新型コロナウイルスの話は今やニュースの見出しトップに踊り上がっている。しかしヒトからヒトへの感染が可能になったという話以外に目新しい話はない。結局米国CDCのアドバイスに従って、なるべく人混みは避ける、家では石鹸で丹念に手を洗う以外、今のところ感染予防の方法はない。
しかし科学者は緊急体制で研究を続けており、刻々と新しい情報が入ってくる。例えば新型ウイルスの遺伝子配列はWHOから1月10日に発表され2019-nCovと名付けられた。
中国は正確な患者数を隠していたが、国際的圧力で慌てて正確な数を発表したという話が流布している様だが、ウイルスゲノムが1月10日に発表されたとしたら、それまでは正確な患者数など出せるわけがない。それから2週間の間に正確な診断が可能になったということだと思う。
ウイルスゲノムの特定により急速に研究は進んでおり、なんと今日Journal of Medical Virologyに中国北京、武漢、南寧のグループから、新しいウイルスが蛇由来ではないかという論文が発表された。おそらく一般の皆さんは、このスピード感に驚かれるのではないだろうか。
報道にもある様に、最初の患者さんたちは武漢の海鮮市場で様々な動物に触れていた人たちだ。しかし、どの動物からもまだ新しいコロナウイルスと同じウイルスは発見されていない。ただ、新型ウイルスの配列でのコドンの使われ方(核酸に対応して3つの核酸の並びがコドンとして使われますが、1つのアミノ酸に対するコドンは複数存在します。ただ、動物ごとにどのコドンを使うかのくせがあるので、このくせから動物の由来を特定できる場合があります)と新型ウイルスでのコドンの使われ方を比較することで、ウイルスの最初の由来を特定することが可能だ。この研究では新型ウイルスと多くの動物でのコドンの使い方のクセを調べ、なんと蛇のクセに最も近いことを明らかにした。
人間に感染するために変化した場所もわかっているので、今後蛇から人間への経路も明らかになると期待される。
ヘビからヒト?
爬虫類からヒト?
ウイルスの進化も不思議。