11月10日:自閉症スペクトラムの音楽療法(Translational Psychiatry 8:231 掲載論文)
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11月10日:自閉症スペクトラムの音楽療法(Translational Psychiatry 8:231 掲載論文)

2018年11月10日
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自閉症スペクトラム(ASD)の主症状は、社会性の障害、言語障害、そして反復行動とされている。もちろんこれに異を唱えるわけではないが、言語障害については、発話や会話の障害と、表現能力とに分けて考える必要 がある。 というのも、 読まれたことがある人も多いと思うが、 東田直樹さんの有名な著作「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」や、彼が22歳で発表した「飛び跳ねる理由」などを読むと、その表現力の豊かさに驚き、言語能力障害と診断するのが憚られる。これは東田さんだけの話ではない。米国の自閉症児Ido君の文章が集められている本「Ido in autismland」を読むと、英語を話さない私でも、素晴らしい表現力と想像力だと思う。特にこの本では、絵本を指差して読んでいる時、急にIdo君とのコミュニケーションを持つことができた感動的シーンや、Ido君が支援者へのスピーチで拍手喝采を得る感動的シーンが書かれているが、東田さんやIdo君が書いているように、表現しようにもコミュニケーションを阻害する抑制が強く働いているだけではないだろうか。だとすると、なんとかこの抑制を取り除く方法を開発する必要がある。

このための一つの方法として長く試みられているのが音楽を通じてコミュニケーションをたかめる治療法で、さまざまなプログラムが開発され、米国やヨーロッパでは数千人規模の音楽療法の専門家まで養成されている。ただその効果の評価をめぐっては、様々な研究結果が入り混じっているというのが現状で、例えば昨年8月にここで紹介した米国医師会雑誌に掲載された臨床試験研究では(http://aasj.jp/news/watch/7216)効果が認められないという結果に終わっている。

今日紹介するモントリオール大学からの論文も、111人のASD児を無作為化して音楽療法と、一般のASD治療プログラムに割り振ってその効果を確かめた研究でTranslational Psychiatryに掲載された。タイトルは「Music improves social communication and auditory–motor connectivity in children with autism (音楽はASD児の社会コミュニケーション能力を高め、聴覚野ー運動野の結合性を高める」だ。

この研究で用いられている音楽プログラムは他のプログラムと比べて大きく異なる点はない。ただ、全ての治療過程をビデオに収め、適切に行われたかどうかを調べている点とMRIによる脳イメージング検査を行って、より客観的評価を試みた点が新しいといえる。 だいたい10回の治療プログラムを受けた後でコミュニケーション、社会性、ボキャブラリー、家族内での生活の質、異常行動などを評価するとともに、MRIを用いて脳の機能的結合性をしらべている。

この研究の結果はポジティブで、コミュニケーションと家族内での生活の質は,、音楽治療によって改善している。さらに、これに対応して聴覚野と運動野の神経結合性が高まっており、脳自体の構造も変化したという結論だ。

すでに述べたように、同じような治験が行われ、さらに優れたプロトコル開発につなげていく必要があるが、MRIで調べられる脳の機能が、しかも学童期にあきらかに改善したという結果は今後の研究にとって重要だと思う。ASD児には音楽的才能のある子供が多い。このルートを利用するのは納得できる方法で、さらに多くのトライアンドエラーが科学的に重ねられる必要があると思う。これは私の個人的感触で、なんの根拠もないが、様々な論文を読んでいると、一歩づつASDの子供達のコミュニケーションを取り戻す方法が開発できているように感じる。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月9日 紫外線に2日おきにあたる方が、毎日あたるより黒くなる(11月1日Molecular Cell掲載論文)

2018年11月9日
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面白い現象を見つけてそれを誰もが納得できる仕方で説明するのは、研究の醍醐味だろう。ただ、多くの場合論文の読者が最後まで納得できるエビデンスを示すのは簡単ではなく、中途半端に終わることも多い。

著者には申し訳ないが今日紹介するフランスのGustave Roussyガンセンターとイスラエル テルアビブ大学からの論文は、私にとっては肝心の最後がよくわからないという典型の論文になってしまった。タイトルは「UV protection timer controls linkage between stress and pigmentation skin protection systems (紫外線から皮膚を守るタイマーが皮膚の防御システムのストレスと色素沈着の連携をコントロールする)」だ。

この研究が対象とした現象は全く初耳だったし、面白い。マウスでも人間でも、紫外線照射を毎日1回、2日に一回、3日に一回、の頻度で照射し60日目に組織を調べると、なんと毎日照射した時より、2日に一回照射した方が色素沈着が強くなるという現象だ。そして、これは培養したメラノーマ細胞レベルでも再現できる。

