4月29日:ALSの原因の一つFUSタンパクの細胞内沈殿メカニズム(4月19日号Cell掲載論文)
AASJホームページ > 新着情報

4月29日:ALSの原因の一つFUSタンパクの細胞内沈殿メカニズム(4月19日号Cell掲載論文)

2018年4月29日
SNSシェア
細胞の基本的機能の維持に大量に必要とされる分子が多くある。なかでもRNAに結合して様々な機能を調節しているFUSタンパク質は細胞内タンパク質の中で濃度が最も高い分子として知られている。問題は、タンパク質の細胞内濃度がこれほど高いと、細胞内で沈殿を作り細胞死を招く心配があることで、実際FUSの細胞内沈殿はALSやFTD(前頭側頭型認知症)の一つの原因になっている。これまで知られているALSとFTD共通にみられるFUS沈殿の条件はFUS が核へ移行できずに細胞質に停留する異常だが、細胞質でFUSが沈殿する条件については理解が進んでいなかった。
今日紹介するミュンヘンのルードビッヒ・マクシミリアン大学からの論文はこの条件を試験管内、細胞内を行き来しながら突き止めた研究で4月19日号のCellに掲載された。タイトルは「Phase separation of FUS is suppressed by nuclear import receptor and arginine methylation (FUSタンパク質の相転換は核内移行受容体とアルギニンメチル化により調節されている)」だ。
これまでの地道な生化学的研究の蓄積の上にまとめられた論文であることがよくわかる研究で、FUSタンパク質は電荷を帯びているため沈殿しやすいのを、うまく遺伝操作で調節して安定タンパク質を大量に作った後、保護している人工タンパク質を除いて沈殿させるという実験系を実験の基本として使って、この沈殿を防ぐ条件を探っている。

もともと沈殿しやすいタンパク質は、沈殿を防ぐタンパク質(シャペロンと呼ばれる)と結合していることが普通で、これまでの研究に基づき著者らはTNPO1と呼ばれる核内へFUSを移行させる分子が細胞質のシャペロンとして働いているとあたりをつけ、このことを確認している。すなわち、TNPO1は核内へFUSを汲み出すだけでなく、細胞質内でFUSの沈殿を防いでいる。

細胞内でこの過程を調べると、TNPO1 が存在することで、FUSがストレス顆粒に濃縮することを防いでいることが最も大事で、ストレス顆粒内にいこうすると、そこで相転換が起こって沈殿が起こることを明らかにしている。そして、様々な変異タンパク質を用いて、FUSタンパク質のRGG配列とC末端にあるPY配列にTNPO1が結合し、RGGのアルギニンがメチル化されることが、TNOP1結合の重要な要因であることを示している。

この結果をもとに、ALS誘導性のFUSタンパク質を見直すと、単純に核内移行だけでなく細胞質内でストレス顆粒への移行防止も異常化する、ダブルヒットによりFUSが沈殿することを明らかにしている。

ではこれでFUSの変異が原因のALSの患者さんの治療がすぐ開発されるかというと、話はそう簡単ではないだろう。ただ、沈殿が一つの過程で決まるのではなく、様々な過程が条件として必要であるという認識は重要だ。すなわち、治療法開発のための標的過程が増える。その意味で、こういった地道だがプロの研究がトップジャーナルに取り上げられることは重要だと思う。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月28日Leptinが作用する神経回路(4月26日号 Nature掲載論文)

2018年4月28日
SNSシェア
まだノックアウト技術が普及していない頃は、遺伝的異常を示すマウスや人の突然変異を特定することが遺伝学の重要な課題だった。CRISPRの時代から見ればまどろっこしい時代に見えるが、それはそれなりに面白い時代だったと思う。このような分子遺伝学的アプローチで特定された分子の中でも大ヒットの一つが食欲を抑えるホルモンとして華々しく登場したレプチンだろう。脂肪細胞から分泌され、脳に働いて食欲を抑え、エネルギー代謝を促進し、血糖を安定化するいいことづくしの分子で、おそらく代謝研究を脳科学と結合したという意味では重要な発見だったと思う。

