4月15日 アルツハイマー病免疫治療によるミクログリアの変化(3月6日 Nature Medicine オンライン掲載論文)
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4月15日 アルツハイマー病免疫治療によるミクログリアの変化(3月6日 Nature Medicine オンライン掲載論文)

2025年4月15日
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昨日はミクログリアの貪食能を抑えるチェックポイント分子Tim-3についての論文を紹介したが、今日紹介する米国ノースウェスタン大学からの論文は、アルツハイマー病 (AD) 治療としてアミロイドβに対する抗体を誘導する免疫治療を受けた患者さんの脳内ミクログリアの変化、及びレカネマブによる抗体治療中に脳内出血を起こした患者さんでのミクログリアの変化についての研究で、3月6日 Nature Medicine にオンライン掲載された。タイトルは「Microglial mechanisms drive amyloid-β clearance in immunized patients with Alzheimer’s disease(免疫治療を受けたアルツハイマー病の患者さんのアミロイドβ除去に関わるミクログリアのメカニズム)」だ。

この研究ではまずAβに対する抗体を誘導する免疫治療を受けた患者さんのコホートの脳サンプルを用いて、組織レベルのゲノミックスを行い、Aβの周りに集まるミクログリアを、免役しなかったAD患者さんの脳と比較している。このコホートは免疫により髄膜炎が起こることがわかり中断されているが、Aβが脳から除去されていることは確認されている。

昨日も示したようにADでミクログリアが活性化することがわかっているが、免疫を行った患者さんでは特に活性化に関わるTREM2やAPOEの発現が上昇する。免疫によって上昇する遺伝子を調べると補体反応に関わる遺伝子とともに、上皮間葉転換に関わる遺伝子が上昇しており、昨日のTGFβ/Tim-3論文とも連関しているように思える。

このように、免疫治療によりミクログリアの状態がより活性化されたタイプに変化するが、この変化は蓄積したAβの周辺で強く、また誘導された抗体レベル、及びそれによるAβの除去程度と、ミクログリアの変化が一致していることから、免疫による抗体がアミロイドに結合し、さらに補体反応が活性化されることがミクログリアの変化に関わることを示している。

次に、抗体治療中に脳出血を起こした患者さんのミクログリアを調べている。TERM2やAPOEが上昇し、また補体反応や上皮間葉転換に関わる分子の変化は共通だが、遺伝子発現のパターンはアクティブに免役したときと、抗体投与では異なっており、この差については今後の研究が必要になる。

今日は両方の抗体治療で共通に見られる結果を強調したが、例えば免疫により神経保護作用に関わるFGF2シグナル分子が上昇していたり、ミクログリアのミトコンドリア代謝の上昇など、single cell levelの解析ならではの遺伝子発現変化が示されており、今後の研究に役立つと思う。いずれにせよ、これらの変化は脳のAβプラークの周辺で起こることから、ミクログリアの貪食作用と密接に関わっているのだと思う。

以上が主な結果で、昨日の論文と対比させると面白い。これまでADの免疫治療の副作用については様々な報告があるが、一つの背景は急速にAβプラークを貪食させることに関わっているようだ。能動的、受動的免疫を問わず、APOE、TREM2というアルツハイマーリスク遺伝子の発現が上がることは、Aβプラークの刺激以外に抗体が介在することで新しい活性化状態が誘導されることになる。これがプラーク除去に聞いているのだが、副作用の引き金も引いているようだ。実際、副作用はAPOE4タイプの患者さんで多い。また、TREM2を標的にした治療も考えられている。

この研究ではTGFβ/Tim-3の話は全く出てこないが、抗体が存在するとこのシグナル経路が高まっているように見える。とすると、Tim-3をうまく抑えることで、炎症を抑えて貪食能を上げるという治療が可能になるかもしれない。このように、ミクログリアはADの重要な治療標的になっている。

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4月14日 TIM-3チェックポイント分子はミクログリアでは全く違う働き方をしている(4月9日 Nature オンライン掲載論文)

2025年4月14日
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アルツハイマー病 (AD) にβアミロイドとTauタンパク質の蓄積が病気を進行させるドライバーだが、ADの遺伝リスクをたどるとApoE以外にも TREM2などミクログリア機能に関わる遺伝子との相関が示されており、またミクログリアがアミロイド除去の主役であることから、ADでのミクログリアについての研究が加速している。ミクログリアについての面白い論文を今週2報読んだので、今日・明日と2回にわたって紹介する。

最初のハーバード大学からの論文は、元々理解が難しいチェックポイント分子TIM-3のミクログリア及び ADでの役割を調べた研究で、4月9日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Immune checkpoint TIM-3 regulates microglia and Alzheimer’s disease(免疫チェックポイント分子TIM-3はミクログリアとアルツハイマー病を調節する)」だ。筆頭著者の木村さんは現在は京大神経内科所属になっている。

