12月4日 アルツハイマー病をエンドゾームから見直す(11月25日号 Science Translational Medicine 掲載論文)
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12月4日 アルツハイマー病をエンドゾームから見直す(11月25日号 Science Translational Medicine 掲載論文)

2020年12月4日

遺伝的アルツハイマー病(AD)の研究から、アルツハイマー病は有名な、アミロイドβ、Tauだけでなく、シナプス形成分子、そしてミクログリア活性化分子など、様々な要因が絡み合う可能性が示唆されている。ただ、それぞれの要因がどのように絡み合うのかについては、ERストレスや、それにより誘導される炎症などが示唆され、現在研究中と言ったところだろう。ただ、ERストレスや炎症だけでは、例えばなぜAD患者さんの脳脊髄液でTauが上昇しているのかなど、説明できないことも多かった。

そんな中、アミロイドTau、シナプス、ミクログリアの変化を統一的に説明できると、急速に注目を集めているのがエンドゾームリサイクル機能異常仮説で、今日紹介するコロンビア大学からの論文は最初からこの仮説を検証することに焦点を当てた研究だ。タイトルは「Tau and other proteins found in Alzheimer’s disease spinal fluid are linked to retromer-mediated endosomal traffic in mice and humans(Tauや他のアルツハイマー病の脊髄液で検出される分子は、マウスやヒトでのレトロマーによるエンドゾーム輸送と関連づけられる)」だ。

ざくッと言ってしまうとエンドゾームは、細胞膜へ輸送されるリサイクル経路と、ゴルジ体へ輸送される逆行性経路に分かれるが、タイトルにあるレトロマーとは、この逆行性経路を指示するタンパク質複合体のことだ。最近注目されるADのエンドゾームリサイクル機能異常は、このリサイクルvs逆行のバランスが崩れることがAD状態の一つの表れだと考えているので、この研究ではVps35を神経細胞でノックアウトして、レトロマー形成を抑え、リサイクル経路を高めることで生じる脳脊髄液の変化を見ている。

すると、リサイクル経路が高まることで上昇するタンパク質の中に、アミロイドやアミロイド類似タンパク質のようなBACE1の基質分子が含まれることがわかった。すなわち、エンドゾームリサイクルによりBACE1の活性が高まる結果としてアミロイドやその他の気質の神経細胞からの分泌が起こることを確認している。

また、逆行経路を阻害した神経だけで分泌される分子を調べると、驚くことにTauが登場してきた。そして、レトロマー阻害により変化する神経変化に関わる分子から、鍵となる中核分子を計算してみると、なんとアミロイドとTauがトップ2に躍り出た。すなわち、逆行性のエンドゾーム輸送が何らかの原因で渋滞すると、ADの2大分子が両方脳脊髄液に分泌されるという結果を招くことが明らかになった。

もしこれが正しいとすると、BACE1の基質分子の脳脊髄液への分泌と、Tauの分泌が、人間でも見られるはずで、まず無症状の人で調べてみると、期待通り脳脊髄液のTauとBACE1基質APLP1やCHL1の分泌がほぼ完全に相関することを発見する。また、分泌量の測定を難しくする沈着したアミロイドプラーク量で補正すると、認知障害がで始めた人でも、脳脊髄液中のTauとAPLP1やCHL1との完全な相関が見られる。

さらに、ADを発症した人で見ると、分泌されるTauはリン酸化されており、また正常と比べると脳脊髄液中のAPLP1もCHL1もリン酸化Tauとともに上昇していることを発見する。すなわち、ADでは逆行性経路が何らかの原因で障害されていることが示唆された。

結果は以上で、レトロマーをノックアウトしたマウスの解析とADの解析を対応させて、エンドゾームリサイクル異常がADの様々な検査データの背景にあることを示した重要な結果だと思う。もともとエンドゾームは、シナプスでの神経伝達因子の活動や、ミクログリアの食作用など、これまでADの病態に関わる要因と直接の関わりを持っており、今後、エンドゾームリサイクルの視点から病態の再検討が進み、また様々な介入手段が開発されるのではと期待できる。

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12月3日 全能性とテロメア構造(11月25日号 Nature オンライン掲載論文)

2020年12月3日

私たちのゲノムが染色体に分かれて存在するということは、それぞれの染色体のDNAに端があるということで、二重螺旋がどこかで途切れることになる。一般の人から見ると、なぜそれが問題なのかと思われるかもしれないが、生物はDNA切断には大変敏感で、それを放置できないようにできている。というのも、遺伝情報の安定性にとって、DNA切断は大敵で、早く検知して修復するシステムが出来上がっている。このシステムは当然染色体の「端」に存在する断端も修復しようとする。その結果、染色体同士が融合したりして大混乱が発生し、細胞の生存は維持できない。