しかしよく考えてみると、その後の進展をフォローしなかったこともあるが、今日紹介する論文を読むまで私の理解もここで止まっていた。この理由は、レプチンの機能や作用標的があまりに複雑すぎ、何がレプチンの直接作用か特定するのが難しかったためのようだ。事実、私がレプチンを初めて知ったのはマウスの毛色に関わるAgoutiの促進作用を持つ分子としてだった。今日紹介するタフツ大学からの論文は、クリスパー技術を駆使してレプチンの作用する神経回路を明らかにしようとする研究で、4月26日号のNatureに掲載された。タイトルは「Genetic identification of leptin neural circuits in energy and glucose homeostasis(レプチンの作用するエネルギーとグルコースのホメオスターシス維持回路)」だ.

教科書的にはレプチンは視床下部のAgouti related peptide(AGRP)を発現する神経細胞に作用するとされていたが、この論文を読むとこの細胞でレプチン受容体をノックアウトしてもマウスの食欲や代謝に大きな変化が起こらず、新しい回路を特定することが急務だったようだ。

この研究では、なるべくレプチンの2次的な作用を拾わないような実験系を探索し、インシュリンの分泌が低下したマウスを用いることで、肥満一般の作用を排除してレプチンに反応する神経を特定しようとまず試み、弓状核(ARC)内のAGRP分泌 ニューロンがレプチンに直接反応する神経細胞であることを特定している。

この結果は、AGRPニューロンでレプチン受容体をノックアウトしても異常が起こらないという結果と矛盾する。しかし、アデノ随伴ウイルスベクターで局所的にノックアウトする方法を用いてAGRPニューロンでレプチン受容体遺伝子をノックアウトすると、レプチンの代謝や食欲への効果が完全にブロックできたことから、AGRPがレプチンの作用を媒介することは明らかになった。この矛盾を探るためにAGRPニューロンの作用の調節機構を、局所でのクリスパー技術と一般的ノックイン技術を組み合わせて特定の神経の遺伝子を自由自在にノックアウトする方法を駆使して、AGRPニューロンでのレプチンの作用をKチャンネルが促進すること、さらにこのニューロンをレプチンによりポジテッィブに刺激されるGABA作動性ニューロンが活性化するという複雑な回路になっていることを明らかにしている。すなわち、レプチンはAGRPニューロンを抑制的に調節するが、それをレプチンによりプラスに活性化される神経がGABAを介して2重に調節しているため、単純なノックアウトではレプチンの作用が見えないこともわかった。

レプチンのネガティブ、ポジティブ両方の作用が同じ神経に集まるという分かり難い話だが、要するに、レプチンの作用する主要回路が分かったと理解してもらえばよく、今後新しい分子標的を探し出して、レプチンの機能を臨床にトランスレートするための基盤ができたと考えられる。

ただ、一般の研究者にとって、この結論より遺伝的に特殊な細胞だけでクリスパーが働くようにした上で、アデノ随伴ウイルスを用いて局所で様々な遺伝子をノックアウトするという技術を駆使してこの研究が行われていることで、結論より参考になるのではないかと思った。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月27日:遺伝子疾患を胎児期に治療する(4月26日号The New England Journal of Medicine掲載論文)

2018年4月27日
SNSシェア
X-linked hypohidrotic ectodermal dysplasia (X染色体連載低発汗性外胚葉異形成症:XLHED)という日本語で読んでも、英語で呼んでも舌を噛みそうな病気がある。X染色体上に位置するEDAと呼ばれるTNFファミリー分子の欠損による病気で、汗腺の発生が阻害され発汗が低下する、毛が少ない、歯が少ないという3つの症状を中心に、口腔や鼻腔の様々な症状を示す。中でも汗が出ないことで、体温が上昇し易く、特に子どもの場合死につながる。受容体もシグナル経路もよくわかっているのだが、毛根の発生時にだけ使われるため、生後EDAを供給しても治療することが出来ない。従って、胎児期にEDAを供給することで病気を治せないか研究が進められていた。
今日紹介するドイツ・エアランゲン大学からの論文は、EDAに免疫グロブリンFc部分を結合させた安定なEDAを開発し、胎生26週から31週の羊水に注射し、予想通り遺伝病を治療した治験研究で4月26日号のThe New England Journal of Medicineに掲載された。タイトルは「Prenatal correction of X-linked hypohidrotic ectodermal dysplasia(低発汗性外胚葉異形成症の出生前の治療)」だ。