こんなことがあるなど想像だにしなかったし、とても面白い現象だ。この謎を解くというのがこの論文の目的だ。細胞レベルの性質として特定できたので、謎は解けるかと最初は期待した。要するに、色素細胞の活性を調節する様々な分子の発現を異なる照射条件で比べれば解けるはずだ。

この研究では、1日一回と、2日に一回で、色素細胞の発生と活性を調節しているマスター分子MITFの発現のパターンが異なることを示している。

1) まず、UV照射(試験管内ではcAMPによる刺激で代えている)後、MITFの発現は外界の刺激とは全く無関係で周期的に変化する。
2) ただ、上がり下がりを繰り返しながらも発現はだいたい48時間で元のレベルに戻る。しかし、24時間目にもう一度照射すると、新しい周期が始まる。
3) MITFは短い間隔の周期で振動する他、その下流の遺伝子は、この細かい周期にはあまり影響されない分子が多い。
4) MITFの周期は、それを制御するHIF1やMir-148の周期的発現の結果としてほぼモデル化できる。
5) また、この2種類の分子をノックアウトすることで、MITFの周期を変化させ、その結果24時間、48時間照射による色素沈着の差も消失する。

などが結果だ。要するに、UV照射後のMITFは、短い周期と長い周期で変化し、長い周期で見ると48時間で元のレベルに戻るが、24時間目にもう一度照射すると、長い周期が24時間に変わる。一方、短い周期はそのまま維持されると考えていいだろう。

一見うまく説明できたように見えるが、ではなぜ48時間という長い周期の方が、色素の沈着が高まるのかについては、結局説明できていない。色素合成の阻害分子も含め、やはりもう少し精度の高い研究が必要だろうと思う。また、せっかく発見した、MITFの短い周期の振動の意味も明らかにされていない。そして、色素沈着は60日目で見ているのなら、MITFの発現変化も、60日間調べて欲しい気がした。その意味で、現象は面白いのに、フラストレーションの残る仕事だったと言わざるを得ない。

とはいえ、日焼けサロンのプロトコルは、48時間サイクルに変えた方が良いことは間違いない。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月8日 え!片頭痛にも抗体薬?(The Lancet オンライン版掲載論文)

2018年11月8日
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オプジーボもそうだが、今や苦労して標的に結合する化合物を探すより、標的に対するモノクローナル抗体を作ったほうが、薬になるという風潮が蔓延しているように思う。抗体薬が細胞表面の分子に対してしか効果がないということがわかっていても、現在も多くの抗体薬がFDAの認可を受けようと臨床治験が行われている。抗体の持つ標的に対する特異性を考えると、開発の確率から考えても、細胞表面分子なら抗体薬というのはうなづけるが、しかし限られた医療費で今後効果が示された抗体薬を本当に万人平等に使うことができるのかいつも心配になる。

とりわけ今日紹介するロンドン大学からの論文はなんと偏頭痛まで抗体薬を用いて治そうとした治験論文でThe Lancetオンライン版に掲載された。タイトルは「Efficacy and tolerability of erenumab in patients with episodic migraine in whom two-to-four previous preventive treatments were unsuccessful: a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3b study (これまで2−4種類の方法でも治療できなかった反復性の偏頭痛に対するerenumab効果と安全性)」だ。

私自身はほとんど頭痛で困ったという経験はなく、ましてや偏頭痛が反復することなど全く経験したことがない。しかし、この論文を読むと、かなり多くの人が片頭痛で苦しんでおり、偏頭痛は労働を阻害する2番目の要因になっているようだ。それにもかかわらず、現在行われている片頭痛の治療は対症療法だけで、それも効かないケースが当たり前という有様なようだ。これまでの研究で、偏頭痛の原因の一つとして、37個のアミノ酸からなるポリペプチドCGRPの関与が示されていた。

この論文はこのCGRPに対するモノクローナル抗体を用いてこれまで薬剤が全く効果を示さなかった片頭痛を治そうとした治験研究で、2−4種類の治療を試したが全く効果が見られなかった人を集め無作為化して、抗体(erenumab)か偽薬を月に1回、3ヶ月間注射し、偏頭痛の頻度が50%以上低下した患者さんの割合を調べている。驚くのは、12週間でも14%近くの偽薬を用いたグループで効果がある点だ。偏頭痛の難しさがよくわかる。ただ、偽薬とくらべた時、erenumab投与群では30%の患者さんが偏頭痛の頻度が50%以上改善している。一方、この治療による副作用は、3ヶ月という範囲ではほとんど何もない。

