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1月7日:当たり前だが頑張れば痩せられる(American Journal of Preventive Medicine1月号掲載論文)

2014年1月7日
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昨日(1月6日)肥満の薬剤治療について紹介した。しかし、本当に薬を飲んでまで減量する必要性があるのかには疑問を持った。かくいう私も、15年前に85Kgを超える肥満になり、その後カロリー制限(アルコールは含まず)と運動などで77Kgまで減量に成功した。神戸に来て10年ほど80Kgを切る体重を維持して来たが、最近少し気が緩み、特に退職後は80Kg−81Kgを行ったり来たりするようになってしまった。それでも、最も太ったときよりは5%は減っているだろう。このように、減量を目指して一度は頑張る人は多いはずだ。ではどこまで摂生が必要なのだろう。そんな疑問を抱きながら文献を見ていたらうってつけの論文を見つけた。ブラウン大学の研究でAmerican Journal of Preventive Medicineという予防医学の雑誌の今月号に掲載されていた。「Weight-loss maintenance for 10 years in the national weight control registry (全国減量登録参加者は10年間減量を維持できている)」がタイトルだ。先ず感心するのは、全国減量登録がブラウン大学により1994年から行われている事だ。このサイトには現在約1万人が登録している。研究はこの登録の中から最初の努力で30ポンド(13.6Kg)減量できた人をピックアップし(2000人を超えている)その人達を10年間追跡した研究だ。これまで何度も繰り返して来たが、多くの人を登録し記録を蓄積する事は科学的な健康維持に必須の要件だ。はっきり言って、この研究では減量しようと頑張った人だけが対象になっており、その頑張る気持ちが維持できたかどうかを体重の変化として調べている。結果は90%近い参加者が調査開始時よりは太ってしまうものの、まだ10%程度の体重減を維持できていると言う結果だ。参加者のほとんどは、日に1回以上体重測定をし、運動を欠かさず、脂肪の少ない食事を10年にわたって続けることが出来ている。昨日紹介した最も強い食欲抑制剤でも1年で10%の減量と考えると、やはり頑張って痩せる方が良さそうだ。痩せようと先ず頑張ってみる事の重要性を実感した。また各自治体でも是非減量登録などを始めたらどうだろうか思った。

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