。ただ、食欲抑制はこの回路以外にも存在し、特に腸管の膨張が果糖で誘導されるため、消化管ホルモンを介する他の経路で食欲が抑制される。以上、おそらく果糖にほとんど依存しないで生きているマウスで、これほど複雑な果糖とブドウ糖を分別する神経回路があることが不思議だ。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月29日 ALSの運動神経変化を地道に追跡する(6月16日 Cell オンライン掲載論文)

2026年6月29日
SNSシェア

昨日のCART標的選択の評価を汎用LLMに相談するといいことを主張した論文は、ネガティブな意味で驚いた Cell 論文だが、今日は本当に真面目な Cell にふさわしい論文を紹介することにした。スタンフォード大学からの論文で、ALSで最もよく使われるSOD1変異モデルマウスの運動神経の変化を、single cell level で丹念に調べた結果で、何か画期的な治療方法が提案されたわけではないが、今後、ALS研究にとっては重要なデータを提供した好感の持てる研究だ。タイトルは「An emergent disease-associated motor neuron state precedes cell death in ALS(ALSでは神経細胞死の前に病気に特徴的な運動神経の状態を定義できる)」で、6月16日 Cell にオンライン掲載された。

研究ではSOD遺伝子の変異により起こるALSと同じ遺伝子を導入したマウスで、発症前、初期(65日)、中期(100日)、そして終期(125日)、脊髄からコリン作動性神経を分離し、一個ずつの細胞核について RNA sequencing による転写解析、Atac-seq によるクロマチン解析、そしてその結果を Merfish を用いて組織上にマップし直す解析を組み合わせ、ALS運動神経に特有の変化を定義しようとしている。

SOD変異を持つ細胞のみで起こる変化を追跡すると、これまでも知られていたように筋肉を直接動かすα運動神経特異的に変化が見られる。そして、この変化はSODの発現とは無関係なので、SOD変異はα運動神経、中でも速筋を支配する高頻度発火神経に最も大きな変化が見られることがわかった。また、病気の初期ではα運動神経が同時に変化するのではなく、変化が起こるスピードは細胞ごとにまちまちで、SOD変異による作用が細胞ごとに異なることも示された。

病気の進行とともに発現が上がるのは、細胞死調節やERストレスなど細胞の防御に変わる分子で、強い細胞ストレスが発生していることがわかる。一方、シナプス伝達や軸索伸張などに関わる分子は強く抑えられる。また、この変化に呼応し、元々クロマチンのオープンなα運動神経の遺伝子発現部位のクロマチン構造も変化していることから、これらの変化を転写因子レベルに集約させられる可能性が示唆された。

そこで病気とともに変化する分子の中から転写因子に絞って調べると、Atf3とNfil3及びCREB3が最も変化が大きい転写因子としてリストされた。特にストレス応答に関わるAtf3とCREB3に注目し、iPS細胞由来の運動神経に過発現させると、期待通りCREB3で発現上昇した遺伝子の2割、ATF3 で発現低下した遺伝子の5%を説明できることを示し、おそらくSOD編荷によるストレス反応に関わる転写因子の変化がALS運動神経を特徴付けることが出来ると結論している。

変化はα運動神経で最も大きいが、運動神経の遺伝子発現が変化することで、例えばCSF-1分子が強く発現してミクログリアや膜素ラージが活性化されるという2次的効果も認めることができる。そして、Merfish を用いることでこれらの変化が、α運動神経の近くで起こる局所反応であることも示している。

最後にヒトALS脊髄の死後サンプルから核を取り出し、single nucleus 解析を行ったデータをデータベースから抜き出して、ヒトでも変化はα運動神経に現れること、SOD変異以外の患者さんでも同じくα運動神経の転写が変化すること、そして変化する遺伝子はマウスモデルで得られた変化にオーバーラップすることを示している。

以上が結果で、SOD変異に抵抗性を付与している遺伝子も発見しているが、これらの結果を特に新しい治療法に結びつけられたわけではない。しかし、ALSの運動神経死への過程での遺伝子変化のデータは、今後の研究にとても重要だ。そして、同じα運動神経間に見られる変化のスピードの差の原因についてより深く理解が進むと、新しい治療法も開けるかもしれない。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月28日 CAR-Tの標的をLLMに相談する:Cellにふさわしい?(6月25日号 Cell 掲載論文)