これを防いでいるのが染色体の断端を隠して守るDNAの繰り返し構造Tループと、それを形成するために動員される多くの分子が集まった複合体Shelterinで、この形成に関わる分子が欠損すると、染色体の維持複製が大混乱に陥って細胞は死んでしまう。

今日紹介する英国フランシスクリック研究所からの論文はこの染色体の端を守るShelterinの分子構造が全能性のES細胞と分化した体細胞では異なっていることを示した研究で11月25日Natureにオンライン掲載された。タイトルは「TRF2-independent chromosome end protection during pluripotency (全能性の段階で見られるTRF2非依存的染色体断端保護)」だ。

断端が保護されていると言っても、DNA複製のたびに構造は一旦解消し、再度保護し直す必要がある。このメカニズムはいつもよくできていると思うが、一本鎖部分を折りたたんで端が見えないようにしている。この研究では、Tループ結合タンパク質の一つTRF2が欠損してもES細胞は正常にしかも何世代も分裂するという発見から始まっている。実際普通の細胞でTRF2が欠損すると、細胞の修復機構が動員され、染色体同士が融合したり大混乱に陥り細胞は死ぬ。

このような場合TRF2に変わる分子の存在を探索するのが普通で、おそらくこの研究でもこの方向で研究が行われたと思うが、最後まで読んでも結局ES細胞でTRF2に代わる分子というのは特定されずに終わる。しかし、ES細胞のテロメア保護機構を詳しく解析し、

  1. TRF2が必要ないという以外は、T ループ形成がSherterin複合体により形成され、断端が守られるプロセスは、普通の体細胞と同じ。TRF1とTRF2両方をノックアウトすると、Tループ形成ができずに、修復機構が動員され、染色体融合など大混乱が起こる。
  2. このTRF2非依存性Tループ形成は、ES細胞の全能性のプログラムと密接にリンクしており、分化が始まるとTRF2依存性に転換する。実際の胎児では、胚盤胞は形成されるが、分化が始まる3.5日には保護の外れたテロメアが検出され、大混乱が始まるのがわかるが、これらの細胞は全て全能性に必須の遺伝子Nanogの発現がオフになっている。
  3. ES細胞では、ほぼ正常のTループがTRF2なしに形成されている。

などを示している。

結論としてはTRF2無しにTループが形成できるということだと思うが、同じファミリー分子TRF1だけでいいのか、あるいは他の分子が存在するのかはよくわからない。酵母などではこのTループ結合分子は一つの分子で賄っている。このことから考えると、 ES細胞はより酵母に近いTループ形成システムを持っており、体細胞への分化が始まるとより複雑な2分子体制へと変換しているのではと個人的には想像する。考えてみると、体細胞のような死ぬべき細胞については、いつ死ぬかが重要で、より複雑なテロメア保護システムができたのかもしれない。いずれにせよ、ES細胞のTループをさらに詳しく調べることは、面白い発見につながるかもしれない。

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12月2日 リューマチ性関節炎の進行とシトルリン化タンパク質反応性B細胞(11月18日号 Science Translational Medicine 掲載論文)

2020年12月2日

シトルリン化されたタンパク質に対する抗体は、リューマチ性関節炎(RA)との相関が高く、我が国でも鑑定診断の重要な検査項目になっている。しかし、この自己抗体がRA自体の原因になっていると考える人は少ない。しかし、本当にシトルリン化タンパク質に対する反応がRA発症に関係がないのか、またなぜこのような自己抗体が誘導されるのか、これを調べるためには患者さんのシトルリン化タンパク質(CP)に反応するB細胞を詳しく調べる必要がある。

今日紹介するオランダ・ライデン大学からの論文はシトルリン化ペプチドを用いたCP反応性B細胞検出系を確立し、RA発症へのCP反応性B細胞の関わりを調べたオーソドックスな研究で、11月18日号のScience Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Persistently activated, proliferative memory autoreactive B cells promote inflammation in rheumatoid arthritis(持続的に活性化され、増殖する自己反応性記憶B細胞はリュウマチ性関節炎の炎症を促進する)」だ。

このグループは環状シトルリン化ペプチドを用いて高い感度でCP特異的B細胞を特定する方法を開発しており、この研究ではこの方法で検出できる自己反応性B細胞を、普通の抗原の代表として用いた破傷風トキシン(TT:ワクチンで免疫されており、またワクチンで再刺激も可能)に対するB細胞と比較することで、このようなB細胞が誘導される原因および、RA病理に対するこのB細胞の役割を明らかにしようとしている。

結果は明瞭でTT特異的B細胞と比べると、RA患者さんのCP特異的B 細胞では、CD80/86やHLA-DRの発現が高く、増殖マーカー陽性の活性化型B細胞が多い。また、CD80の発現量とリュウマチの重症度には相関が見られる。