この研究はTIM-3遺伝子のSNPがADリスクと相関しているという最近の研究から始まっており、脳内でのTim-3の発現から検索し、Tim-3 が発生とともにミクログリアでの発現が上昇すること、またもう一つのチェックポイント分子であるLag3も同じようにミクログリアで発現することを確認している。すなわち、T細胞免疫のチェックポイント分子はミクログリアでも発現が見られる。

この上昇はTGFβシグナルと平行しており、実際Tim-3をTGFβで誘導できることから、Tim-3に焦点を当てて研究を進めている。

PD-1などと比べるとTim-3は極めてわかりにくい分子だ。まず、ガレクチンを始め様々な分子に反応する。またシグナル経路も多様で、一般的には通常Bat3と呼ばれる分子と結合してその機能が抑えられているが、リガンドで刺激されるとBat3が離れてFynやShp1/2をリクルートする。通常このような分子がリクルートされるとT細胞刺激が高まると思うのだが、なぜかT細胞の活性化を抑えるチェックポイント機能が発揮されるとされている。実にわかりにくい。

ただこの研究では、Tim-3がミクログリアでこれまで考えられたこともないシグナル経路を使っていることが明らかにされる。すなわち、TGFβのシグナルを受ける、TGFβ受容体 (TGFBR2) とその下流のSMAD2に直接結合し、リン酸化されたSMAD2のレベルを高めることでTGFβの刺激を促進する働きをしていることを明らかにしている。また、これまで知られていた上流、下流のシグナル経路は、今回明らかになった経路とは全くことなっており、まさにミクログリア特異的シグナル経路が見つかった。

次はミクログリアでの機能だが、上流のシグナルが明らかでないのでミクログリア特異的Tim-3ノックアウトマウスを作成して調べてみると、Tim-3 がノックアウトされたミクログリアでは貪食能に関わる分子が上昇し、死んだ神経細胞を処理する力が上昇している。

この結果は Tim-3 がADでのミクログリアAβ処理にも影響がある可能性を示唆しており、ノックアウトマウスをAβが蓄積するマウスと掛け合わせて調べると、ADの進行が見事に抑えられる。逆に言うと、Tim-3はADでAβ処理のブレーキ役になっていることになる。

詳細は省くが、Aβが蓄積するADマウスで、Tim-3ノックアウトミクログリアを詳しく調べることで、Tim-3欠損により貪食能が上昇する一方、炎症誘導活性が低下するという理想的な状態になっていることが明らかにされた。

以上が結果で、TGFβがミクログリアの活性を抑える働きがあるというこれまでの結果から考えると、 Tim-3 はこの活性をさらに高めてブレーキをかけていることを示している。この結果を臨床応用するには、ミクログリアでのTim-3活性化シグナルをさらに検索する必要があるように思うが、例えばTim-3細胞外ドメインと Fc を結合させた阻害剤などがうまく効いてくれると臨床応用が可能になる。期待したい。

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4月13日 αシヌクレインはDNA修復を促進する(4月9日 Science Advances 掲載論文)

2025年4月13日
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αシヌクレインはパーキンソン病(PD)発症の引き金を引く分子で、これが様々な要因で凝集すると、ドーパミン産生細胞の細胞死を誘導するが、そのメカニズムは多様で、ミトコンドリア異常誘導が最も大きな要因になっている他、小胞体ストレス、グリア細胞活性化、シナプス機能障害などを誘導する。しかしこんなまとめ方をしてしまうと、αシヌクレインが PD のために存在しているような錯覚に陥るが、当然正常の機能が存在している。

αシヌクレインの本来の機能も極めて多様だが、今日紹介するオレゴン健康科学大学が4月9日、Science Advance に発表した論文を読むまで、DNA修復に関わるとは思ってもみなかった。タイトルは「Alpha-synuclein regulates nucleolar DNA double-strand break repair in melanoma(αシヌクレインはメラノーマでのDNA二重鎖切断修復を調節する)」だ。

全く初耳だったが、PD患者さんではメラノーマリスクが高く、逆にメラノーマ患者さんではPDリスクが高いことが知られていたようだ。αシヌクレインノックアウトマウスでは二重鎖切断後の修復が低下していることが示唆されており、PDとメラノーマとの相関を修復から考えようと研究を進めている。

ただ残念なことに、研究では結局 αシヌクレインノックアウトを用いたDNA修復の研究で終わっており、PDについて直接検討しているわけではない。また多くの実験を行ってはいるが、最終的に αシヌクレインの正確な機能を特定できていない現象論で終わっている。