これまでの研究で、EDAそのものは半減期が短いことがわかっており、EDAに免疫グロブリンのFcを結合させたFc-EDAが胎内で安定で、この病気のモデル動物を用いた前臨床実験でも胎児期の羊水内に一回注射するだけで病気を治療できることがわかっていた。免疫グロブリンのFcは分子の安定性を高めるだけでは無く、Fc受容体を介して胎盤、乳児の腸上皮も通ることがわかっており、動物実験で生後母親のミルクを通してFc-EDAを投与しても皮膚症状を改善させることが出来る。このようなマウス、犬を用いた基礎研究の結果を受けて、実際にこのFc-EDAを2人の妊婦さんに投与、3人のXLHEDの治療を試みたのがこの研究だ。

症例は、すでにXLHEDを持つ子供の親が新しく妊娠し、子供の遺伝子変位が確認されている妊婦さんを2人選んでいる。1人は双子を妊娠しており、治療対象になる子どもとしては3人だ。治療は胎児の体重1kgあたり100mgのFc-EDAを2回、約1ヶ月間隔で羊水に投与しただけで、ほぼどの病院でも可能な手法だ。

まず双子の治療成績だが、結果は目覚ましく、まず最も問題になる汗腺はほぼ正常レベルに発生し、少なくとも2歳まで発熱は起こらなかった。さらに歯の数や、唾液腺、涙腺などもほぼ正常に回復している。

一方、もう一人の子供の場合、汗腺の形成は完全に正常化していいない。しかし、歯や涙腺、唾液腺については、ほぼ正常になっている。この事は、汗腺の発生のスピードは子どもによって多様性があり、投与の回数を増やしたほうがいい可能性を示唆している。ただ、注射回数をあげると流産の危険性が高まる。

結果は以上で、発生学的にも臨床医学的にも、素晴らしい成果だと思う。すなわち、胎児期のみに必要な分子は、母親への影響をほとんど気にする事なく、胎児期に投与できる事、そして、この段階で正常化すると、遺伝子が欠損していても一生生活に支障がない(この研究では2歳までしか追跡できていないが、動物実験から考えておそらく一生問題はないだろう)。とくに、免疫グロブリンFcはリガンドを安定化させる働きがあり、羊水のように流産の危険がある投与法では、投与回数を減らすことが出来ることから、他のリガンドにも利用可能だろう。

体の発生だけでなく、生後の脳の発生にも一回きりのプロセスは多い。遺伝子治療も含めこのような大事な発生過程を標的にする治療法の開発が進むことを期待する。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月26日:Hans Aspergerはナチの手先だったのか?(4月19日号Molecular Autism掲載論文)

2018年4月26日
SNSシェア
アスペルガー症候群という名前はかなりポピュラーになっているのではないだろうか。何か一つのことにこだわりがあって優秀なのだが、社会性がなくコミュニケーションのとりにくい人がいると、「彼はアスペルガー」などと門外漢でも簡単に診断を下すのをしばしば耳にする。このアスペルガーという名前は、ウイーンの小児病院で自閉症概念の成立に力を尽くしたHans Asperger のことで、症候群に名前が付いているだけではなく、フィラデルフィアのカナー医師とともに、自閉症概念の成立にも大きな貢献があった医師だとされている。

私自身がアスペルガーのことを詳しく知ったのは、「レナートの朝」の著者として有名な、シルバーマンの「Neurotribe」という本でだ。そこには、小児の行動をありのままに把握し、理解を通して独自の見解に基づいて診断する真摯な医師の姿が描かれている。同じ病院には「夜と霧」の著者でユダヤ人収容所を生き延びたフランクルなど多くのユダヤ人が働いていたが、ナチスのオーストリア併合をきっかけに全員職場を追われる。この時、アスペルガーはオーストリア人であったため、医師として研究者としてナチス時代を過ごし、1980年にオーストリアで死去している。

