今日はあまり科学報道が活発でないので、一つ面白いサイトを紹介します。 サイエンスニュースラインScienceNewsLineと言うサイトで、日本語版もあります(http://www.sciencenewsline.jp) これはコンピューターで自動的に選んだ様々な分野のトピックスを分かりやすく解説しているサイトです。さらに、このサイトの記事の多くは様々な言語に翻訳されています。 これほどの情報を自由に閲覧させるサイトが運営されていることがアメリカの力です。このようなサイトが普通に読まれるようになると、多分日本の既存メディアの役割はほとんどなくなるでしょう。政府もビッグデータとか今いろいろ言っていますが、このサイトが行っているようなコモンズの運動、すなわち情報をいかに提供するかという視点なしに言ったところで、日本は公共情報の面でどんどん遅れていくような気がします。 最後に今日この中で私の注意を引いた記事を挙げておきます。スウェーデンとドイツのチームが行ったいわゆるコホート研究です。これはJournal of vocational behaviorという雑誌に掲載されたようです。以下に内容をcut & pasteしておきます。日本でもコホートコホートと騒がれていますが、誰でも考えるようなことを研究費のためだけに声高に叫んでいるように思えます。その意味で、40年という時間を見続けるこのような研究は本当に頭が下がります。次の機会にはもう一つ重要なサイトPatientlikemeについてお示ししたいと思います。
起業家のダークサイドな側面 メディアは起業家にまつわる疑惑、反社会的な活動などを多く報じている。これらの報道から判ることは、起業家のタイプの中には、「隠された」傾向として、反社会性があるかもしれないということとなる。これが事実だとしたら、起業家は自己的な道徳観と倫理観に依存した自己中心的な人間であるということができるのだろうか?自己の利益のために他の倫理的な、そして社会的約束事のすべてを破るような「経済的ホモサピエンス(homo oeconomicus)」は果たして存在しているのだろうか?そしてもし、こういう人種が存在しているのだとしたら、何か彼をそうさせているのだろうか?Friedrich Schiller University Jena (FSU)とUniversity of Stockholmの心理学研究チームは、起業家にみられる反社会的傾向を研究することで驚くべき結論に至った。 研究チームは、この論文「Individual Development and Adaptation」(DOI: 10.1016/j.jvb.2013.06.007)の研究を行うにあたって中規模のスウェーデンの町に住んでいた1000名の子供を対象にその発達の過程を40年間に渡って追跡調査した。「私たちは、プロフェッショナルキャリアとして起業シップを発揮した被験者がどのような発達を遂げてきたのかを分析することから始めました。私たちはどのような社会的行動が、企業シップにつながっていくのかについて知りたいと考えたのです」とUniversity of JenaのDr. Martin Obschonkaは述べる。その上で研究チームは、被験者のルールに従わない傾向、参加に対する態度などを詳細に調べた。その結果、起業家には、思春期の頃から反社会的な傾向があること、また、この傾向は成人になってからも継続していることが判った。