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6月22日 気になる新型コロナウイルスの統計:子供の誕生日は感染危険日(6月21日 JAMA Internal Medicine オンライン掲載論文)

2021年6月22日
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新型コロナに関わらず、飛沫で感染する全ての感染症は、人が集まって楽しむ機会に感染機会が高まる。この警告は、この1年何度も繰り返し繰り返し発せられてきたにも関わらず、完全な行動変容を促すことがいかに難しいかを示す統計が、6月21日ハーバード大学からJAMA Internal medicineに発表された。タイトルは「Assessing the Association Between Social Gatherings and COVID-19 Risk Using Birthdays(誕生日を例に集会とCovid-19リスクの関連を検定する)」だ。

このグループは、ソーシャルディスタンシングの警告が発せられている時でも、それが守られない機会として誕生日があるのではないかと着想した。もし誕生日に、お誕生会や、誕生パーティーが行われれば、当然感染機会が増える。

これを調べるため、260万家族の医療保険記録を精査し、2週間以内前に家族の誰かが誕生日を迎えていた時期とそれ以外の時期に分けて、それぞれの家族でのCovid-19発症を調べている。もちろん、地域や時期により感染状況は異なるため、感染状況を10段階にわけ、それぞれの状況で、誕生日により感染数が上昇するか調べている。

結果は明瞭で、最も感染状況が悪化している時、誕生日から2週間以内での感染数は、それ以外の週と比べて31%増加する。さらに面白いことに、誕生日が児童の場合と成人の場合を比べると、児童の誕生日だった場合10万人あたり15.8人増加したのに対し、成人の誕生日だった場合は5.8人の増加で止まっている。

要するに、パンデミックの中でも、子供の誕生会が行われ、これが感染者を増やす原因になっているという結論だ。

最もわかりやすい状況を取り上げ、具体的な結果を示すことで、注意を促す、納得の論文だと思う。

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