次に、関節痛だけが見られる段階、病歴の短いRA、そして確立したRAの3群に病気を分けて、同じようにCP特異的B細胞の状態を調べると、病歴の長さを問わず、RAと確定診断された患者さんでだけCP特異的B細胞が活性化型になっている。すなわち、RAが確立する過程で、CP特異的B細胞が持続的に刺激される状態が作られることになる。この活性化状態が、持続的抗原刺激を反映していることを確認するため、TTワクチンで再刺激すると、活性化型のTT特異的B細胞が末梢血に現れることから、RAが確立した患者さんでは、CP抗原による刺激が持続していることを示している、

さらに、このような活性化型B細胞では、逆に活性化を抑えるCD32の発現が強く抑制されており、この結果自己抗体だけでなく、様々なサイトカインを発現していることが想定される。そこで、末梢血、関節腔から採取したCP特異的B細胞についてサイトカイン分泌を調べると、TNFαやIL-6などリュウマチ炎症に関わるサイトカインの分泌も高まっているが、何よりも好中球の浸潤を高めるIL-8の分泌が高まっていることを発見する。

以上が結果で、かなりオーソドックスな病態解析を通して、

  1. RA患者さんでは、シトルリン化タンパク質が、特異的にB細胞を刺激し続ける結果、自己抗体が作り続けられること。
  2. 活性化した自己反応性B細胞はCD80/86のようなT細胞刺激共刺激分子に加えて、HLA-DRを強く発現することで、持続的T 細胞活性化に関わること、
  3. また活性化されたB細胞はIL-8を分泌することで、好中球の浸潤を促し、炎症をたかめること、

がわかり、シトルリン化タンパク質に対する自己抗体がRAの原因でないにしても、RAの病態形成に重要な役割を演じていると結論している。実際、多くの自己免疫病で病態はT細胞も関わる複雑な炎症なのに、CD20に対する抗体でB細胞を除去することで改善するケースが多いことは、自己抗原によるB細胞の持続的刺激が、炎症持続の鍵になっている可能性が示されていた。

リンパ節などのリンパ組織は、ILCと呼ばれるB細胞によく似た細胞により誘導されるが、RAでも関節腔にリンパ節様の組織化された細胞集団が形成される。この研究ではリンフォトキシンについては調べていないが、この論文を読んで、自己反応性のB細胞が、ILC と同じような役割を演じている可能性は高いと感じた。

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12月1日 新型コロナウイルスが鼻かぜで抑えられる条件(12月23日号 Cell 掲載論文)

2020年12月1日

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の場合、感染抑制の鍵になるのは、無症状であるにもかかわらずウイルスを排出している人で、完全にウイルス感染が抑えられない限り、無症状の感染者の問題は、正直、国民全員のPCR検査を毎週でも行わない限り解決できるようには思えない。このことは、日本国内でも感染テストの証明書の利用がが様々な状況で浸透してきていることからもわかる。

ただ、無症状の感染者というと、ウイルスに対する免疫を直ちに獲得し、ウイルスを抑え込めた元気な人というイメージがあるが、これが全く間違っているという面白い症例報告が米国国立衛生研究所から12月23日号のCellに掲載された。タイトルは「Case Study: Prolonged Infectious SARS-CoV-2 Shedding from an Asymptomatic Immunocompromised Individual with Cancer (SARS-CoV2を無症状のまま長期間排出した免疫抑制治療中のガン患者さんについての症例報告)」だ。

症例はCoV2感染が重症化するリスクが最も高いと考える患者さん、すなわち高齢(71歳)、10年にわたって慢性リンパ性白血病の治療を続けており、転移で脊椎骨折で治療を受けたばかりの女性だ。女性という以外は、高リスクの典型で、治療の結果免疫能も低下している患者さんだ。

この女性は貧血で入院中、転院前のリハビリ病院でのCoV-2クラスターが発見されたため検査を受け、CoV2陽性と診断される。ただ、胸部CT写真を含め、自覚的、他覚的を問わず症状は全く存在しない。にもかかわらず、なんとその後105日間ウイルスを排出し続け、しかも70日間はPCRだけではなく、感染性のあるウイルス粒子が検出されている。症状がないので、実際には手の施しようがなく、ともかくウイルス排出を止める目的で71日目、82日目に回復患者さんの血清を注射している。この結果血中の抗体価は上昇しているが、残念ながらウイルス除去効果があったとは判断できないが、なぜか105日以降はウイルス排出が見られなくなったという結果だ。

症状がないため、患者さん側の検査はほとんど行われていないが、ウイルス検査はゲノム解析も含めて徹底的に行ったというアンバランスな報告だが、理屈はよくわからないが情報として考えるとCellに掲載しても問題はないと思うぐらい面白いと思った。