この抗体薬を用いても7割の人の偏頭痛は改善しないのだが、それでも3割の人の偏頭痛はたしかに解消して、生活の質も上がったとすると、治験としては効果があったという結論になるだろう。しかし薬価がいくらになるのか分からないが、偏頭痛にまで抗体薬が進出しているのを見ると、ちょっと複雑な気持ちになってしまうのは、偏頭痛持ちの人の気持ちがわからない私だけだろうか。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月7日 RNAのアデニン・メチル化が海馬の文脈依存性記憶を高める(Natureオンライン版掲載論文)

2018年11月7日
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RNAのアデニンをメチル化する酵素Mettleが明らかになり、この分子をノックアウトする研究から、RNAメチル化が発生を始めさまざまな過程において重要な働きをしていることが続々明らかにされ、mRNAレベルでの微調整がいかに重要かがわかってきた。実際、私のブログでもRNAメチル化については6回も紹介している。

それでも新しい話が尽きることがないようで、今日は私たちの記憶にRNAメチル化がどのように関わるかを明らかにしたシカゴ大学からの論文を紹介する。タイトルは「m 6 A facilitates hippocampus-dependent learning and memory through YTHDF1(アデニンのメチル化はYTHDF1分子を介して海馬での学習と記憶を促進する)」だ。

メチル化RNAはさまざまな細胞過程に関わるが、最近の研究でYTHDF1分子と結合して、翻訳の促進に関わることが知られている。この研究の目的は、この翻訳促進機構が脳内でも働いていることを示すことで、そのためにYRHDF1遺伝子のノックアウトマウスを作成し、その脳機能を調べるところから研究を始めている。ある意味では、ノックアウトマウスの解析という至極古典的な研究だ。

もちろん、YTHDF1の発現は脳内、特に海馬の神経で高い発現が見られるが、ノックアウトマウスは正常に発生し、海馬の解剖学的構造も特に変化はない。しかし、文脈依存性記憶が強く障害されている。一方扁桃体が関わる音の刺激による恐怖記憶は犯されていない。これらの結果から、海馬が関わる学習と記憶はYTHDF1ノックアウトマウスでは選択的に障害されていることが明らかになった。

次にこの変化の生理学的背景を調べ、神経結合部のスパインが減少することによる長期記憶が低下していることがわかった。そして、これらの異常が全てYTHDF1欠損によることを、同じ遺伝子を海馬に導入する回復実験を行い、証明している。

そして最後に、これらの生理学的変化を、メチル化RNAおよびYTHDF1の機能と関連づけるため、まずYTHDF1に結合するメチル化RNAにはシナプスや記憶に関わる分子が濃縮しており、これらの分子は正常では神経刺激とともに合成が高まるが、YTHDF1ノックアウトマウスではこのような上昇は見られない。また、レポーターを用いた実験で、神経刺激後比較的遅い2−4時間でこのような上昇が見られることが明らかになった。以上のことから、メチル化されたRNAはYTHDF1と結合することでおそらく安定化し、この結果同じmRNAから合成されるタンパク質が増加することを示している。

以上、タンパク質の合成の本当のファインチューニングにもメチル化RNAが関わるという話だが、脳を維持するにはこれほど繊細なコントロールが必要かと思うと、脳を守ることの難しさが実感される。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月6日 腸内細菌がインシュリン抵抗性を誘導するメカニズム(11月1日号Cell掲載論文)

2018年11月6日
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何度も繰り返すが、これまで細菌の種類が上がったり、下がったりと現象論に終始していた細菌叢研究は、現在急速に具体的な因果性を明らかにするための研究に転換している。例えば、これまでは2型糖尿病の細菌叢と、正常の人の細菌叢の比較で終わっていた研究が、細菌叢の違いが糖尿病につながるメカニズムを明らかにする研究へと転換しつつある。そのおかげで、細菌叢に対する具体的な介入方法も徐々に明らかになるのではと期待が持てるようになってきた。

今日紹介するスウェーデン ヨテボリ大学からの論文はまさにこのトレンドを代表する研究と言っていいだろう。2型糖尿病でのインシュリン抵抗性が2型糖尿病患者さんの細菌叢が分泌するイミダゾール・プロピオン酸によって誘導されるメカニズムを明らかにしている。タイトルは「Microbially Produced Imidazole Propionate Impairs Insulin Signaling through mTORC1(細菌叢により合成されるイミダゾール・プロピオン酸はmTORC1を介してインシュリンシグナルを阻害する)」だ。