2026年6月28日
SNSシェア

これまで生物学や医学でのLLM応用について何度も紹介してきたが、DNA情報と自然言語や物理法則との統合、あるいは脳回路と生成AIとの関係についての論文に主な焦点を当ててきた。YouTube でも話しているように、17世紀以来分離して考えるようになった心と身体の統合理解に役に立つと思っている。

このような個人的ポリシーから見たとき、今日紹介するペンシルバニア大学からの論文は、これまでの医学データの解析が使えるかどうか、一般のビジネスマンと同じようにLLMに相談するという研究で、このような論文を Cell に採択してもいいのか気になったので紹介することにした。タイトルは「AI-driven discovery of GPNMB CAR T cells as a multi-cancer therapy(AIによりGPNMBを標的にするCAR-T細胞が様々なガンに対する治療に使えることがわかった)」で、6月25日号 Cell に掲載された。

ペンシルバニア大学は CAR-T 研究のメッカと言える。多くの研究者が新しい標的を求めて研究を行っているに違いない。この研究の目的は、メラノーマなどの皮膚に発生するガンの CAR-T 治療に使える細胞表面抗原を探すことで、特に皮膚の様々なガンの single cell RNA sequencing データから、ガン細胞で高発現で、正常細胞で低発現分子を探す。次に、データベースから標的候補のアノテーションを行い、これに良い抗体が得られるなど臨床開発しやすいかを調べる。

この過程は CAR-T 設計時に行われるルーチンと言えるだろう。特に、現在では single cell データが得られるため、ガンや正常細胞の遺伝子発現の多様性についてもデータが得られる。最初タイトルを見たとき、データベースから候補を探し出すLLMを構築したのかと思っていた。ところが全く期待は裏切られた。

実際にLLMを導入したのは、従来の方法で候補を絞った後、例えば「この100種類の候補から CAR-T 標的として有望なものを10個に絞れませんか?その理由もお願いします」と頼むのだ。これは医学に限らず、世界中で今多くの人が行っているインプットと何ら変わりはない。ご丁寧に、GPT、Claude、Gemini に同じように評価させ、データベースによる reasoning の検索を行っている。

この作業を様々なプロンプトで1000回程度繰り返し、LLMから出てくる答えが安定する分子を探索している。こうして3種類のLLMが最終的に推薦してくる20種類の分子の中から、この研究ではメラノーマで発現していることが知られている、GPNMB を選択し、CAR-T を用いて、白血病、メラノーマ、大腸ガンを移植したマウスモデルでガン抑制活性を調べている。結果はパーフェクトで、固形ガンであるにもかかわらず3種類全てのガンの増殖を抑えることに成功している。

結果は以上で、現在データベースを用いて行われている候補分子選びの結果を、一度LLMにインプットして検証すれば、いい分子を選べる可能性が高まるという話になる。

しかし納得がいかない。と言うのもこの分子は既にガン特異抗原として様々な治験が行われている。そしてあろうことかこの候補の安全性を、既に行われた治験を元に議論している点だ。抗ガン剤を結びつけたADC両方では、効果がはっきりせず第2相で終わったが、安全性は確認されている。更には、同じ標的を用いたCAR-T治療の一例報告もあるようで、これでも正常細胞への副作用は少ないと議論している。Cell に掲載するからには、やはりこれまで考えてこなかった標的が発見できることを示すべきではないだろうか。

一方で汎用のLLMが、自分の結論を評価させるという点ではかなり高いレベルになっている点で、それを気づかせてくれた点で、今回の論文は意味があるのかもしれない。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月27日 滅亡前のネアンデルタール人ゲノム(6月24日Nature オンライン掲載論文)