そう断った上で、詳細は省いて結論だけをまとめてみると次のようになる。

  • メラノーマ細胞でDNA切断を誘導すると、γH2AXヒストンが切断部位に集まるが、このとき αシヌクレインの発現が上昇する。
  • 誘導された αシヌクレインは核小体の周辺に濃縮され、ここに集まる γH2AXと結合する。
  • 修復部位の γH2AXはATMによりリン酸化され、修復に必要な様々な分子を回りに呼び込んで修復が進み、最終的に γH2AXはDNAから離れる。
  • この過程が αシヌクレインがノックアウトされると遅延する。その結果、ガンが分裂へと進むと、染色体の断裂が起き、染色体外DNAが形成され、染色体不安定性が生じる。
  • αシヌクレインはこの修復過程に直接関わるだけでなく、修復に必要な遺伝子の発現誘導にも関わる。
  • おそらくPDでは αシヌクレインの凝集により、ノックアウトと同じような状況が生じる。

結果は以上で、現象論的には新しい問題を示した点で面白いのだが、研究としてはフラストレーションが残る。すなわち、このシナリオだと αシヌクレインは核小体の rRNAをコードする遺伝子に働いていることになる。事実核小体のDNAのみ切断する実験も行っており、αシヌクレインが誘導されること、また核小体の回りに濃縮されることを示しており、かなり特殊な修復システムを形成していると言える。とすると、この点がおそらく最も面白いはずだ。

素人考えだが、以前紹介した熊本大学の矢吹、塩田さんの αシヌクレイン凝集に特殊なRNAが関わることを示した研究が思い浮かぶ(https://aasj.jp/news/watch/25430)。この凝集は αシヌクレインの相分離によって起こることが示されたが、核小体の周辺にαシヌクレインが集まるのも同じような相分離能力を利用している可能性がある。だとすると、核小体特異的にDNA修復を促進する特殊マトリックスとして働く αシヌクレインが、矢吹、塩田さんたちの見つけたRNA G4で相分離性質が変わり、修復機能が低下することが、PD患者さんでメラノーマが発生しやすい背景にあるのかもしれない。また、メラノーマも、ドーパミン産生細胞もメラニン号性能を持っている点も面白い。中途半端で残念な論文だが、面白い発展がありそうなので紹介した。

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4月12日 プライマリーケアへのGoogleの本気(4月9日 Natureオンライン掲載論文)

2025年4月12日
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これまでこのブログで紹介してきた医学領域の大規模言語モデル (LLM) で、Googleの研究の占める位置は大きい。もちろん基盤モデルを提供することによる貢献もあるが、MedPaLMやGoogle Missenseのような臨床現場で使えるLLMを開発し、しかもトップジャーナルに発表し続けている点が特徴的だ。同じGoogleのAlphaFoldと同じように、医療現場のスタンダードを目指している意志を強く感じる。

そのGoogleのカリフォルニアの研究所から2編の論文がNatureにオンライン掲載された。

1日違いのサブミットで、どちらも新しく作成した鑑別診断モデルArticulate Medical Intelligence Explorer(AMIE)の性能を調べたものだ。論文とは言え、半分AMIEの宣伝パンフレットと言った感じで驚く。

まずAMIEだが、MedPalmにも用いられてきたPaLM2トランスフォーマーモデルに、様々な病気に関するQuestion&Answerを学習させている。そして想定される実際の診察室でのやりとりを専門家とともにプロット化して、ファインチューニングに用いている。驚くのは、テキスト以外にレントゲン写真などを全く学習に用いない、自然言語に特化したところから始めている点だ。すなわち、患者さんと初めて出会うプライマリーケアの状況をまず開拓して、それからマルチモーダルに高めて新しい用途を開拓すればいいと割り切っている。

このように研究の目的は患者さんが症状を訴えて診察に来る状況でAMIEがどれぐらい役立つかの検証になる。このために使った問題は、医師ならほとんどの人が読んだことのあるThe New England Journal of MedicineのCPC (clinicopathological conference) シリーズで、症状から初めて最終的に正しい診断に到達するまでの考え方を学べるよう企画されている素晴らしい記事だ。この記事をAMIEの検証に使うことを想定して、NEJMのCPCは学習から排除するよう配慮している。

最初の論文は、CPCシリーズから作成した患者さんの訴えを、Lineのようなテキストチャット形式の医師と患者の会話で、可能性のある病気を考え、最終的に正しい診断に到達するプロセスを実際の医師とAMIEに行わせて、それぞれのパーフォーマンスを評価している。

結果はAMIEの圧勝で、プロンプトに従って患者の立場に立って医師とチャットした専門の俳優による患者としてのわかりやすさ、安心感など全てAMIEがベテランの開業医さんを凌駕している。