この研究では、最初から2型糖尿病の患者さんの腸内細菌叢から分泌されるアミノ酸の代謝物が、糖尿病のインシュリン抵抗性を誘導するという仮説を持って、これをどう証明するかに焦点を当てて研究を行なっている。腸内細菌叢で分泌される分子はまず肝臓へ門脈を通って移行することがわかっているので、まず門脈で特に上昇しているアミノ酸代謝物を肥満で糖尿病の人と、正常で比べている。もちろん、門脈採血などは普通できないが、この研究では腹腔鏡下の手術の機会を利用して、採血を行っている。その結果、イミダゾール・プロピオン酸(ImP)が糖尿病の人と門脈て高いこと、そして、糖尿病の患者さんの細菌叢のみがヒスチジンを加えたときにImPを作ることを明らかにする。すなわち、糖尿病の細菌叢特異的なアミノ酸代謝物としてImPを特定する。この研究のハイライトは、この発見に尽きる。あとは動物実験で、ImPを注射した時、糖尿病を誘導できるかどうか順々に調べれば良い。

実際、ImPをマウスの注射すると、いわゆるインシュリンへの反応性が低下するインシュリン抵抗性が誘導される。すなわち、インシュリンのシグナルが阻害される。あとは、インシュリンシグナルが阻害される過程を探索し、

1) ImPの作用でp38γ分子の自己活性化が起こる。
2) 活性化されたP38γはp62をリン酸化する。
3) リン酸化されたp62はmTORC1を活性化する。
4) mTORC1はS6K1をリン酸化により活性化する。

5) リン酸化S6K1はインシュリン受容体下流のIRSをリン酸化して、分解する。

という、シグナルカスケードの結果、インシュリンシグナルを阻害することがわかる。 そして何よりも重要なのは、多くの細菌の代謝経路を調べ、ヒスチジンがImPへと代謝される中間過程ウロカニン酸からImPを作れる経路を持つ細菌で2型糖尿病の細菌叢に濃縮されている種類を28種類特定できている点だ。そしてその例としてStreptococcus mutansとEggerthella lentaなどが挙げられている。詳細は省くが、このような細菌が高カロリー食により誘導される可能性についても考察しており、今後この過程をコントロールできれば、少なくともインシュリン抵抗性を改善できる可能性がある。

いずれにせよ、腸という大きな発酵タンクをどう調整するか、あるべき方向が徐々に見えてきている。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月5日 CDK9のガン標的分子としての可能性(11月15日号Cell掲載論文)

2018年11月5日
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最近は癌治療というと免疫療法という話になり、分子標的の話は少なくなった気がするが、もちろん今も開発は進んでいる。薬剤開発というと、スクリーニングで効果が見られる化合物が見つかればいいと思ってしまうためか、メディアでも、「XXX過程に効果がある化合物が2種類見つかった」という報道をよく見かけるが、実はChemical Biologyといって、化合物から考えもしなかった新しい生化学過程が明らかになる可能性があり、それが最も面白い。

今日紹介するテンプル大学からの論文はその典型で、これまで誰も気づかなかった新しいガン化に関わる過程を教えてくれる面白い研究で、11月15日号のCellに掲載された。タイトルは「Targeting CDK9 Reactivates Epigenetically Silenced Genes in Cancer (CDK9を標的にすることでガンでエピジェネティックに抑制されている遺伝子を再活性することができる)」だ。

骨髄異形成症候群をはじめとする多くのガンで、遺伝子発現が強く抑えられることが癌の増殖に寄与していることがわかり、DNAメチル化阻害剤や、ヒストンアセチル化阻害剤など、エピジェネティック修飾に介入する化合物が実際に治療に用いられ、またさらなる開発が続いていることはこれまでも紹介してきた。このグループは、直腸癌細胞株を用いてDNAメチル化により抑制されるプロモーターに蛍光タンパク質遺伝子を結合させ、抑制が外れたら光が発する実験系で化合物スクリーニングを行っていた。この系では、当然DNAメチル化阻害剤や、ヒストン脱アセチル化阻害剤は効果があり、エピジェネティック抑制機構に関わる分子探索に最適化されている。

