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FOPの遺伝

2013年9月29日
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昨日FOP明石で、FOPの患者さんや、家族の方と話をする機会がありました。その時、家族の方からFOPの突然変異がどう発生するのかと言う質問がありました。多くの家族の方がご存知のように、ほとんどの場合FOPの患者さんのご両親が同じ突然変異を持っておられる事はありません。もし同じ突然変異を持っておられるとご両親にも同じ症状がでるはずです。従って、ご両親の遺伝子は正常だと考えられます。とすると、新しい突然変異が患者さんに発生した事になります。この新しい突然変異はではどこで起こったのでしょうか。一番可能性が高いのは、ご両親の身体の中で精子や卵子が作られる時にその突然変異が発生する事です。実際お父さんの睾丸の中では何千万個の精子が毎日作られています。また、発生段階でお母さんの卵巣の中には約200万前後の卵子が作られます。この時に誰でも一定の確率でこの遺伝子の突然変異が起こると考えられます。すなわち、どの夫婦にもFOPの子供さんが生まれる可能性があります。従って、FOPのお子さんを持っておられるご両親が、何か特別であったと考えられる理由は全くありません。

  さて、精子や卵子を作る時に突然変異が起こるとすると、兄弟姉妹がFOPにかかる可能性はほとんどないと思います。また、他の遺伝病と同じで、妊娠中の子供がFOPにかかっているかどうかを調べる事も可能だと思います。

 

2014年8月8日付けの論文紹介で、両親の遺伝子異常がなくても、発生過程で遺伝的モザイク状態が形成されている可能性があります。このため次の子供を産む前にモザイク率を調べることは役に立つと思います。
  1. 境禅 より:

    私は約20年前に子供がFOPと診断されました。当時は、日本で私の娘一人と思っていましたが、このような文章がでたことは一つの救いです。このサイトは信頼に足るものだと信じていますが、記事の発信元が明らかでない点が残念です。私もこのような情報をFOPの患者さんや家族の方に、信頼できる医師?の方の発表であることを期待します。

    1. nishikawa より:

      この記事は西川が書いています。京大医学部を卒業後、医師として7年過ごし、その後は基礎医学の研究者です。熊大医学部教授、京大医学部教授、理化学研究所発生再生科学総合研究センター副センター長を勤めて来ていますので、専門家と考えていただいていいと思います。医学の十分な知識のある専門家が、患者さんの立場でその時々の最新の研究を調べて伝えています。この記事は、実際にはFOP明石の主催された多くの患者さんの集まる会合に招かれ、その時何人かの患者さんから調べる様頼まれた記事で、FOPについてのいくつかの総説を読んでまとめています。

      1. 境禅 より:

        西川先生。ご丁寧な返事をありがとうございました。FOPへの支援に関してはマスコミ情報やインターネット情報から知っていまして、深く感謝しております。10/13(日)の大阪市中央公会堂の講演会に参加させていただきました。医学的な内容については、私のような素人に理解は困難でしたが、直接拝見できて人柄を少しは理解出来ました。この講演だけのために、一泊二日の良好になりましたが大変有益な時間を持つことができました。

        1. nishikawa より:

          講演会まで聞いていただき有り難うございました。理研創薬グループは全員一丸となってFOPに対する薬剤を開発しています。私は横から見ているだけですが、朗報がもたらせられる日が来る事を期待しています。

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