Neurotribeを読んで、私はアスペルガーが、ナチスの発達障害児を安楽死させ社会の負担を軽減する政策に抵抗した良心の医師であるという印象を持った。もちろん、ナチスに対して積極的に抵抗する事は難しかったことは想像に難くない。誰だってあの時代におおっぴらに抵抗するのは難しい。ところが、今日紹介する オーストリア・ウィーン医科大学からの論文は、これまで私が持っていたナチに密かに抵抗した医師というアスペルガーのイメージを完全に覆した。チェコで出版されている雑誌Molecular Autism、4月19日号に掲載された。タイトルは「Hans Asperger, National Socialism, and“race hygiene” in Nazi-era Vienna(ナチ支配下のウィーンにおけるハンス アスペルガー、ナチス、そして民族浄化」だ。

ナチス時代、ウィーンの小児病院では、民族浄化の名の下に、発達障害を持つ子供を安楽死させる政策に積極的に関与したことが知られている。結果、戦後この病院で働いていた医師全員がアスペルガーを除いてナチスの協力者として病院から追放される。この事は、アスペルガーがナチスへの抵抗を続けていたことを裏付けているように思えるが、一方このような親ナチ的病院の中で仕事を続けることができたのは、彼もナチのシンパだったからではないかという疑いも持たれてきた。

この研究では、これまで見落とされてきた様々な当時の資料を集め、彼がナチスに小さな抵抗を試みていたとする、彼自身の証言も含めたこれまでの記録の正当性を再検討している。

アスペルガーが反ナチスだったとするこれまでの根拠は、1)ナチスの組織に属さなかった、2)ナチス当局にマークされていた、3)自分が扱った障害児が安楽死処理を受けないよう、診断をごまかした、の3点になる。

43ページという長い論文で詳細は省くが、この研究ではこれまでの見解には殆ど証拠が無く、実際の記録からは、
1) 彼はナチス直下の組織ではないが、ナチスが認める関連組織には属しており、また彼の倫理活動の中心だった、カソリック組織は必ずしも反ナチというわけではなかった事、
2) 役所側に残っている、ゲシュタポのアスペルガーに対する評価の記録を探し出し、決して彼が要注意人物としてマークされていなかった事、
3) 安楽死施設の方に残っている小児病院での彼の診断書と、安楽死施設の医師の診断書を比べ、彼が診断を軽めにして安楽死を防ごうとした痕跡がないどころか、彼のほうが安楽死施設の医師より重い診断を下し、子どもが親の負担になると書き添えた診断書まで存在する事、
などを裏づける記録を探し出し、彼がナチスの協力者で、障害児の診断を安楽死施設へ送られることを知った上で行なったことを記録で裏付けている。

私にとっても驚きの論文だったが、自分ならどうするかと考えると、到底非難できる立場にないことを思い知る。そしてこの論文は右傾化しつつあるオーストリアの知識人に向けた著者からの「一旦政治が暴走すると、抵抗などできるものではない」というメッセージではないかと感じた。最近、この論文と同じ趣旨の本「Asperger’s Children」が出版されたようだが、このような再検討が今行われるのは、オーストリアの政治状況が、ナチス時代に近づいているのではと懸念する知識層が増えているからではないだろうか。

それでも、オーストリアでは、安楽死させた一人一人の子供の記録が当局により残されているのに感心するとともに、記録を保管することの重要さと、アスペルガー自身も含め、人間の証言がいかに虚偽に満ちているかよくわかった。これに引き換え、「我が国の役所はなんという体たらくか」といつもの愚痴で論文紹介を終える。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月25日:移植用肝臓の保存方法:Natureが掲載する治験論文(Natureオンライン版掲載論文)

2018年4月25日
SNSシェア
Natureが人間の研究を重視し、病気の診断、メカニズム、治療方法など、臨床医学と言って良い研究も積極的に掲載しているのは感じているが、いわゆる臨床治験を掲載するのを目にした事は、私の記憶には殆どない。