2026年6月27日
SNSシェア

ネアンデルタール人は4万年前前後に滅亡したとされている。人類がヨーロッパに進出したのが4.5万年前前後なので、ホモサピエンス侵出5千年で滅びたことになる。この急速な滅亡を説明する様々な仮説が存在するが、気候変動と遺伝的多様性の現象が重要な背景にあるとされている。

今日紹介するドイツマックスプランク進化人類学研究所を中心とした国際チームからの論文は、ホモサピエンスのヨーロッパ進出時、ベルギー・マース川沿いに棲息していたネアンデルタール人のゲノムについて新しいゲノムも含めて検討し直し、滅亡の原因を探ろうとした研究で、6月24日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Genetic diversity of late Neanderthals in northwestern Europe(北西ヨーロッパの後期ネアンデルタール人の遺伝的多様性)」だ。

この研究の目的は、滅亡に近い時期のネアンデルタール人ゲノムを調べ、本当に多様性が失われていたのかを検証することにある。実際クロアチアで発見された4.5万年前のネアンデルタールを10万年以上前と比べると明確な多様性減少は認められていない。そこで、アンデルタール人がデュッセルドルフ郊外ネアンデルタールで発見されたのが1856年だが、今回解析された骨は19世紀にこの地域で発掘されたもので、洞窟で保存された骨と比べると、保存状態は良くない。

幸い、技術の方が進歩して、これまで不可能とされていたレベルのゲノムを解析できるようになり、この研究が始まっている。結果、22カバレージゲノム解読が出来た1例に加えて、解析可能なレベルのゲノム配列を多くの骨から得ている。結果だが、ネアンデルタール滅亡に関わる問題は後にして、いくつかおもしろい発見を列挙しておく。

  1. 以前からこの地域のネアンデルタール人では食人の痕跡が認められていたが、今回バラバラになっていた骨が、2体の同じ個人由来であることが確認され、食人が行われていたことを再確認している。
  2. これまで東ヨーロッパで発見されたネアンデルタール人は血縁関係のある骨が多く見つかっているが、この領域で発掘された骨は全く血縁関係がなかった。
  3. ミトコンドリア遺伝子から計算される系統樹から、9-7万年前に分岐してきたミトコンドリアを持つ女性由来で、広くヨーロッパに広がった大きなグループを代表していることがわかった。一方、Y染色体ではこのような絞りは出来ない。
  4. ネアンデルタール人で近親交雑が指摘されているが、このグループではその痕跡はない。

その上で、このグループの遺伝的多様性を様々な方法で検証し、これまでクロアチアのネアンデルタール人で示されていたように、北西ヨーロッパのネアンデルタール人も、10万年前の多様性とほぼ同程度に多様化していること、そして有害ゲノム領域は通常と同じように自然消去されることも確認している。即ち、北西ヨーロッパ内で広く交流のある大きなグループが形成され、遺伝的多様性も維持されていたと考えていい。

最後に、北西ヨーロッパでは新しくネアンデルタール人と現生人類の交雑があったとする証拠は全く認められず、例えば現生人類に同化することもなかったと言える。

以上の結果は、気候変動による全人口減少がおこり、小さなグループ内での血族交雑が繰り返される結果、遺伝的多様性が失われたことがネアンデルタール人の絶滅の背景にあるという考え方は、少なくとも全ゲノムレベルでは否定できる。もちろん、特定されていない小数の遺伝子の違いがネアンデルタールの絶滅と現生人類の生存を決めたと考えることも出来るが、ネアンデルタール人絶滅の謎は解決からはほど遠い。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月26日 完全バイリンガルの言語意味空間を海馬に探る(6月24日 Cell オンライン掲載論文)

2026年6月26日
SNSシェア

6月23日に続いて、脳内設置クラスター電極を用いた言語処理の論文を紹介する。テキサス・ベイラー医科大学からの論文で、6月24日 Cell に掲載された。タイトルは「Shared neural geometries for bilingual semantic representations in human hippocampal neurons(バイリンガルの意味表象の共通の神経的幾何学が人間の海馬に存在する)」だ。