  1. この患者さんは無症状というだけでなく、ウイルスを鼻および喉の奥別々に採取して検査しており、最初から最後まで感染は鼻で止まっていることが確認されている。すなわち、完全に鼻かぜで終わるという状態が続いている。しかも、この状態を決めているのは決して免疫機能でないこともわかる。例えば、ACE2などの発現など調べたいことは山ほどあるが、理屈はともかく、今後無症状者のボランティアを用いた徹底的調査の重要性を示している。
  2. 回復者抗体を投与後もウイルスが排出され続けているので、抗体の効果がないように見えるが、結果をよく見ると抗体投与後は感染検査は陰性に転換している。もともと鼻粘膜にはIgGは到達しにくいのだろうが、しかし少しづつ効果を示した結果、ウイルスが除去されたとも考えられる。今後抗体治療が進んだとき、鼻粘膜感染への影響をさらに詳しく調べる必要がある。
  3. ウイルス学的に徹底的調査が行われ、100日間もウイルスが排出され続けると、ウイルスでも多くの変異が起こっていることが確認されている。この患者さんは、最初ワシントンで流行が見られた時のウイルスが感染しており、様々な変異体が分離できているが、他のウイルスを駆逐すると言った変異は見られず、その時々の一過性のウイルスと位置付けられる。スパイク分子N末端に大きな欠失のある変異も分離されているが、感染性については特に変化がなく、複製活性が高いウイルス変異が現れる確率が低いことがわかる。
  4. 免疫抑制がかかった患者さんは重症化しやすいと考えられてきたが、今回の結果は免疫抑制治療を受けているCovid-19患者さんの総合的な調査の重要性を示唆している。もし何らかの免疫抑制操作が、ウイルス感染を鼻かぜで抑えることに寄与するとすると、治療戦略も変わってくる。おそらく、ネットで呼びかけて症例が集められ、近い将来発表されるのではと期待する。

以上、不思議な1例だったが、ひょっとしたら新型コロナウイルス感染の理解に大きな貢献をするのではと期待させる症例報告だった。いつでも、症例報告は探偵心をくすぐり面白い。

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11月30日 肝臓内の免疫細胞の守備位置を決める自然免疫システム(11月25日号 Nature 掲載論文)

2020年11月30日

論文を読んでいると、懐かしい名前に出会うことも多い。しかも私が知っていた時代とはかなり違う領域で頑張っているのを見ると、紹介したくなる。

今日紹介する米国NIH、R.Germain研究室からの論文は、肝臓内の免疫細胞のポジションが細菌の刺激を受けた自然免疫系により決定されることを示した、組織学を重視した研究で11月25日号のNatureに掲載された。タイトルは「Commensal-driven immune zonation of the liver promotes host defence (細菌叢によって決められる肝臓内の免疫の領域化によりホストの防御が促進する)」だ。

私たちの世代ならR.Germainを知っている人が多いと思うが、イメージとしてはT細胞シグナルの研究が中心だったように思う。しかしこの研究では、組織学的に肝臓を様々なマーカーで調べたとき、肝臓に定着している貪食細胞、クッパー細胞が門脈の近くに集まっていることに気づき、その理由を解析するところから始めている。

発生過程を調べると、固形食を食べるようになった時期から、門脈周囲に集まりだすので、これは腸管から流れてくる細菌由来の刺激が自然免疫系を活性化することで起こる現象ではないかと考え、まず無菌マウスを用いてクッパー細胞の分布を調べると、門脈周囲への分布が解消される。

ただ、細菌の影響は、直接免疫細胞に働きかける結果ではなく、門脈血管内皮を刺激することで、組織学的変化が誘導される結果ではないかと考え、自然免疫で細菌由来物質への反応を媒介するMyd88やTlr4を血管内皮特異的にノックアウトすると、やはり門脈周囲への分布が解消されることを発見する。

ここまでをまとめると、クッパー細胞は、生後消化管の細菌叢が形成され、門脈内皮の自然免疫系が刺激されるようになると、門脈周囲に分布するようになることがわかった。当然、次は、自然免疫系が活性化された内皮がいかにしてクッパー細胞などのポジションを決めるかを調べることになる。詳細を省いて結論を述べると、自然免疫系が活性化されると、活性化された細胞の周りにマトリックスが合成され、これにより Cxcl9などのケモカインがトラップされて、これを目掛けてクッパー細胞が移行してくるというシナリオを、組織学的に示している。

最後に、このような免疫系細胞の守備位置を変化させることが、感染防御に重要かを調べる目的で、血管内皮でMyd88を欠損させたマウスと、正常マウスにリステリアを感染させ、クッパー細胞の門膜周囲集中がないと、リステリアが血管外に侵入することを示している。