この中でヒットした化合物の中にアミノチアゾールを核とする化合物が5種類リストされてきたが、この構造はこれまでエピジェネティック過程の様々な阻害剤とは全く相同性がなく、検討を加えた結果、これが細胞増殖や、RNA鎖伸張など細胞の基本過程で重要な働きを持つリン酸化酵素CDKに対する阻害剤、その中でもCDK9に対する作用が強いことが明らかになった。詳細は省くが、この結果に基づき同じ構造を持つ化合物から最終的にCDK9抑制効果が最も強い化合物も特定している。 CDK9はRNAポリメラーゼのセリン2をリン酸化することでRNAの伸長に関わる重要な分子であることはこれまで知られていたが、エピジェネティックな過程に関わることは全く知られていない。そこで、この効果の生化学的背景を検討し、CDK9は染色体を調節する大きな分子複合体SWI/SNFの中のBRG1と呼ばれるATP-依存性DNAヘリカーゼを標的にしていることを明らかにしている。実際CDK9をノックダウンすると、全ゲノムに渡ってそれまで抑制されていた様々な遺伝子の発現が再活性化されることが明らかになった。これらの遺伝子は、DNAメチル化を抑制した時に再活性化される遺伝子とよく似ている。また、染色体構造をATAC-seqと呼ばれる方法で調べると、CDK9抑制で染色体構造が緩んでオープンになることが明らかになった。これらの結果から、CDK9はまず染色体をオープンにし、これにより遺伝子発現を再活性化する。この時、DNAメチル化を外すメカニズムも同時に活性化され、その結果DNAメチル化も抑えられるというシナリオを示唆している。すなわち、CDK9阻害は、エピジェネティック機構に二重に介入できることがわかる。

とするとガン治療に利用することが期待されるので、いくつかのメチル化阻害剤が効果があるガンで、CDK9も効果を持つことを確かめている。また、ゲノム全体で抑制が外れると、内因性のレトロウイルスなどが再活性化することが予想されるが、実際に行くつかのウイルスの転写が上昇する。これ自体は、少し心配な話だが、著者らは内因性ウイルスにより自然免疫が活性化するため、がんの治療にはいい方向に働くと結論している。

いずれにせよ、CDK阻害剤は今や様々ながんの治療薬として使われようとしているが、この思わぬ効果を相加的に使えると、いい標的薬が可能になるかも知れない。特に骨髄異形成症候群や、骨髄移植ができない顆粒球性白血病の治療に、メチル化阻害剤と併用する可能性などは、結果を早く知りたいところだ。
カテゴリ:論文ウォッチ

11月4日:盲腸からパーキンソン病が作られる?(11月1日Science Translational Medicine掲載論文)

2018年11月4日
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私が紹介するまでもなく、多くの論文が様々なメディアで紹介される。従って、他のメディアで紹介された論文はわざわざ紹介することもないと避けることが多い。今回紹介しようという論文もそんな一編だったと思う。タイトルは面白いので、とりあえずダウンロードして読もうかなと思っていたら、どこかが紹介したようだ。ところが、論文を表面的にだけ紹介していたようで、理事の藤本さんから「本当なの?」という問い合わせが来た。私たちのNPOはパーキンソン病の人たちとのつながりも強いので、しっかり読んで見ることにした。ミシガン州にあるファンアンデル研究センターからの論文で、Science Translational Medicineに掲載されている。タイトルは「The vermiform appendix impacts the risk of developing Parkinson’s disease (盲腸はパーキンソン病発病リスクに影響する)」だ。

読んだあとよくわかったのは、この論文はαシヌクレインとパーキンソン病の関係についてある程度理解がないと、虫垂切除でパーキンソン病の発病を遅らせるという現象だけに注目が集まるだろうということだ。アミロイドやタウタンパク質などの異常沈殿が病気の発症に強く示唆されてきたアルツハイマー病と異なり、同じ変性性疾患でも、パーキンソン病では長らく同じようなタンパク質は見つかっていなかった。しかし、タンパク質の異常沈殿をうかがわせる様々な証拠、例えばレビー小体などが存在することから、パーキンソン病で沈殿が見られるタンパク質が探索され発見されたのが、αシヌクレインだ。その後の研究で、この分子の異常沈着がパーキンソン病の発症と関連することを示唆するデータが多く示され、現在は、パーキンソン病も、αシヌクレインが沈着するαシヌクレイン症の一つとして捉えられるようになっていきた。これを認めると、パーキンソン病はαシヌクレイン症の脳の症状といってもいいかもしれない。

次に問題になるのは、では正常神経細胞でも強く発現されているαシヌクレインが、なぜ沈殿し、異常沈着するかだが、これを説明する一つの考えがαシヌクレインに狂牛病の原因たんぱく質プリオンのような性質があるというものだ。プリオンは折りたたみが失敗して異常型が発生すると、それが正常のプリオンタンパクを異常型に変換する鋳型として働き、その結果沈殿する異常たんぱく質が増大し、神経変性が起こる。しかも、異常プリオンは神経を通って腸管から脳へと拡がり、神経変性を誘導する。同じことが、αシヌクレインでも起こるとするのがαシヌクレイン症仮説だ。そhして最近になって、脳と腸をつなぐ迷走神経を切断すると、パーキンソン病のリスクが下がることが示されるに至って、αシヌクレイン仮説はさらに力を増してきている。現在では、タンパク質の折りたたみを正常化する薬剤の開発も行われている。

