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全エクソームDNA配列検査が一般検査になる(New England Journal of Medicine 10月17日号掲載)

2013年12月13日
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私たちのゲノムは大きく、蛋白質へ翻訳される部分と、それ以外の部分に分ける事が出来る。前者をエクソン、後者をイントロンを含む非翻訳領域と呼ぶ。遺伝病やガンの多くは、この翻訳されるエクソンのDNA配列が変化する事によって起こる。このため、この変異を調べるための様々な方法が開発されていた。しかし考えれば、面倒な事は辞めて、最初から全てのエクソンのDNA配列を決めれば済むはずだ(これを全エクソーム検査と言う)。事実、がん研究の分野ではがん細胞の全エクソーム検査が行われ、ガンの原因や経過の詳細が明らかになり、新しい治療につながっている事をこれまでも紹介した。ただこれまではコストの問題があり、一般検査と言うより、研究室での話だった。幸い、DNA 配列決定にかかるコストはますます低下しており、現在信頼できる会社に頼んで解析を依頼すると50万円ぐらいに下がって来た。更にそのコストは低下し、10万円になるのも時間の問題だろう。この様な時代を背景に、診断のために遺伝子診断が必要と医師が考えた200例を超す神経疾患の患者さんのエクソーム検査を行い、一般検査としてのエクソーム解析の意義を調べた研究が行われ、The New England Journal of Medicineの10月17日号に報告された。ヒューストンのベーラー大学の仕事で、「Clinical whole-exome sequencing for diagnosis of Mendelian disorders (遺伝病診断への全エクソーム配列決定の応用)」。結果はわかりやすい。全エクソームのDNA配列決定を行えば25%の患者さんの遺伝子異常が特定できると言うものだ。これまで遺伝疾患である事が疑われても、ほとんど遺伝子が特定できなかった事を考えると格段の進歩だ。エクソームだけでなく、全ゲノムを調べるようになれば更に診断率は上がるだろう。
   2004年日本の研究機関が次世代シークエンサーをこぞって導入しようとした時期、アメリカでは1000ドルゲノム計画がスタートした。ゲノム検査を研究室から診療現場、そして最後は個人へと言う明確なメッセージが示されたすばらしい研究プロジェクトだが、その成果がますます拡がって来たのを実感する。また、12月9日にナビ席で紹介した「個人ゲノム情報に特許はかからない」というアメリカ最高裁の判断もこの様な背景を考慮した判断だろう。私たちもどうするのか議論が必要になって来た。

  1. Okazaki Yoshihisa より:

    ゲノム検査を研究室から診療現場、そして最後は個人へと言う明確なメッセージが示されたすばらしい研究プロジェクト。
    →日本でもゲノム医療が花開くことを願っております。

  2. コンタニ ・ソトヨシ より:

    難病患者ノDNAには異常なDNAも混入されている為に特定enzymeが作られないとか又はある因子が欠けている為に神経伝達系が受けた情報のCascadeを起こしている段階で基本的な部分での動きが出来ずに患者さんは咳込むとかAdenil cycleが上手く動かずAntiboyが異常であって病気ガチに成るとか、遺伝子情報に確かに間違いがでます。詰り患者の遺伝子からの情報をシーケンスしてやりどこの部分が異常かを検出させてその部分を正常に戻させる事で疾患患者を治療出来ます。それにはCpkないしcAMPの量を増幅させて活発化させ動かすべBandを正規にずらす事を試し見ればいい事だと私は思います。

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