また、マラリア感染実験で、防御に関わるCD8T細胞も門脈周囲に濃縮することで、感染を効率に防いでいることを示している。

以上、ついつい懐かしい名前だったので紹介したが、研究も十分納得できる面白い結果だった。

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11月29日 固形腫瘍に対するCAR-T治療(11月25日号 Science Translational Medicine 掲載論文)

2020年11月29日

このホームページでも、ガンの発現する抗原に対する抗体をT細胞受容体シグナル伝達部分とキメラにした遺伝子を患者さんのリンパ球に導入してガンに対するキラー細胞として使うCAR-T治療についての論文を、既に40回近く紹介している。これまで2800回ぐらい論文紹介をしているので、一つのサブジェクトとしては多いと思う。しかし、最初B細胞白血病に対する論文が出たときはその効果に驚いた。

しかし、白血病に対するCAR-T療法の高い効果に対して、固形腫瘍に対しては現在も実用化へのハードルが高そうで、少しづつしか進展がないようだ。今日紹介する英国NHS財団の小児病院からの論文は、固形腫瘍に対するCAR-T治療の難しさを正直に示した治験研究で11月25日号のScience Translational Medicineに掲載された。タイトルは「Antitumor activity without on-target off-tumor toxicity of GD2–chimeric antigen receptor T cells in patients with neuroblastoma (GD2に対するキメラ抗原受容体T細胞による神経芽腫の治療は、正常細胞に対する障害なしに高腫瘍効果が見られる)」だ。

この研究は、神経上皮由来の腫瘍に強く発現している糖鎖GD2を抗原とするCAR-Tを用いて他の治療の可能性がなくなった神経芽腫の治療の可能性と副作用を調べる第1相の治験だ。GD2は正常の神経細胞でもある程度発現しているが、発現量が高いことから、特に神経芽腫の免疫治療の標的として用いられており、CAR-Tについても既に治験が行われてきた。ただ、CAR-Tの場合正常細胞への障害性も考えられるので、この研究ではGD2に対する中程度の親和性を持つ抗体遺伝子をわざわざ選んでキメラT細胞受容体として用いている。CAR-T自体は、第二世代と呼ばれるco-stimulatorシグナルを加えた方法で、一般的な方法になっている。

ほぼ万策尽きた神経芽腫の再発患者さん17例がリクルートされ、まず十分なCAR-T細胞が調整できるか調べているが、調整中に5人の患者さんが亡くなっており、病気の進行状態が窺われる。それでも、12例について生存中に細胞を調整できたことは重要だ。

次に投与量の検討で、1平方体表面積あたり1千万個から、1億、10億と量を増やしている。この条件でまず注入したCAR-Tが体内で増殖するか調べると、1億個以上注入しないと増殖を検出することはできない。一方で、増殖が見られると必ずいわゆるサイトカイン遊離症候群と呼ばれる副作用が発生するが、IL-6に対する抗体で抑えることができる。幸いにも、正常神経を障害する副作用は見られていない。

ただ、最も残念なことはほとんどの患者さんで1ヶ月すると、注入したCAR-Tが消失することで、2ヶ月目では全例で検出できなくなる。それでも、3例については、骨髄をはじめ、一部の転移巣に対する効果が見られ、1例についてはほとんどの転移巣で大きな改善が見られている。他の2例は、一般的な検査では改善が見られていないが、バイオプシーでは縮小が見られない領域でも強いネクローシスが観察されたことから、CAR-T治療がともかくガンを殺していることが明らかになった。

結論としては、現段階で最終的にはCAR-Tそのものが消失して、長期的な治療効果を得られないが、固形腫瘍に対する反応がしっかり見られることから、今の段階で一般治療として認めるわけにはいかないが、改良点が明らかになり、可能性は十分あるといえるだろう。

最近はあまりCAR-T論文を取り上げることは減っていたが、厳しくても少しづつ新しい可能性が生まれていることを実感した。

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11月28日 CRISPR/Cas9による受精卵遺伝子操作が危険な理由(12月10日号 Cell 掲載論文)

2020年11月28日

CRISPRテクノロジーの最も重要な点は、ガイドRNAによりゲノムやRNAの特定の場所にCas分子をリクルートできる点だ。しかし、一般的に遺伝子操作に使われるCas9はガイドRNAにより決められるDNA鎖に切れ込みを入れ、切断するだけで、その後の過程は細胞の持っている修復機構に完全に依存している。幸い、普通の細胞ではこの修復時(非相同組み換え修復とマイクロ相同組み換えによる)のゲノム側の変化が大きくなく、小さな欠失や挿入で止まるため、遺伝子ノックアウトや、場合によっては遺伝子機能復活も可能になる。