このように、パーキンソン病発症にとっての腸の関わりはこの論文以前から疑われていた。しかし、パーキンソン病の人の腸に明確なαシヌクレイン沈殿の証拠が見つからず、この仮説を証明するにはパーキンソン病発症以前に腸管のどこかで、αシヌクレインの異常沈着が起こっていることを示す必要があった。

この「どこか」が、盲腸ではないかと考え追求したのがこの研究だ。この研究は2本立てになっている。まず、盲腸がたしかにパーキンソン病と関係していることを示す目的で、データベースを探索して、虫垂切除とパーキンソン病の発症リスクを比べ、期待通り中枢切除を受けた人はパーキンソン病の発病を約20%低下させ、また発症を3.6年も遅らせることを確認する。面白いことに、この差は都会の住人ではなく、田舎の住人に特に顕著に見られる。ただ、疫学データなので、原因については無用な推測はやめたほうがいいだろう。

あとは、実際に異常αシヌクレインが盲腸で生成していることを示す実験を行ない、正常人の盲腸には分解されにくい異常αシヌクレインが沈殿していること、そして恐ろしいことに、この異常αシヌクレインは、盲腸の中で正常たんぱく質が切断されることにより生成されることを明らかにしている。生化学的にはきわめて詳細な研究が行われており、αシヌクレイン仮説の研究を続けてきたグループであることが良くわかるが、詳細は省略する。

以上の2本立ての実験を合わせて、盲腸では異常型αシヌクレインの生成がパーキンソン病とは関係なく起こっている。そしておそらく、こうしてできたい異常αシヌクレインは迷走神経などを通って、あるいは血液細胞かもしれない、脳に運ばれ、パーキンソン病発症の引き金を引くというシナリオだ。もちろん、プリオンと違って、αシヌクレインの場合は脳で異常たんぱく質が蓄積したからといってすぐ病気になるわけではないので、心配することはないが、面白い話だと思う。まだまだ調べなければならない点は数多くあるが、盲腸に絞るということが確認されたので、動物実験も含めて、再現性があるかどうかはすぐに決着がつくように思う。
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11月3日:脊髄損傷の大きなステップ:生理学の勝利(Natureオンライン掲載論文)

2018年11月3日
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9月26日、脊髄損傷の小さなステップというタイトルで、硬膜外電気刺激とリハビリを繰り返すことで、硬膜外の電気刺激を自分の脳である程度コントロールすることで、大地を歩けるようになった症例報告を紹介した。ただ、論文を読んで、例えば体性感覚が欠損している分を目で補っているなど、どんな患者さんでも確実に歩けるようにできるのかについては説得力がなかったため、「脊髄損傷の小さなステップ」というタイトルで紹介した。

ところが、まだ一月しか経っていないのに、今度はNatureに同じく外科手術で脊髄の硬膜外に留置した硬膜外刺激装置で3人の慢性期の頸椎脊髄損傷患者さんが自力で歩行することを可能にした研究が報告された。膨大な生理学的データを示して、なぜ歩けるかというプロセスを段階的に説明した論文で、素人の私にも説得力が高く、これはかなりいけると、今度は「脊髄損傷の大きなステップ」というタイトルで紹介することにした。ローザンヌにある工科大学EPFLからの論文でタイトルは「Targeted neurotechnology restores walking in humans with spinal cord injury (標的を定めた神経テクノロジーが脊髄損傷患者さんの歩行能力を回復させる)」だ。

この研究も、9月に紹介した研究も、筋肉と直接結合している末梢運動神経を脊髄に埋め込んだ硬膜外電極で刺激して運動を回復させる点では同じだが、この研究では生理学的な詳しいデータを集め、足を動かすための多くの筋肉が空間、時間的によりよくコントロールできるようにした上で、それぞれの患者さんのデータを重ねて調整が図られている。例えば、股関節を曲げる時、上部腰椎の脊髄が活性化されるが、足首を伸ばす時は上部仙骨の運動神経を支配する神経細胞集団を活性化するといった組み合わせが、それぞれの神経に伝わるようにプログラムする。また、神経刺激のパターンと屈筋、伸筋の関係についてさまざまな例を示して、ただ単純に刺激すればいいというものではなく、生理学的なデータに基づく刺激が重要であることを示している。

その上で、以前紹介した方法と決定的に違うのが、足を動かそうとしてもらって、全く動かない場合、硬膜外刺激を弱く加えてそれを残った神経で脳で感じてもらい、それぞれの筋肉をコントロールできる回路を開発できるようにしている。これにより、筋肉を動かすタイミングと強さを自分の頭でコントロールできるようにしている。この結果、驚くことに硬膜外刺激のないときでも、足を動かすことができるようになっている。また、治療開始5日で、吊り下げてもらいながら歩行訓練ができるようになる。