生成AIでの我が国の遅れを前提として勝ち筋を見つけるため、日本語の特殊性を生かした LLM が重要だという話が良く聞かれた。もちろん日本語とは何かを LLM を用いて追求するためには重要かもしれないが、世界は言語にとらわれない Language Agnostic LLM へと進んでおり、単語ではなく、文章の持つ意味・概念をベクトルとした潜在空間を形成する LCM が続々生まれている。

この研究では、生まれたときから英語とスペイン語で育った完全なバイリンガルの4人の海馬にクラスター電極を差し込み、2カ国語の文章を聞いたり話したりするときの神経活動を記録し、同時に記録した音と対応させ、海馬神経が両方の言語をどのように処理しているかを調べている。

海馬と言語野という違いはあるが、実験過程は6月23日の論文と全く同じと言っていい。今回は、同じ文章を2カ国語で聞いたり話したりさせ、英語での反応とスペイン語での反応を調べるという、より大きなデータの処理を必要とする。

個々で正直に告白するが、実験の意図やプロトコルなどは完全に理解するのだが、情報処理については全く言われたことを鵜呑みにして紹介している。ただ、読んでみるとこの研究は最初からバイリンガルの人間の脳には両言語に共通の意味潜在空間があるという仮説に基づいており、論文の構成も仮説に向かってぐいぐい引っ張っていくという感じになっている。

要するに同じ内容の文章をスペイン語と英語で聞いたとき、ほぼ同じように反応する神経細胞アンサンブルが存在すれば、意味が表象されると言えるし、両者に反応する神経がほとんど違っていたら、それぞれの言語表象空間が別に形成されるということになる。

まず、文章の中の同じ意味の単語に同じように反応する神経が存在するか調べ、確かに存在することは確認する。例えば friend と amigo に同じように反応する神経が、リスニングでも発話でも確認できる。即ち言葉にかかわらず意味を同じように処理する仕組みが存在する。

これまでならこの結果で終了だったが、LLM 時代で、単語の意味を与える文章のコンテキストを多言語 BERT に、今回記録された2カ国語の文章をインプットして、ベクター化している。使ったのは700次元ぐらいのトークンを、12層のニューラルネットワークで処理している。このぐらいの大きさだと、各層でのインプットされた2カ国語の文章がどう処理されているか分析が出来るが、この結果最終層に一つ前、11層で2カ国語はよく似た潜在空間での分布を示すことがわかった。即ち、dog と perro はほとんど同じ位置にあり、また他の単語との距離、例えば cat と wolf を比べると wolf の方が dog に近い関係が、スペイン語でも見られることを示している。即ち、11層で意味空間が単語同士の距離の幾何空間を形成していることになる。

そして、それぞれの文章を聞かせたとき反応した神経細胞を相関させると、神経細胞が形成する2カ国語共通の意味空間が形成できたと結論している。重要なポイントは、最初単語レベルで神経細胞に対応できる結果を紹介してしまったが、実際には dog に反応しても perro にほとんど反応しない細胞の方が多い。しかし、ニューロン全体の形成する潜在空間で見ると、dogvs wolf, perro vs lobo と言ったように各単語の関係性は極めてよく保存されており、ほぼ同じ意味空間が神経細胞により形成されていると結論している。

以上の結果から、バイリンガルでは考える時にどちらの言語を使うかではなく、同じ意味空間から生成される意味を異なる言葉にデコードすることになる。ただ、我々の様にバイリンガルではなく、ある程度習熟していても英語を外国語として感じる場合も共通の意味空間が形成されるのだろうか。私の頭の中には日本語だけでも意味空間が形成されているはずで、新しい外国語がどこまでこの意味空間にアクセスできるのかが習熟の鍵なのかもしれない。バイリンガルを考えることで、様々な可能性が広がる。

今後バイリンガルの方の失語症も面白い気がする。例えば意味空間が壊れた場合と、デコード過程の壊れた場合の患者さんの研究も可能になる気がする。いずれにせよ、生成AIの進歩により、言語研究が加速していることは実感する。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月25日 ガン抗原特異的CD4T細胞の新しいガン抑制機構:徹底的に単純化することで見えてくる世界(6月18日 Science 掲載論文)