また、診断に到達するまでの過程を、専門家に評価させてた時もAMIEがほとんどの項目で勝っている。この結果から、最初の患者さんとの接点では、医師よりLLMの方が適切な対応が可能になることを示している。

2番目の論文では、同じようにテキストから正しい診断に到達するまでの過程で、AMIEを医師のアシストとして使う可能性を検証している。こちらの方は、症状を聞いて、可能性のある病気を可能性の高い順にリストし、それを鑑別するための方法を明確に構想できるかを調べている。

先の論文にあるように、AMIEと医師を比べるとAMIEが圧倒的に成績がいい。そこで、今度は医師に通常の検索、あるいはAMIEとの相談を通して鑑別診断してもらうと、AMIEを使った方が、一般の検索を加えて診断するより成績がいい。ただ驚くのは、それでもAMIE単独には負けている。おそらく、自分の最初の印象のバイアスが影響するのだろう。

これ以上の結果は割愛するが、要するにAMIEをアシスタントとして使うことも可能だという結論だ。使った医師に聞くと、検索するよりよほど親切でわかりやすいとコメントしており、実用化がすぐであることを感じさせる。また英語を用いているが、カナダとインドという状況設定までして、その実力の高さを誇示している。

以上が結果で、医師と患者の接点で使えるLLMモデルが完成に近づいている実感があるし、また研究の仕方から、この分野へのGoogleの本気度が感じられる。そしてこのままマルチモーダルな、万能LLMへと進化するのだろう。

余談になるが、最近NHKの「総合診療医 ドクター」が新しく始まったようだ。ここには様々な病院から若い医師が集まり、専門家が経験した症例について鑑別診断を進める番組で、私も各何回か見たが、出演する若い医師の知識の正確さにいつも舌を巻いた。今度は是非ここにLLMを参加させると面白いはずだ。将棋がAIにより活性化されたのと同じように、多くの学びが得られると思う。

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4月11日 どこでも1時間で結核菌を検出する方法の開発(4月9日 Science Translational Medicine 掲載論文)

2025年4月11日
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医者になったばかりの頃(1973年卒業)、我が国でも普通に結核患者さんが外来に来られた。アルバイト先の病院で胸水と結核病巣がレントゲンで認められ、すぐに入院できないということで外来で胸水を抜く処置をして、入院まで待ってもらったことすらあた。当時は、咳と熱での外来でレントゲンを撮り結核が疑われるか、あるいは集団レントゲン検査で発見され外来に来られるか、いずれにせよX線写真がまず行われ、その後痰の細菌検査が行われた。結核菌の培養には最低1ヶ月必要で、すぐに顕微鏡で菌が観察できるほどの患者さんは少なかったので、まず抗結核剤を投与して様子を見るのが通常だった。

ただ、このようなX線写真ベースの結核医療システムは先進国だけの話で、患者さんが多い低開発国では喀痰の検査とツベルクリン検査以外に診断方法がないということも習っていた。というのも、先進国からレントゲン検査システムは送られていても、現地の病院で使えるレントゲンフィルムがなかなか供給されず、宝の持ち腐れになっていた状況があった。あれから50年、レントゲンフィルム自体が必要なくなり、コンピュータ画像に置き換わることで、どこでも機械さえあればレントゲン検査が受けられるようになった。

今日紹介する米国ニューオーリンズにあるチューラン医科大学からの論文は、結核菌の検出を医療施設のない現場で1時間で可能にする、しかも安価な診断システムの開発で、4月9日 Science Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Rapid tuberculosis diagnosis from respiratory or blood samples by a low cost, portable lab-in-tube assay(呼吸器や血液サンプルの結核菌を一本のチューブとポータブル機器で行う安価な迅速診断)」だ。

この論文の大半は機械の設計と説明に使われている。読んでいると、どこでも検査システムを作成できる気になるほど詳しく説明されている。測定の原理だが、血液や痰をチューブにとって、そのチューブに挿入した Plunger に核酸を吸い上げトラップし、トラップの上で PCR と Cas12 を用いて標的DNAがあれば、Cas12 により DNA が切られて蛍光が出る仕組みを使っている。

もう少し詳しく検査の手順を説明すると次のようになる。

  • チューブの底には結核菌を溶解し DNA を切断する試薬が乾燥して塗りつけてあり、資料を加えて90度15分処理する。
  • こうして作成したサンプル溶液に Plunger を挿入すると、液が吸い上げられ中央にあるトラップに濃縮される。
  • このトラップにまとめて粉末化されている、組み換え酵素を用いる常温PCR試薬、DNA中に存在する結核菌DNAを検出する CRISPR/Cas12 システム、Cas12 が活性化されると切断され、それまでブロックされていた蛍光が発生するDNA基質が溶け出すようになっており、37−42度で45分静置すると、蛍光が出てくる。
  • ポータブル機器には、底を高温で熱し、中間部のトラップを37度に熱するヒーターが備わっており、チューブを挿入してしまえば、後は15分後に plunger を押す以外の手間はかからない。
  • そしてこの機器は電池で動くレーザーシステムが組み込まれており、発生した蛍光を検出することができる。