もちろんこんな説明では到底足りないほどの、記録や調整が行われた上の話だと思うし、このために患者さんも大きな努力を払ってコントロールを取り戻すためのリハビリを行ったと思う。そして最終的に、タブレットPCを通して、立つ、歩く、サイクリングなど、声で命令するとその動作に最適の刺激が与えられるようにしたコントロールシステムにより硬膜外刺激を与え、その刺激のタイミングと強さを自分の脳でコントロールすることで、3人ともかなりの運動能力を取り戻すのに成功している。

結局講釈は後にして、結果を見てもらったほうがいいだろう。次の2種類のビデオをみれば、これが大きなステップであることはわかっていただけるのではないだろうか。 https://static-content.springer.com/esm/art%3A10.1038%2Fs41586-018-0649-2/MediaObjects/41586_2018_649_MOESM8_ESM.mp4

このビデオを見るだけで私の説明など無意味であることがわかる。まさに生理学と電気工学の融合の勝利だと思う。また、ETHやEPFLのように工学と基礎科学が常に同居するシステムで教育研究を行うスイスの伝統の勝利と言えるのかもしれない。そして、我が国でも例えば脊損で政界を引退した谷垣さんを中心にして、この治療法をどう導入していけばいいのか、議論するときがきたように思える。
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11月2日人類はいつからチョコレートを食べているのか(Nature Ecology & Evolutionオンライン版掲載論文)

2018年11月2日
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少し専門的な論文が続いたので、ちょっと息抜きと思っていたら、うってつけの論文を見つけた。人類がチョコレートの原料カカオ豆をいつから栽培植物として利用し始めたのかという問題についての論文だ。しかしアフリカ由来のコーヒに南米由来のチョコレートは息抜きになる。

これまでカカオTheobroma cacaoの栽培は中米で始まったとされていたが、最近ゲノム研究が進み、遺伝的に大きな変化、すなわち栽培化がアマゾン上流で始まったのではないかという可能性が示唆されていた。今日紹介するカナダアルベルタ大学考古学教室からの論文は、少なくとも5450−5300年前には、エクアドルでカカオがすでに栽培されていることを示した研究で、アマゾン源流でカカオの栽培植物化が始まったとする説を支持する論文だ。タイトルは「The use and domestication of Theobroma cacao during the mid-Holocene in the upper Amazon (カカオの利用と栽培は完新世中期、アマゾン上流で起こった)」だ。

この研究の手法は単純で、2002年にフランスとエクアドルの合同チームにより発見され、放射線同位元素の年代測定から5300年前と年代特定できたマヨチンチべ文明の最古の遺跡(エクアドル)から見つかった陶器にカカオの痕跡がないか3種類の方法で調べ、すべての方法で栽培植物化されたカカオと考えられる残滓を特定できたという話だ。この遺跡は、当時の陶器の生産所として機能しており、複雑な形のツボまで様々な陶器が見つかっている。

具体的には、陶器にこびりついている煤けた食物残渣を19種類の道具から採取、その中の6種類の陶器から現在のカカオに似たデンプンが回収された。これらは野生種のカカオとは区別される。

次にこれを液体クロマトと質量分析器で調べ、カカオ由来のTheobromineを検出している。

最後に残渣のDNAを回収し、配列から栽培化された他のカカオや野生のカカオのDNAと比べている。カカオのDNAをトラップして濃縮する方法により得られた5種類のDNAサンプルのほとんどが栽培化されたカカオの配列由来で、野生型のDNAが混じっていたのは2種類だけで、それもほんの一部で、全て栽培化されたカカオを代表していることが明らかになった。また、他の栽培かカカオとの関係では、アマゾン上流のプルス川、エクアドルのクラレー川のカカオに、エクアドルで栽培されているチンチぺ種より近いこともわかった。以上のことから、この遺跡で食べられていたカカオはすでに栽培化されたカカオに近いことから、おそらくここにたどり着く前に栽培化が行われたのではと結論している。たかだか19種類の多型を用いた系統解析で、これだけで完全にカカオ栽培の歴史をたどるのは難しいが、、アマゾン上流のエクアドルで最初栽培化され、それが中米からメキシコで独自に新しい種に改良されたとする考えを示している。

もちろん、塩基配列の一致を見たからといって、実際にこびりついいていたサンプルが、当時のものかどうかはわからない。あとからつく可能性も十分ある。これについては、回収したDNAに5000年分の変性が起こっていることを示して、確かに後から混入したものでないことが示されている。ただ、この点については問題にする研究者も多い気がする。まあ、ここでは一応著者の結論を受け入れよう。

