怒りの感情がこみ上げると、血圧が高まって、下手をすると卒中に陥ると誰もが思っている。しかし、それが本当かどうか結論するには科学的な手続きが必要だが、この課題に真面目に取り組んでくれる医師はそんなに多くない。
今日紹介するカナダ・マクマスター大学からの論文は、卒中に関する大規模研究で、対象者に丹念な聞き取り調査を行い、卒中と感情的興奮や怒り、あるいは強い運動との関係を統計的に調べた研究で12月1日、European Heart Journal に掲載された。論文URL:(https://academic.oup.com/eurheartj/advance-article-abstract/doi/10.1093/eurheartj/ehab738/6447061?redirectedFrom=fulltext).
1万3千人あまりの心臓および脳卒中の患者さんに丹念な聞き取り調査を行い、発症前一時間以内に経験した、1)強いエクササイズ、あるいは 2)強い感情的動揺や怒り、の卒中確率への影響を、オッズ比を計算している。
結果はウェッブで見ることが出来るので見ながら読んで欲しい(https://academic.oup.com/view-large/figure/316602638/ehab738f4.tif)。
まず怒りや感情的動揺は、卒中をオッズ比で1.3まで引き上げる。特に、脳出血については確率が2倍に上がる。
一方、強いエクササイズは、脳出血のオッズ比を1.5に引き上げるが、ほとんど影響はないと言える。
すなわち、予想通り怒りや動揺は、卒中の危険を高めるという通説は証明された。
怒りは、体に悪そうですね!
心筋梗塞、心室細動、心室頻拍などとの関係は?
気になります。
私も脳出血した瞬間は、iPhoneを握りしめて電話の相手に説教していた時でした。
気をつけてください。