後は検出感度になるが、HIV にかかっている子供の結核のコホートで、痰の検査が難しいケースを例に、Xpert や培養検査と比べているが、感度は高くX線検査で確認できるケースの3/4で結核菌を検出している。一方、コントロールの子供については擬陽性はほぼ起こらない。

他のDNA検査と同じで、喀痰検査になると少し検出感度が落ちるが、やはり7割近い症例で菌を検出できる一方、コントロールでは全く擬陽性がない。

以上が結果で、多くの患者さんを一度に測定するのは難しいが、開発途上国の小さな診療現場で、しかも薬も限られた状況で診断するためには大きな力になる。このチューブ一本は2.7ドルということで、アメリカ支援が抜けたWHOでも可能な額ではないかと思う。特にエイズが蔓延している地域の子供を守る武器として期待される。

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4月10日 肺高血圧症治療薬の開発(4月2日 Cell 掲載論文)

2025年4月10日
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遺伝性のものも含め、肺高血圧はBMPシグナル異常を背景とする平滑筋の増殖が原因であると考えられている。この治療標的としてHECT型E3ユビキチンリガーゼの一つ SMURF1 が有望であることがわかっているが、分子構造上活性中心となるポケットがはっきりせず、創薬は簡単ではなかった。

今日紹介する英国シェフィールド大学、イスラエル・テルアビブ大学、そしてノバルティス生物医学研究所からの論文は、これまで創薬が困難だった SUMRF1 に対する化合物が開発できることを示した研究で、4月2日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Therapeutic potential of allosteric HECT E3 ligase inhibition(HECT型E3リガーゼのアロステリック阻害の治療薬としての可能性)」だ。

この研究では SUMRF1 が自己ユビキチン化する活性を利用して FRETレポーターシステムを構築し、これを阻害する化合物を探索している。その結果見つかった一つの化合物 compound-8 (C8) の阻害メカニズムを調べることをとおして、逆に SUMRF1 の分子活性を探索する、いわゆるケミカルバイオロジーの方法をとって研究を進めている。

C8 結合時の結晶構造解析も含めて酵素活性阻害メカニズムが解明され、E3リガーゼ活性には蝶番の役割をするリジンを核とするリンカーで繋がった SUMRF1のN-lobe、C-lobe が大きくポジションを変える、アロステリック構造変化が必須なのだが、N-lobe のヒンジ近くに C8 が結合することで、動きが制限され、酵素活性が低下することを明らかにする。

次に、C8 に抵抗性を獲得する変異を大腸菌を用いたアッセー系で特定し、C8 が結合する部位を特定している。

このように自己ユビキチン化を用いた生化学を基礎に、肺高血圧に関わる BMPR2 と SMAD1 シグナル分子を加えた実験系で SMURF1 によるユビキチン化を調べると、これまで示されていた SMAD1 だけでなく BMPR2 も直接 SMURF1 によってユビキチン化されることが明らかになった。すなわち、SMURF1 はシグナル全体を抑制していることがわかる。

これらの生化学的解析から、C8 に加えて C6 も同じようなアロステリック阻害活性があることがわかり、投与実験にはこちらを用いている。SMURF1 阻害が肺高血圧治療の標的であることを確認する目的で、もう一度肺高血圧患者さんの組織を調べ直し、全てで平滑筋の SMURF1 発現が上がっていることを明らかにしている。

そして薬剤でラットに誘導する実験的な肺高血圧でも、BMPシグナルが低下するのと並行して SMURF1 が上昇していること、そしてこのモデルに C6 を投与すると、肺高血圧が改善し、組織学的改善も見られる一方、ラットではほとんど副作用が見られないことを明らかにしている。

SMURF1 についての実験はここまでだが、今回の SMURF1 作用メカニズムを基礎にして、同じ HECT型E3リガーゼに対する化合物を設計できることも示し、これまで難しかった HECT型E3リガーゼに対しても創薬が可能であることを示して終わっている。

SMURF1 は TGFβ/BMPシグナルに関わることから、子宮頸がん、自閉症、神経発生異常など様々な疾患に関わっている。その意味で、アロステリック阻害薬の設計が可能であることが示されたことで、この分野も賑やかになるのではないだろうか。

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4月9日 音波顕微鏡による遺伝子発現検出(4月4日 Science 掲載論文)

