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4月8日緑茶と記憶(Psychopharmacology誌オンライン版形成)

2014年4月8日
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この論文を読むまで気がつかなかったが、既に緑茶の消費が多いほど痴呆の高齢者の数が少ない事が我が国の研究によって示されている。それ以来、外国でも緑茶と記憶に関する研究が進んでいるようだ。機能的MRIを用いた研究も盛んで、作業記憶と呼ばれる短期記憶に関わる前頭葉側頭部の活動が緑茶で高まる事も報告されている。今日紹介する論文はこの可能性、即ち作業記憶誘発時に緑茶を飲むと、実際に前頭葉と側頭葉の神経結合を高めるかを調べた研究で、緑茶国とは言えないスイスからPsychopharmacologyオンライン版に報告された。タイトルは「Green tea extract enhances parieto-frontal connectivity during working memory processing(緑茶抽出物は作業記憶処理過程での側頭葉—前頭葉の結合性を高める)」だ。12人のボランティアを2群にわけ、片方にはお茶のエキスを入れたミルク、もう片方はエキスの入っていないミルクを、少し前に覚えた字を思い出すと言う作業記憶テストを受ける前に飲ませている。ただお茶の味がしないように、わざわざチューブで胃の中に直接注入している。その上でテストを行いながらMRIで検査すると言うプロトコルだ。結果は予想通りで、お茶には機能的MRIで測定される脳の側頭葉と前頭葉の結合性を促進するはっきりとした効果を検出している。ただ、実際の作業記憶テストの成績は小さな改善しか見られていないため、脳領域の結合性の上昇がそのまま記憶の促進につながるかどうかははっきりしないと言う結果だ。なぜこのような効果が見られるのかについてはお茶に含まれるカテキンやポリフェノールが直接アスパラギン酸受容体に働くのではと推測している。他にもカテキンが活性酸素を下げ慢性的な効果がある事も科学的な研究で確かめられているようだ。最近茶カテキンが脂肪を燃やすなどと言った宣伝を耳にするが、そこに短期記憶を促進すると宣伝文句を足しても問題はないと思う。ただこの研究では13gから25gの抽出物が使われているが、1gが大体5gの茶葉に対応するそうだ。とすると100g近くの大量の葉を消費する必要があり、記憶にいいと宣伝するのはやはり簡単ではでなさそうだ。

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