今日紹介するコロンビア大学からの論文は普通の細胞での常識が受精卵では通用せず、大きな染色体変化がCas9により起こってしまうことを示した論文で12月10日号のCell に掲載された。タイトルは「Allele-Specific Chromosome Removal after Cas9 Cleavage in Human Embryos(Cas9によるDNA切断の後起こる対立遺伝子特異的染色体除去)」だ。

この研究では網膜色素変性症の原因遺伝子の変異部分をCRISPR/Cas9で特異的にカットし、そこに起こる小さな挿入や欠失により遺伝子の機能が復活するようデザインしている。このようなデザインができるところがCRISPR/Cas9の素晴らしいところで、この研究でもまず試験管内でES細胞を用いてこの遺伝子操作を行い、母親由来の正常遺伝子には全く影響を及ぼさず、なんと80%近い父親由来の突然変異部位が元に戻ることを明らかにしている。

次に、同じ方法をヒト受精時にガイドとCas9を注入する、例えば物議をかもした中国の遺伝子操作でも用いられた方法を使って遺伝子編集効率を確かめたところ、なんと分裂後に半分は正常だったのに、残りの半分は突然変異を持っている父親側の遺伝子が存在する6番目の染色体に大きな欠損が高率に起こることを発見する。2細胞期にそれぞれの細胞に同じようにガイドとCas9を注入する実験でも、できてくる胚で父親側の染色体で、遺伝子操作が成功した細胞から、6番染色体が大きく欠損した細胞まで、様々な細胞のモザイク が共存することを発見する。すなわち、正常の細胞と初期胚では、カットされた後の修復様式が全く異なっており、大きな染色体の欠失にまで至る場合があることが明らかになった。

受精卵の場合、カットされた修復は細胞周期と共に起こり相同型と非相同型の修復による遺伝子編集が胚でも見られるが、半分の切断部位はなぜか修復がうまく進まず切断されたまな時間が経過し、次の分裂が始まると、切断部位を含む大きな欠損につながることになる。

事実、ガイドを導入せず、標的のない状態でランダムにCas9による切断を入れると、胚の場合は様々な染色体の欠損が起こることも示している。

以上が結果で、実際には限られたヒト胚を用いて、得られる少ない細胞のゲノムを丹念に解析し、さらにそれぞれの細胞からES細胞を誘導して、Cas9の影響によるゲノム変化をより詳しく調べるなど、大変手のかかる実験で、よくここまでと頭が下がる仕事だ。

いずれにせよ、Cas9でそのまま切断するという戦略は決して受精卵に適応してはならないことがはっきりわかった。

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11月27日 新しいPETリガンド合成方法の開発(11月25日 Nature オンライン掲載論文)

2020年11月27日

私は生命科学に関わってきたのに、有機化学の素養は全くない。もちろん現代の医学生物学が有機化学に支えられていることはよくわかっており、しかも我が国がこの分野をリードして、ノーベル化学賞受賞者を輩出してきたこともよく理解している。この認識から、神戸の医療産業都市計画をお手伝いしていたとき、有機化学を駆使して新しい放射性化合物を合成し、PETを用いて映像化するための研究所を設立するための地ならしに関わったことがある。この時、日本の優れた有機化学者の力を借りて、多くの化合物が開発され、生命機能が個体レベルで解明されることを夢見ていた。公職を退いて八年になり、神戸に集まっている理研の組織は大きく変わっており、PETを用いて新しい生命機能を解明するため、有機化学者と医学者が協力し合う研究組織が存続しているかどうかよく知らないが、この夢を捨てることなく研究が続いていることを期待している。

しかし、論文を読んでいても、PETを用いた研究に使われる有機化合物のレパートリーは限られているように思う。これはPETで検出するために用いられるアイソトープ炭素11を、薬剤など複雑な有機化合物に導入するためのユニバーサルな方法が開発できていないためと言える。今日紹介するプリンストン大学からの論文は、シリルラディカルを媒介にメチル基を有機化合物に導入する方法で、多くの化合物を炭素11で表式できることを示した研究で11月25日Natureにオンライン出版された。

有機化学の素養が全くない私が紹介すべき論文かどうか心配だが、しかし重要性に鑑みわかったところだけかいつまんで紹介する。

炭素同士を繋ぐクロスカップリングというと、ノーベル化学賞の鈴木先生や根岸先生の業績だが、炭素11を導入するとなると、1)ともかく半減期が20分と短いので、短時間の簡単な反応の開発が必要、2)その時利用できる炭素11をもつ前駆体が限られているためか、ほとんど利用されてこなかったようだ。この研究では、Still/Suzuki/Negishiカプリング法をベースに、放射線標識したメチル基を、化合物合成の後期に導入する方法を考案する。Metallaphotoredoxと呼ばれる光触媒を使ってシリルラジカルとアルキルハロゲンを結合させる化学反応を利用するのがポイントのようだが詳細は専門家に聞いてほしい。