2025年4月9日
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マウスで体内から漏れ出てくる光を検出することで体内での遺伝子発現を追跡することができるが、通常長時間の測定が必要になる。すなわち、基本的には組織内で光は吸収されてしまう。この問題を克服するには、光以外の媒体を用いて標識分子を検出する方法の開発が必須になる。もちろん PET のようなアイソトープを用いる方法もあるが、現在期待されているのは超音波を用いる方法で、身体の深部を超音波エコーでイメージングできることから、もし超音波の反射が変化するマーカーを組み合わせることができれば実現できる。

今日紹介するオランダ・デルフト大学からの論文は、超音波の反射を劇的に増強するマイクロバブルを標識として遺伝子発現を検出するための新しいイメージングシステムを開発した研究で、4月4日 Science に掲載された。タイトルは「Nonlinear sound-sheet microscopy: Imaging opaque organs at the capillary and cellular scale(非線形音波シート顕微鏡:不透明な臓器を毛細血管及び細胞レベルでイメージングする)」だ。

マイクロバブルが超音波の反射を劇的に変化することから、血管造影などに使われているとは言え、遺伝子や細胞の標識としてマイクロバブルを発生させられるのかが問題になる。全く知らなかったが、2014年、カリフォルニア大学バークレー校が、ガスが詰まったタンパク質の粒子を形成するバクテリアを特定し、この粒子を超音波イメージングのための一種の造影剤として用いれることを示しており、この研究ではこの技術をまず利用している。このガス粒子 (GV) を合成する遺伝子を細胞に導入することで、粒子がマイクロバブルとして働くというわけだ。これに加えて、超音波で血管を検出するために使われている脂質層に perfluorocarbon などのガスを詰めたマイクロバブルも用いている。

この研究では、これらのマイクロバブルを超音波エコーで検出するのではなく、これらのマイクロバブルに超音波を照射すると共鳴振動を起こし、このときに発生する非線形成分を、特定の深さの組織面で顕微鏡を見るように検出することを目的とした装置を開発している。これがタイトルにある非線形音波シート顕微鏡で、工学的な詳細は専門外なので説明は避けるが、組織内の特定の面に音波のシートを収束させ、そこで発生するマイクロバブルだけを高い解像度で検出する技術だ。このために、エコーで用いられるより高周波の超音波を、より簡単に電気的制御する Row column Addressed Array を開発している。この結果、1cm ぐらいの深さまでスキャンして、マイクロバブルの存在場所の 3D イメージを作成するのに成功している。

後はこの方法の利用価値を示すため、ガン細胞に GV 発生遺伝子を導入し、このガン細胞を皮下に移植、開発した非線形音波シート顕微鏡でガン細胞の広がりをモニターし、それを一般のエコー画像と組み合わせて追跡し、ガンの増殖、そして中央部に形成される壊死部がはっきりと検出できることを示している。

次に、脂質粒子を用いたマイクロバブルを血管に注入して、ラットの脳血管造影にチャレンジし、従来の方法と異なり、特に毛細血管レベルの微小循環を検出するできることを示している。

結果は以上で、工学的な詳細に興味がある場合は是非自分で調べてほしいが、マウスの実験には結構使えそうな気がする。人間でも皮下組織であれば面白い使い方ができそうだ。

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4月8日 感覚が意識されるメカニズム(4月4日 Science 掲載論文)

2025年4月8日
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よく意識についてどう考えるかと聞かれることがある。実際哲学や脳科学では意識とは何かは重要な問題として議論され続けている。ただ、門外漢が論文を読んで考えていると、結局意識とは刻々変わる環境の中で、「自己」を中心に生きる脳に必要な機能の集まりと思えてくる。麻酔がかかると意識はなくなるが、これは死んでいるのと同じだ。一方寝ているときは、ある程度外界との関わりに備えているし、もちろん脳は働いている。また、覚醒しているからと行って経験が全て意識されているわけではない。このように、外部内部の感覚を統合して自分を保つ脳の機能全体を意識と言っていいだろう。その脳メカニズムは一つではないと思うが、行動学的に意識研究が最もしやすい人間では、脳細胞の機能が測りにくいという最大の問題がある。

今日紹介する北京師範大学からの論文は、視床と前頭前皮質の両方に電極を設置した患者さんを対象に、視覚インプットを意識する時のメカニズムを調べた研究で、4月4日号 Science に掲載された。タイトルは「Human high-order thalamic nuclei gate conscious perception through the thalamofrontal loop(人間の高次視床核が視床前頭ループを介して感覚の意識に関わっている)」だ。

前頭前皮質と視床に電極を設置するケースはそう多くないと思うが、おそらく視床痛の深部刺激などのために電極を設置しているケースを使った研究だと思う。研究では、見えるか見えないかをボーダーラインの視覚刺激を与えて、見えると意識できたときに目で合図するという課題を行わせているときに、脳活動を記録している。記録の中から、見たことの意識と最も相関する神経反応を探している。