2026年6月25日
SNSシェア

ガンのペプチドワクチンは、通常樹状細胞のクラスII MHC ( MHC II ) に提示される。従って、CD4T細胞を抗原特異的に活性化する。一方で、ガンを直接殺す細胞はCD8キラーT細胞で、これはガン特異的なネオ抗原と MHC I との結合体を認識する。とすると、ペプチドワクチンではガンを殺せないことになる。これに対して、キラー活性を持ったCD4T細胞の存在、あるいはクロスプレゼンテーションと呼ばれる小胞体輸送システムによる MHC I へのロード、更にはトロゴサイトーシスト呼ばれるガンの膜成分を樹状細胞の膜成分に取り込むメカニズムなど、複雑なメカニズムが提案されてきた。

これに対し今日紹介する米国国立衛生研究所からの論文は、ガン抗原に反応するが、ガンを直接殺すことのないCD4T細胞によるガン抑制機構を、ともかく徹底的に単純化した実験系で明らかにした研究で、6月18日 Science に掲載された。タイトルは「CD4 + T cells impair tumor growth through IL-3 and TNF-dependent vascular damage(CD4T細胞はガンの増殖をIL-3とTNFによる血管損傷を通して抑える)」だ。

これまで多くの研究はCD4T細胞が自ら、あるいはCD8T細胞を介してガンを殺すメカニズムに焦点を当てていたが、この研究の特徴はガン抗原特異的なCD4T細胞が直接ガンを殺すことが無いというユニークな実験系を使っている。まずガンに古くから免疫学で用いられているLCMウイルスを感染させ、このウイルス抗原だけがガン抗原として働く系を用いている。

次にCD4T細胞だが、LCMV が処理されて MHC II に提示されたときのみ反応するモノクローナルCD4T細胞 (smarta) を用いている。ガン自体は MHC II を発現しないので smarta にキラー活性があったとしても直接殺すことはない。また、ガン局所で smarta が活性化するためには、ガン細胞が樹状細胞により処理され、その過程でLCMVペプチドが樹状細胞の MHC II に提示することが必要になる。

そして、免疫細胞が全く存在しない(場合によってはNK細胞も存在しない)マウスにガンを移植し、そこに smarta を注射してガンが抑えられるかを見ている。これによって、T細胞が免役される過程は全てスキップして、ガン抗原に反応する smarta 以外に全くリンパ球の存在しない条件で、smarta のガンに対するエフェクター機能だけを調べることができる。

この直接ガンを殺すことがない smarta でも、ガンの増殖を抑えることができ、このエフェクター機能に他のT細胞やNK細胞は全く必要ない。ではどのようにして抗ガン作用が発揮されるのか?空間トランスクリプトーム解析とホストの遺伝子ノックアウトを組み合わせて到達したシナリオが以下になる。

まず、smarta がガン局所でおそらくLCMV抗原ペプチドを提示した樹状細胞に反応すると、当然Th1型の様々なサイトカインが誘導されるが、その中のIL-3だけがこのシステムでの抗ガン作用に必須で、これにより smarta 周囲にマクロファージを集積させる。

こうして集まったマクロファージは、IL-3の作用によりTNFを分泌する。Tumor necrosis factor と名前がついているが、このセッティングでは腫瘍を直接傷害することは全くなく、代わりに受容体を発現している血管内皮や周囲細胞を傷害することで、ガンの周囲のみで血管が破綻し、赤血球が流出する。これにより、急速な酸素、栄養障害が誘導される結果、ガン細胞は低酸素環境に適応する暇なく、壊死に陥る。

Single cell RNA seq や空間トランスクリプトーム解析を用いてはいるが、かなりオーソドックスな免疫研究で、CD4T細胞は、直接ガンを殺さなくても、また他のT細胞のキラー活性を助けなくとも、それ自身で局所での刺激でガンの血管を破綻させてガンの増殖を抑制できると言う結果は新鮮だ。

もちろんこれほど単純化した条件が、実際のガン免疫にどこまで適用出来るのかは難しい問題だ。しかし、単純化してみることで、これまで考えたことのない景色が見えたということも重要で、自分のガンも含めてガン免疫を考える時には是非考慮したい論文だと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月24日 5000年前のペスト菌も致死的な感染症だった(6月17日号 Nature オンライン掲載論文)

