論文ウォッチ
AASJホームページ > 論文ウォッチ

 最初このコーナーでは日本の科学報道を検証する目的で、新聞記事に掲載された論文を紹介しながら、論文の内容と報道記事を比べてきました。1年にわたってこの作業を続けた結果は悲しいものでした。もちろん素晴らしい報道もありますが、一般的には日本の科学報道は、科学報道より社会記事、三面記事とあまり変わらないことがわかりました。

 特に、元の論文を検証しないでプレス発表に頼って報道する、あるいはそのまま転載することが普通で、現場百回であるべきジャーナリズムのレベルにも達していないことを思い知りました。そこに昨年の小保方事件です。今度は科学者も一緒になって、「私は絶対正しい」の大合唱です。
 私自身ですが、今回の事件では、立場を問わずほとんどの関係者から様々な相談を受けました。おそらく、かなり特異的な立場にいたと思っています。普通人は、このような立場にいる人間を黒幕と呼びます。しかし、それは黒幕からのアドバイスが受け入れられてのことで、今回の事件では相談されたものの、黒幕にはなれませんでした。ただ、この特異な立場で1年暮らすことで多くのことを感じました。この経験を、小保方問題に限らず、日本の科学報道を見るという視点からまとめるつもりです。

 こんなわけで、もう科学報道をウォッチすることはやめました。代わりに、このコーナーは、できるだけ1日1報、最新の専門論文を紹介する「論文ウォッチ」に衣替えします。
 ここで紹介する論文は、分野は問わないつもりですが、私が理解できるという制限があるので、どうしても医学・生命科学に偏ると思います。また、科学的にも面白い論文を紹介したいので、内容について、専門的、中間(専門、一般両方)、そして一般に分類して紹介します。
 専門的内容は、学生さんを対象に書いていますが、一般の方も少し背伸びして読んでいただきたいと思っています。出来る限り多くの方に読んでいただければと願っています。

論文ウォッチ検索



新着情報

2026.1.10

神経細胞は身体の隅々にまで張り巡らされており、筋肉や腱に投射する神経は身体の動きを脳に伝える深部感覚として、触覚や痛覚とともに重要な体性感覚を形作っている。 今...

2026.1.9

我々ホモサピエンスと、ネアンデルタール/デニソーワ系統は65万年前後に分岐し、ネアンデルタール系統はユーラシアに展開し、ホモサピエンスは10万年ぐらい前まで、現...

2026.1.8

神経損傷後の修復は起こりにくいと言われているが、末梢神経では修復が起こる。従って、末梢と中枢の神経を比較する研究はこれまでも行われてきた。 今日紹介する英国王立...

2026.1.7

想像を超える多様性の存在が自然を観察する楽しみだ。多くの多様性の背景には遺伝系が対応しており、このブログでも何度も紹介した。例えばずいぶん昔、ヨーロッパに済む2...

>>記事一覧へ