感覚の意識と最も相関しているのが、インプットから200msで起こる内層及び内側視床核 (imT) の反応で、他の視床領域は相関がない。特に 4-10Hz の θ波に強い相関が見られる。そして、この θ波は前頭前皮質の θ波と同調している。さらに、imT の θ波は、γ や α といった他の波長とも、振幅で同調していることがわかった。

ロックされた θ波の強度から、同調がどの順番で起こるかを調べると、imT が起点となり θ波を発生して前頭前皮質の θ波及び他の波長成分を統合していくことがわかる。そして、このループが視覚インプットで起こる前頭皮質の神経反応の中で、インプットが意識されたときに最も目立った反応であることが示されている。

結果は以上で、感覚インプットが意識されるとき、インプット直後に視床内層・内側核から「意識した」というシグナルが発生し、それを脳に伝えていることがわかる。この研究では、意識できるかできないかの境界領域の刺激を与えて集中させているのだが、この刺激と意識ゲートの最終関係が今後の課題になる様に思った。いずれにせよ、これまで様々な研究で指摘されてきたように、視床が意識のゲートを決めていることは人間でも確かであることがわかる。

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4月7日 ボノボの構文(4月4日 Science 掲載論文)

2025年4月7日
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チンパンジーを見たことがある人は多いと思うが、ボノボを飼育している動物園は世界でも数えるほどしかなく、見るチャンスは少ない。ベルリンにはよく行くが、動物園のボノボを見るのも一つの楽しみだ。パンダなどと比べて見る人も少なく、ゆっくり見ることができる。ベルリンのボノボのなかには土にジカに座るのを嫌って、座布団を引っ張っている個体までおり、確かに知能の高さを感じさせる。

珍しいボノボを飼育している施設が日本にも一カ所存在する。京都大学野生動物研究センターの施設で、チンパンジーやボノボが余生を送っている熊本サンクチュアリーだ。公開はされていないが、施設を見せていただいたことがある。写真(6人いるボノボの一人ヨシキ30歳;サンクチュアリーでは一頭と呼ばず一人と数えている)のように本当に近くで見て感激したが、飼育に必要なコストは常に足りないようで、これを読んだ多くの人に寄付をお願いしたい(https://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/kumasan/ja/members/index.html)。この研究施設では多くの研究が行われており、このブログでも2016年、類人猿に Theory of Mind が存在することを示した Science の研究を紹介した(https://aasj.jp/news/watch/5895)。

今日紹介するチューリッヒ大学からの論文は、ボノボのコミュニケーションで単語の組み合わせを調べ、ボノボの構文も非自明(non-trivial)な構造が存在することを示した研究で、4月4日 Science に掲載された。タイトルは「Extensive compositionality in the vocal system of bonobos(ボノボの発生システムの幅広い構成性を持つ)」だ。

動物のコミュニケーションを記録して、そこで使われる構成性を調べる方法の一つが Formal communicative system (FoCs) で、シグナルと行動的意味を組み合わせることで、様々な形で発せられたシグナルの構成性を、人間の言語分析のように行うことができる。鯨の歌や、コウモリの超音波など様々な分野で使われている。

野生のボノボはコンゴに生息しているが、研究ではボノボ保護地域で400時間ボノボの声を拾うとともに、そのときの発声者と他の個体との行動をナレーションとしてテープに保存し、これを元にボノボの発声する言葉の言語意味空間の分布を作成している。人間の言葉と異なり、ボノボには7種類の発声型が存在し、これらを単独、あるいは2種類を組み合わせてコミュニケーションに使っているのがわかる。

使われているコンテクストに基づいて、言語意味空間にそれぞれを分布させると、コンテクストが近いほどそれぞれの組み合わせは近くに分布することになる。これはGPTのような大規模言語モデルでの単語のトークンを多次元空間に分布させるのと同じだが、ずっと単純で、意味づけは人間の記述を元に行われている。

このとき、2種類の単語がランダムに組み合わせられることが多いが、このなかにはっきりと組み合わせにより新しい意味が発声する場合があることがわかった。すなわち、この場合それぞれの単語単独のコンテクストとはかなり離れたコンテクストが含まれるため、多次元空間分布での位置が離れる。例えば興奮を意味する言葉と自分に注意を引きつける言葉が組み合わさると、他の個体の攻撃的表示を制止する意味に変化する。

このように明確に意味の変わる組み合わせを探していくと、4種類の組み合わせが発見でき、そのうち3種類は自明的構成(trivial composition)、すなわち単語の並びの複雑さが低いケースが3種類、そして人間特有ではないかと言われてきた非自明的 (non-trivial) 構成が1種類発見された。