この方法を用いるとHをトリチウムに変えたメチル基、あるいはCを炭素11に変えたメチル基を様々な化合物に、20分ほどで導入することができ、猿を用いた脳のシナプス結合の密度を調べることに利用できることを例として示している。

詳細は全て省くが、現在使われている様々な化合物の8割はメチル基が存在することから、多くの化合物が同じ反応で標識でき、それにより生体機能を可視化できるようになったと結論していいだろう。脳の様々な機能だけでなく、懸案であった糖尿病とβ細胞数など多くの代謝疾患についても、それを調べるための化合物が頭に浮かべば、今後は標識によるPET検査も視野に調べることが可能になる。詳細はほとんど理解していないが、重要性がひしひしと伝わる論文だった。

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11月26日 海の中で進行する究極のウイルスとの共生(11月18日 Nature オンライン掲載論文)

2020年11月26日

今騒いでいる新型コロナウイルスの大きさは3万塩基程度で、コードしている遺伝子もどう数えるかによるが30種類ぐらいだ。しかし、世の中にはバクテリアより大きなゲノムサイズで、なんと1000種類以上の遺伝子を持つウイルスの存在が知られている。巨大ウイルスの中には、ウイルスとして必要のない代謝に関わる遺伝子が見つかったり、逆にウイルス由来と思われるRNAポリメラーゼが発見されたりし、両者に密接な共進化関係が想定される様になり、巨大ウイルスの起源に注目が集まっている。

今日紹介するバージニア工科大学からの論文は、既にデータベースに蓄積されている65種類の緑藻植物のゲノムを解析し、巨大核質DNAウイルスゲノムと真核生物の交流を調べた研究で、明確な問題意識さえあれば、インフォーマティックスだけでNature論文が書けることを示す典型だ。タイトルは「Widespread endogenization of giant viruses shapes genomes of green algae (緑藻植物には巨大ウイルスの内在化が広く認められ、ゲノムの形成に関わることを示す)」で、11月18日Natureオンライン掲載された。

既に述べたがこの研究は、巨大ウイルスが緑藻植物のゲノムの形成に重要な働きをしたはずだという構想が全てで、あとはこの視点からゲノムを解析している。と簡単に述べたが、実際にはウイルスのゲノムが巨大なので、どこがホスト部分でどこがウイルス部分かを、しっかり決めることは、高い能力が必要だと想像する。いずれにせよ、この解析を通して、

  • 緑藻植物のゲノムに、18種類の巨大ウイルスゲノムを特定でき、巨大ウイルスゲノムの同化が頻繁に起こっていること。さらに、78kbから1925kbという大きな、場合によりほぼ完全なウイルス領域がそのままゲノムに統合されている。
  • 統合されたウイルス由来遺伝子は76−1782個に及び、緑藻類の新しい遺伝子のソースとして働いていると想像される。例えばT socialisではなんと10%の機能遺伝子が巨大ウイルス由来で、ウイルスがホストの遺伝子として完全に同化されている。しかしウイルス粒子に必要な構造遺伝子や複製遺伝子などは消失している。
  • 同化したウイルス遺伝子にイントロンが挿入されているケースが見られ、これらのイントロンはホストのそれをそのまま使っている。これまで、巨大ウイルス自体のゲノムにイントロンが存在する例が報告されているが、おそらく同化されたウイルスがまた排出されることで進化したと考えられる。事実同化されたウイルスゲノムがまた他のウイルスへ移行する例も特定できる。
  • 同化されたウイルス自体の進化と、ホストゲノムの進化が一致しないことから、巨大ウイルスゲノムの同化は何回もにわたって行われている。

以上が主な結果で、緑藻類とウイルスが交雑を繰り返すことで、それぞれのゲノムを進化させてきたことがよく分かる。ウイルスは複製機械を増やそうと弱毒化することが最近特に指摘されているが、今日紹介した様な例を見ていると、私たちがウイルスなしに進化できなかったことが理解できる。

論文紹介は以上ですが、今日7時からいつも通り岡崎さんを聞き手にジャーナルクラブを行います。既に紹介した新型コロナウイルスに対する免疫反応が非定型であることを示す論文を紹介する予定ですが、加えて最近注目されているRNAウイルスワクチンの科学について、モデルナからの論文に絞って紹介する予定です。ぜひご覧ください。

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11月25日 サイトカインストームがなぜ危険か?(11月13日 Cell オンライン掲載論文)

