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嚢胞性線維症治療薬開発につながる標的分子(朗報)

2013年9月15日
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嚢胞性線維症(CF)は上皮のナトリウムチャンネル(ENaC)の機能を調節するCFTR遺伝子の異常で、この分子異常によってENaCの活性が異常に上昇する結果、症状がでる。病気のメカニズムはかなりの程度理解できているので、これまで例えばENaCの機能を抑制する薬剤の可能性が追求されて来たが、まだ満足できる結果は得られていなかった。今回リスボン大学Amaral博士のチームは、ENaCの機能調節に直接関わる分子を一から検討しなおした。ENaCの機能を生きた細胞で調べる系を用いてしらみつぶしに遺伝子をノックアウトし、ENaCの活性化に関係する遺伝子を探索した。途中を全部省くが、最終的にこれまで知られていなかったENaC分子の活性を調節する2つの新しい遺伝子を発見した。実際には他にも幾つか薬剤の標的になる分子が見つかっているが、この仕事ではCNTFRと呼ばれる受容体と、Diacylglcerol kinase iota(DGKi)が薬剤開発の標的としてかなりの可能性がある事を示した。勿論私はこの分野の専門家ではないが、DGKiに対する薬剤を開発する可能性は高いことが十分な説得力で伝わって来た。おそらくCF治療のための研究としては大きなヒットに思える。特に、嚢胞性線維症の患者さんにとっては大きな励ましになるのではないだろうか。この仕事は今月号のCellに発表された。(Cell 154, 1390–1400, September 12, 2013)

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