今日の論文紹介は、ケトン体と幹細胞の話だったが(http://aasj.jp/news/watch/11238)少し理解しづらかったと思うので、一般向けの記事として、10年にわたって治療法のない3歳以下の幼児のてんかん患者(109人)に対してケトン食療法を続けた、シカゴにあるルリエ小児病院の経験について報告した論文を紹介する(Scientific Reports 9:8736, 2019)。
平均1.4歳という幼児でも、ケトン食を始めると3ヶ月で約4割の子供でてんかん発作が50%減り、20%の子供ではほぼ完全に発作をコントロールできたと言う、素晴らしい結果だ。さらに問題になるような副作用は見られず、3歳以下の子供でも安全に治療できることから、一般治療が困難なてんかんの場合、ケトン食は重要な選択肢になると結論している。
一機関だけの結果で、さらに長期の効果、あるいはケトン食をやめたらどうなるかなど、まだまだ知りたい点は多いが、研究を拡大する十分な動機になる論文だと思う。
個人的に興味を持ったのは、幼児に食べさせるケトン食のベースになる加工食材を簡単にネットなどから手に入れることができる点で、この病院でも積極的に市販品を使ったプロトコルを作成して、誰でもが簡単にケトン食を続けられるようにしている。輸入でもいいので、我が国でも簡単に利用できるようにして欲しいと思った。
平均1.4歳という幼児でも、ケトン食を始めると3ヶ月で約4割の子供でてんかん発作が50%減り、20%の子供ではほぼ完全に発作をコントロールできた
Imp
ヒト癲癇患者様で治療効果あるんですね。神経細胞ネットワーク形成に影響してるんでしょうか?栄養成分調整だけで症状が無くなる。。。不思議。