2026年6月24日
SNSシェア

15日手術を受けて、今日朝退院になったので、早めに論文ウォッチをアップしている。

歴史上にペスト・パンデミックが現れるのは紀元-8世紀の東ローマ帝国、そしてヨーロッパ中世で黒死病と恐れられ大流行、そして19世紀の中国起点で我が国にも感染者が見られた流行の3回で、それ以外に大きな流行は記述されていない。この理由は、ペスト菌が仮性結核菌から別れた後、一定の病原性はあってもひどい流行を起こすための遺伝子が欠損していたからと言われている。即ち、ペストが大流行を起こす菌へと進化するためには、まずノミの体内で生存するための遺伝子が獲得され、その後肺ペストへ進展する毒性を獲得した結果、パンデミックを起こす恐ろしい菌となったとされている。

今日紹介するデンマーク コペンハーゲン大学、カナダ アルベルタ大学、そして英国 オックスフォード大学からの論文は、ペスト菌が仮性結核菌から別れてすぐ、主に子供を襲う致死的感染症として流行を繰り返していた可能性を示す研究で、6月17日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Lethal plague outbreaks in Lake Baikal hunter-gatherers 5,500 years ago(5500年前のバイカル湖の狩猟採取民に見られる致死的ペストの流行)」だ。

バイカル湖周辺では、長期間にわたって定着性のない狩猟採取民が独特の文化を形成しており、考古学研究の重要なフィールドになっている。3カ所の発掘現場から出土した46体の個体をについて感染症の原因となる菌を探索した結果、ペスト菌の感染が35%と言う頻度で見られることを突き止めた。

もちろん感染しているからと言って致死的とは言えないので、ペスト菌の進化と多様化だけでなく、菌保有者の親族関係、埋葬のされ方など文化人類学的特徴を詳しく解析している。すると、ペスト菌感染がほとんど時間をおかずに近親者間で起こっていること、近親関係が強い子供だけが3体一度に埋められた墓が見つかるなど、感染症の流行が起こったことが強く示唆されたと結論している。ただ、身体的な明確な病気のサインは骨から得られているわけではないと言えるので、この文化人類学的な結論をどこまで信頼できるのかが問題になるだろう。

ただペスト菌が広く感染していることは確かで、文化人類学的にも病気による埋葬を特定できているのだとすると、仮性結核菌から別れたばかりのペスト菌も致死的感染症を起こす原因となったことになる。この時代のペスト菌はノミが媒介することは出来ないので、いわゆる腺ペストの病態ではなかったと思える。この研究では、親族内で感染が起こっていること、特に子供に致死性が高いと言った特徴から、これまで知られている成人を襲うペストとは異なる、呼吸器感染症を含む炎症性疾患でなかったかと考えている。さらに小さな狩猟採取民の集団で見られることから、バイカル湖で狩猟の対象になっていた大型齧歯類マーモットの中で進化していたペスト菌が、おそらく生肉などを通して人間に感染し、人間同士でも感染する流行性感染症になったと結論している。

最後にこの病原性の原因遺伝子についても検討し、ypmとして知られるクラスII MHC に結合して免疫反応を誘導して炎症性疾患を起こすトキシンが短い間に進化した結果である可能性が高いことを示している。同じような免疫反応が我が国で泉熱と呼ばれる小児疾患や、川崎病に似た発熱疾患でも見られることから、特に小児で感染者が多い今回の発見と一致すると結論している。

結果は以上で、結論はともかく、時代特定、埋葬のされ方等の文化人類学的検討とともに、一体一体ゲノムを調べて親族関係を決めるという分子生物学が合体した、新しい考古学のあり方がよくわかる論文だった。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月23日 言語の脳内表象を探る(6月17日 Nature オンライン掲載論文)