2020年11月25日

Covid-19だけでなく、ウイルス疾患の肺炎や重症化にサイトカインストームが関わることは明らかで、このサイトカインストームを抑えるための様々な薬剤が試されてきた。重症例の標準治療として効果が確認されているデキサメサゾンの効果の一部も、サイトカインストーム抑制によると考えていい。しかし、例えば期待されたIL-6抑制治療が期待ほど効果をあげなかったことから分かる様に、我々はサイトカインストームと診断をつけてわかった気になっていたが、本当はその本態について何もわかっていなかった様だ。特に、サイトカインストームがなぜ危険なのかについて、具体的に理解できていなかった。

今日紹介するメンフィスのSt.Jude小児病院からの論文は、サイトカインストームで上昇が見られる一つ一つのサイトカインの細胞死誘導効果を調べ、この活性と病態を相関させようとした研究で11月13日Cellにオンライン掲載された。タイトルは「Synergism of TNF-α and IFN-γ triggers inflammatory cell death, tissue damage, and mortality in SARS-CoV-2 infection and cytokine shock syndromes (TNFαとIFNγが共同して新型コロナウイルス感染時の炎症性の細胞死、組織障害、そしてサイトカインショック症候群の引き金を引く)」だ。

これまでの研究は、サイトカインストームで(CS)で上昇するサイトカインを抑制して症状が軽減するか調べる研究が中心だった。この研究では、サイトカインが致死的な炎症を起こすのは、誘導されたサイトカインが細胞死を誘導するからだと考え、直接症状との関わりを調べる代わりに、 CSで誘導される様々なサイトカインを組み合わせて骨髄由来マクロファージの細胞死を誘導できるか調べた。

その結果、CS で上昇する全てのサイトカインを混合したミックスは当然のことながら、その中のTNFαとIFNγの2種類だけを組み合わせたときにも同じ効果があり、また全部のミックスからこの2種類を抜いてしまうと、細胞死を誘導する効果が全くないことを発見する。また、実際の臨床例のデータベースでも、重症例では必ず両方のサイトカインが上昇していることを確認している。

この細胞レベルの結果が臨床症状と相関するか調べるため、マウスにTNFα、IFNγを注射する実験を行い両者を同時に注射したときだけマウスがショック死をおこすこと、また組織で多くの細胞の細胞死が誘導されていること、そして血小板減少、リンパ球減少、好中球上昇などの臨床指標も実際の例と一致することを明らかにする。

以上の結果から、CSにより炎症細胞の細胞死が誘導されることが組織障害の原因と考え、このサイトカインの組み合わせにより誘導される細胞死のタイプを調べ、アポトーシス、ピロトーシス、さらにはネクロプトーシスまで、複数のタイプの細胞死が誘導される、極めて恐ろしい組み合わせであることが明らかにされる。

最後に、遺伝子ノックアウトを丹念に調べ、2種類のサイトカインで刺激したときに強い細胞死ショックが起こるシグナル経路を調べ、予想通りJAK, STAT1, IRF1 が主要経路であることに加えて、なんとiNOS発現によるNO産生が下流の細胞死経路を活性化し、様々なタイプの細胞死を誘導、その結果ショック症状につながることを明らかにしている。

結果は以上で、マウスの実験とはいえ、これまで持っていたサイトカインストームの曖昧なイメージを刷新し、より明瞭なシナリオを提出した研究だと思う。すなわち、CSは細胞死を誘導するから強い肺炎及び全身症状を引き起こすという話で、経路が整理された結果様々な介入ポイントが示された。事実、JAK1/2阻害剤の効果が最近アカゲザル、人間のcovid-19感染で示されており、またTNFα阻害剤を使用中の患者さんがCovid-19に感染した場合重症化しないことも示されているので、この研究と矛盾はないが、まだ実際の臨床で両方のサイトカインが組み合わさってほとんどの病変が起こるというところまでは確認できていないと思う。この研究でも、両方のサイトカインを抑えて新型コロナウイルスを感染させる実験が行われているが、効果は完全ではないので、実際のCSはさらに役者が多いかもしれない。

個人的には、CSの主役にTNFα+IFNγが浮上したのとともに、NFκB経路に代わってiNOS、NO経路が主役に躍り出た点が印象深かった。また、TNFαは以前紹介した、自己免疫型の抗体産生に深く関わっていることから、この経路の治療可能性を大至急追求することは重要だと思う。

最後に、CSについて様々な介入手段が示されたのは大きいが、これをいかに迅速に臨床へ持ち込めばいいのか、医療機関や製薬会社をまとめて、効果を調べるためのしっかりした組織が必要な気がする。TNFαはもちろん、IFNγにもFDA承認の抗体薬が存在するが、どのぐらい増産して確保可能なのかまで計画できる組織が必要になる。公衆衛生学的介入が経済的な理由で簡単でなくなってきた現在、ワクチンとともに効果の高い標準治療の進化は鍵になる。早急に体制整備を進めてほしいと願っている。

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