しかし、コーヒーといい、カカオといい、人類は結構苦いものをわざわざ栽培化して利用していたことになるが、実際その時から、これほど美味しい食べ物として発展すると考えていたのだろうか。その予見能力には脱帽する。
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11月1日:自然免疫細胞の遺伝子発現の細胞間、及び種間の多様性(10月24日号Nature掲載論文)

2018年11月1日
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ガンの免疫療法を考えると、現在実用化されているチェックポイント治療は、ガンを殺すのに必要な免疫反応の強さの閾値を下げて効果を高める方法といえるが、他にも多くの標的過程がある。中でも、がんの免疫を成立させる入り口の増強は極めて重要だ。この時、昔ならガン特異的な免疫反応だけが問題になったが、今では自然免疫系の関与の重要性が十分理解され、これを活性化させるのがアジュバントや腫瘍溶解性ウイルスになる。この系は、種差や人種差が大きいことが知られており、大きな多様性が生まれるメカニズムを理解することは、この系を標的にする治療法開拓には重要な問題だ。

この自然免疫の種間の多様性の問題を、 Poly I/CやLPSのような自然免疫刺激剤を異なる動物に注射し、それに対する線維芽細胞やマクロファージの遺伝子発現の差として正確に定義し、多様性のメカニズムを調べたのが今日紹介する英国サンガー研究所からの論文で10月24日号のNatureに掲載された。タイトルは「Gene expression variability across cells and species shapes innate immunity(遺伝子発現の種間の差と、細胞間の差が自然免疫を形作る)」だ。

極めて直線的でシンプルな実験が行われている。目的は自然免疫反応の多様性を理解することで、このため人間を含む様々な動物を準備し、その皮下に刺激物質を投与、同じ種類の細胞の転写レベルでの反応の多様性を調べている。また同時にsingle cell transcriptome を行い、個々の細胞での遺伝子発現の多様性も調べている。

実験は、人間、猿、げっ歯類にPoly I/C を注射し、ファイブロブラストの遺伝子発現を調べただけの、直接的で単純な実験で、単純とはいえ好感が持てる。ただLPSを注射してマクロファージの反応を調べる実験は、流石に人間を対象にはできなかったようで、代わりにウサギ、ブタを使って調べている。

この結果、インターフェロン、TNF、IL1など、全ての種で共通に上昇する分子も多く存在するが、ウイルスの処理に関わる数多くのサイトカインやケモカインの発現の強さは種により大きく変動する。同じ多様性は、マクロファージのLPSに対する反応でも見られる。

次に、これらの遺伝子発現の強さの違いが、プロモーターのエピジェネティックな状態と対応しているのかどうか、遺伝子発現が活性化された遺伝子に結合しているH3K4me3の結合を調べると、種間の多様性が大きな遺伝子ほど、予想とは逆に活性型のヒストンと結合していることがわかった。さらにこれらの遺伝子のプロモーター領域は、遺伝子発現で大きな種差があるにも関わらず、配列が保存されているという、少し進化の常識から外れた結果が示された。

この原因を追求して、種差の大きな遺伝子は、TATA型のプロモーターを持つが、メチル化の標的になるCpG islandが抜けているという特徴を持っていること見出している。そして、この種差が大きくなるプロモータを持っている遺伝子の多くが、サイトカインやケモカインをコードしていることがわかった。 炎症に最も重要なサイトカインやケモカインの発現の種差が、逆に大きいというのは、予想に反するが、それぞれの種で、細胞間の遺伝子発現を調べると、種差の大きなサイトカインやケモカインの遺伝子が、細胞間の発現でも、大きな多様性を示すことがわかった。すなわち、細胞間、種間を問わず、発現に大きな多様性が生まれるようなプロモーターの構造が多くのサイトカインやケモカインで維持され、もともと細胞レベルでも発現の多様性が構造的に高く、この結果進化速度も上昇することが示唆された。実際、発現の種差の大きいサイトカインほど、遺伝子配列の多様性も大きい。

話は以上で、結論は少しわかりにくいかもしれないが、多様な外界のストレスに対応して、迅速に進化できる自然免疫のエフェクター分子の多様性を支えるのが、発現レベルでの多様性をを積極的に生み出すように進化したプロモーターの特殊な構造にあり、これが種間で自然免疫系が多様化する原動力になっていると結論している。 人間を含め異なる動物を直接比べた点は評価できるが、本当にこれが正しい解釈かどうか完全に納得というわけにはいかない論文だった。
カテゴリ:論文ウォッチ