11月8日 ケルト語の祖先はいつ生まれて、どう伝搬したのか(11月4日 Nature オンライン掲載論文)
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11月8日 ケルト語の祖先はいつ生まれて、どう伝搬したのか(11月4日 Nature オンライン掲載論文)

2026年11月8日
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ヨーロッパ言語は、ロマン語、ゲルマン語、スラブ語が中心で、全てヤムナ文化に発するインドヨーロッパ語から分岐しているが、この論文を読むまでアイルランドやウェールズ語が属するケルト語が最初はヨーロッパの中心言語であったことを知らなかった。GPTにケルト語に属する言語をリストして貰うと図のようになる(検証していないが)が、実に多くの、私も初めて聞く多くの言語がケルト語を祖先とすることがわかるが、最初古代ケルト語として大陸に存在していたのに、現在ではほとんどヨーロッパの辺縁に追いやられている。

今日紹介するコペンハーゲン大学からの論文は、3000年前頃にインドヨーロッパ語から形成されたと考えられるケルト語が、どこで形成され伝搬したのかを、現在進むヨーロッパから出土する古代人のゲノムデータから解析した研究で、11月4日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Tracing the spread of Celtic languages using ancient genomics(ケルト語の伝搬を古代人ゲノムを用いて追跡する)」だ。

言語の数学的比較から、ケルト語は4500年前にインドヨーロッパ語の方言として形成され、その後3500年前にケルト祖語として確立したと考えられている。また、大陸でガリア語などが話されていたことは記録として残っている。ただ、ヤムナ文化が北に移動してインドヨーロッパ語方言としてベル・ビーカー文化に生まれた後ヨーロッパに伝搬したのか、フランスやドイツを含むヨーロッパ中央部で形成され伝搬したのか、あるいは東欧起原か、様々な説が提唱されていた。

この研究ではヨーロッパで様々な時代に起こった民族の移動を古代人ゲノムから解析して、ケルト語が発生した3200年前後に起こった移動に最も合致する民族移動を探し、最終的にボヘミア、ババリアで生まれたKnoviz分化の西方への移動が、ケルト祖語の形成以降で起こり、その後ケルト語が使われた地域と合致することを確認している。

例えば、ベルビーカー分化とともに伝搬したと考えると、この分化の移動時期が4400-4200年前で、ケルト祖語の形成以前にKnovíz-related ancestryなってしまって、確かにヤムナ文化の移動に伴いケルト祖語以前に形成された方言が移動したと考えても良いが、各地域で同じケルト祖語が発達されたとは考えにくい。

その意味で3200年前から2800年前に行われたKnoviz文化の移動は、ゲノムのケルト語圏への移動と一致しており最も確率が高いことになる。ただ、著者らは実際のケルト語の伝搬はKnoviz民族移動よりもう少し大きな規模で起こったと考えている。即ち、ハンガリー・セルビアから移動shしたUrnfield文化の移動がケルト語伝搬の中心だが、この文化は火葬文化なのでゲノムが残っておらず、その文化の一部でゲノムの残るKnoviz文化をこの研究では指標として使ったと述べている。

以上が結果で、これまで文化系とされてきた言語学も総合科学として発展していることが感じられる。若かったら言語研究に進んだろうなと思うが、今はその進歩を楽しむことにする。

カテゴリ:論文ウォッチ
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