2026年6月23日
SNSシェア

ALS患者さんの言語支援の研究を皮切りに、クラスター電極を用いて人間の脳神経活動を記録する研究を紹介してきたが、最後の今日は我々の話している言語を脳内の神経細胞興奮と相関させて、言語とはなにかを調べようとした、かなりチャレンジングなハーバード大学からの論文で、6月17日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Mapping the neuronal building blocks of human language with language models(人間の言語の神経的ビルディングブロックを言語モデルを用いてマッピングする)」だ。

この研究も機能回復のための研究ではないので、96ミクロ電極を備えたクラスター電極を、発話に関わることが知られている側頭皮質の様々な箇所に設置したてんかん患者さんでの別々の神経興奮記録を集めて、一つのデータとして扱っている。即ち、言語に関わる領域全体をシステミックに調べたわけではない。

重要なのはそれぞれの患者さんに自由に発話して貰って、その前後の神経活動記録を集めていることで、何を話せというような指示は一部を除いて行っていない。その結果、8人の患者さんが自由に発話した文章と、その発話に対応した全体で579の神経細胞活動が記録されている。具体的には1895センテンス(10460単語からなる)の発話時の神経記録が得られ、文章の様々な要素との相関が調べられた。

では患者さんの言葉と脳記録の相関をどう分析するのか。調べた側頭皮質領域は文章を構成するときに活動する領域なので、その興奮は音が発せられた時と同時に起こるはずがなく、実際には400ms-100ms前に起こることがわかっている。従って、それぞれの単語の発話前の核神経活動と文章の関係を分析するかなりハードルの高い分析になる。さらに、文章とは何かについて私たちが分析できることが必須で、でないとただただ特定の単語と神経細胞を対応させるだけで終わってしまう。

この研究で最も印象深かったのは、文章を脳の活動と対応する文章の分析方法について、最初にチョムスキーの phrase structure grammar に沿って作られた文章解析法 context-sensitive constituency parsers を用いて、構文の中で単語やフレーズの機能を定義し、これと神経活動を対応させたことだ。結果、いわゆる単語と言える文章の部分に反応する神経は10%で、それ以外は文章の中心からの距離、mergeと呼ばれる単位を集めてすすむ構文の完成度、そして単語が集まったフレーズに対応する神経を特定することに成功している。

とは言え、研究ではチョムスキーの自然文法が脳活動を反映すると結論するわけではない。文章の中の単語の持つ異なる要素機能を取り出すエンベッディングモデルを用いて、患者さんの発話文章の構文や意味をベクター化するとともに、小さなトランスフォーマーをもちいた文脈的ベクターを形成させ、それぞれの神経活動との相関を調べている。その結果、それぞれの神経細胞活動は、構文か意味のどちらかと相関して重複がほとんどないが、トランスフォーマーによる潜在空間が反映する、それ以前のセンテンスから次を予測する、いわゆる文脈モデルの方が、他のモデルより神経細胞の興奮を予測する確率が高いことを示している。おもしろいことに、我々の発話のほとんどは、5単語程度を遡って、次を決めているようだ。

他にも神経細胞のまとまりや、左右脳での違いも調べているが、ややこしくなるので割愛する。この研究が素晴らしいと思ったのは、上に示すように、我々が様々な方法で行う言語分析による様々な特徴は、脳の神経細胞レベルの活動のアンサンブルと相関させられるという点だ。即ち、チョムスキーが正しいとか、LLMの方が優れているという優劣ではなく、脳活動にはこれまでの言語学者やAI研究者が文章に関して定義してきた構造の全てを対応させることが出来るという事実だ。

昨年京大医学部のピカピカ1年生にLLMの講義をしたとき、一人の学生がチョムスキーは間違っていたのでしょうかと質問に来た。もちろん講義ではチョムスキーの話はしていないので、高校を出たばかりの若者がチョムスキーを読んでいることに感心したが、不覚にもLLMの成功から考えると、間違っていたのかもしれないと答えてしまった。今この論文を読んで、私の答えが如何に浅薄であったかを思い知った。そして、明確に脳研究として進める新しい言語学こそが、言語の謎に本当に迫れるのだと理解した。その意味で、チョムスキーは間違いなく先駆者だ。

カテゴリ:論文ウォッチ