Trivial と Non-trivial を説明するのは難しいが、著者らは「金髪と踊り子」の組み合わせは、踊り子が同時に子供だったとしても「金髪子供」という意味を持てるのを trivial と説明し、「下手な踊り子」では踊りが下手でも英語がうまいことはあるので意味が限定される non-trivial の例としている。そしてボノボでは non-trivial の組み合わせが皆で移動する呼びかけとして「私と一緒に」が使われているとしている。

以上が結果で、脳科学的には全くわからないが、単語の組み合わせの構成性に新しいコミュニケーション能力が見られるとしているが、他の動物での研究も知る必要があるだろう。

カテゴリ:論文ウォッチ

4月6日 緑のサハラに暮らしていた古代人ゲノム(4月2日 Nature オンライン掲載論文)

2025年4月6日
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古代ゲノム研究が進んで、アフリカ人はサハラ以北とサハラ以南の民族に分けて考えるようになっている。特にネアンデルタール人との交雑の有無で見るとサハラ以南の民族には全く交雑の跡がないが、サハラ以北では出アフリカ後も交流があり、またゲノムレベルでも出アフリカ時代に民族は別れたのではないかと考えられている。広大なサハラ砂漠を中心とした乾いた大地を考えると、これが大きな障害になったと考えてしまうが、実際にサハラ砂漠領域が乾燥し始めたのは、1万年から5000年にかけてのことで、それ以前は緑の大地が広がっていたと考えられる。従って、サハラ砂漠による分断前の歴史を探ることはアフリカ民族の形成を理解するには重要な課題になっている。

今日紹介するライプチヒのマックスプランク進化人類学研究所からの論文は、緑豊かなサハラ時代の人類のゲノムを調べ、この時代にもサハラ領域では大きな民族の移動はなく、それぞれの民族が形成されていたことを示した研究で、4月2日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Ancient DNA from the Green Sahara reveals ancestral North African lineage(緑のサハラ時代の古代DNAは北アフリカ系統の存在を示している)」だ。

我が国のゲノムの歴史がまだまだ解明されていないのに、アフリカなどどうでもいい思われる方も多いと思う。実際、我が国の古代ゲノム研究 DNA のクリーンラボが導入されたのは2020年に入ってからで、天皇との関係で古墳研究も簡単でなく、研究者は多くのハードルを越える必要がある。そして何よりも高温多湿の日本ではゲノムの保存状態が悪いという問題があった。

この論文を紹介することにした理由は、もちろん北アフリカ古代史も面白いのだが、様々な技術のおかげで保存状態の良くない骨からもゲノム解析が可能になっていることを強調するためだ。実際、サハラ砂漠で石器時代の文化遺跡は発見されるが、DNAを回収することはほとんど諦められていた。

この研究ではリビア南、サハラ北の Takarkori の洞窟で見つかった歯と骨からゲノムを回収しているが、本来のゲノムの存在率は0.1%−1%で、現在のところ通常のショットガンシークエンスは難しい。代わりに、ヒト DNA を精製したあと、古代 DNA の多型パネルを使って解析している。すなわち、極めて少量の DNA を調べるプラットフォームが着々とできていることがわかる。おそらく我が国の古代ゲノムもこれにより進むのではと期待できる。

さて、今回発見されたゲノムは一体は80万SNP、もう一体は2万SNPが解析可能だった。この結果、Takarkori 人は他の北アフリカ人と比べてもかなり独自のゲノム構成を持っていることがわかった。文化的には、北アフリカに広がる陶器や埋葬などの文化を持っていることから、北アフリカでは、あまり民族間の交雑は起こらず、しかし文化だけが徐々に広まったと考えられる。

詳細は省くが、これまで出土している北アフリカ古代ゲノムを中心に比較することで、ルーツを探った結果、

  • Takarkori 人はホモサピエンスの出アフリカ時に、サハラ以南のホモサピエンスと別れた系統に属している。
  • モロッコで発見された Taforalt 人に最も近く、おそらく北アフリカ人形成に関わった共通祖先を持っている。
  • これまで、ヨーロッパとの交流の可能性から明確に結論できなかった北アフリカ系統が明確に存在することがわかった。
  • ネアンデルタール人遺伝子が低レベルで見られ、この割合からも出アフリカ以降のホモサピエンスが北アフリカに移動した系統関係を支持する。

今後は、モロッコの Taforalt 人と Takakori 人の分岐点に近い古代ゲノムの探索が必要になるが、マックスプランク研究所はかなり精力的にこの地域へと研究を拡大している。なんとなく、帝国主義とともに、世界中の考古学が進み、日本も負けずと聖域探検を送ったのと似ているが、我が国の場合はまず我が国の古代史から進めていってほしい。

カテゴリ:論文ウォッチ
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