ところが今日紹介するオックスフォード大学からの論文は、まさに正真正銘の臨床治験研究で、臓器移植に用いる臓器の新しい保存方法を従来の方法と比べた研究だ。もちろん科学性を重視した研究論文とは言え、Natureの編集者が純粋な治験論文を掲載したのを見て少し驚いた。タイトルは「A randomized trial of normothermic preservation in liver transplantation(肝臓移植での室温肝臓保存法の無作為化治験)」で、オンライン先行出版されている。

臓器移植でドナーの臓器をレシピエントへ運ぶ方法というと、氷が入ったコンテナーというのが定番で、移植が始まってから30年全く変わっていない。代謝を低下させ、細胞内に代謝による様々な老廃物の蓄積を防ぐ目的で冷やさざるを得ないが、よく考えると細胞骨格などは完全にバラバラになると思われるし、その結果細胞間の接着装置も痛んで、もう一度体内に戻したとき様々な問題が起こるように思ってしまう。さらに、代謝は氷温でも完全に停止するわけではなく、どうしても排除されない活性酸素などの代謝産物が時間とともに蓄積し、移植後の再灌流障害を引き起こしてしまう。

この問題を改善するには、臓器を取り出した後も血液循環を維持できれば代謝物を排出し、細胞骨格の障害も最小限に抑えられる。おそらくこれまでもこの可能性は追求されてきたと思うが、今日紹介する研究でも取り出した臓器に血液を循環させ、代謝を維持する装置を開発し、実際の肝移植の現場でこの臓器保存法を、従来の氷を用いる方法と比較している。

装置自体は一定量の血液を臓器と肺の代わりをする酸素付加装置の間を行き来させ、門脈系と臓器を浸す液を循環させ代謝物の交換を行うという、小型だが結構複雑な装置だ。研究では、脳死および心臓死後の肝臓を用いた移植を対象に、保存法だけを無作為化して常温保存、冷温保存に分けている。ただ手術での話なので、二重盲検法というわけには行かない。それぞれ最終的に120名、100名の手術を行って結果を比べている。

詳細を省いて結論を述べると、最も重要なのが臓器の利用率高まる事で、廃棄率は50%以下に低下している。移植後の肝臓機能だが、トランスアミナーゼの上昇を指標とする急性毒性は抑制できる。しかし、1年後の死亡率、移植定着率、肝機能で見ると両者に違いはないという結果だ。

まだ当局の認可が下りているわけではないと思うが、FDAなどの認可は問題はないだろう。しかし、1年後の結果で差がないとすると、如何に急性毒性を防げたとしても、導入は価格次第ということになるだろう。さらに、機械を動かすためのスタッフも必要だし、移動中の事故は機械の方が多いだろう。現在のところ、移植機関が導入する最終決断の決め手は貴重な臓器を廃棄する率を半減させられる点で、心臓死後の移植にとっては重要かもしれない。もちろん、もっと長期に観察することで、初期の肝毒性に対応する違いが見えるのかも知れない。このためには更に長期の追跡を待つしかない。

個人的には、やはり純粋な臨床治験研究がNatureに掲載されたことのほうが驚きだった。できれば程々にしてほしいなというのが希望だ。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月24日:ガンの上皮・間葉転換(Natureオンライン版掲載論文)

2018年4月24日
SNSシェア
ガンは上皮細胞の腫瘍だが、同じガン組織の中に上皮の細胞間接着が失われ、上皮とは思えない細胞に変化した部分をしばしば認めることがある。この多くは、上皮・間葉転換(EMT)によるメカニズムに基づいている。この現象自体は、ガンに特異的ではなく、例えば中胚葉が胎児上皮から分離してくるときも同じメカニズムが働いている。発生過程でのEMTはプログラムに従って変化する周りの環境により誘導されるが、ガンがEMTを起こすプロセスが、EMTと呼べるようなE or Tといった2者選択の分化決定の問題なのか完全に理解できているわけでは無い。

今日紹介するブリュッセル大学からの論文は動物の発ガンモデルをうまく使ってガンのEMT過程の多様性について明らかにした研究でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「Identification of the tumour transition states occurring during EMT(EMT過程で生起する腫瘍の移行状態の特定)」だ。

この研究では、ガンのEMT過程はEからTと言ったワンスイッチで起こるのではなく、多様な状態が生まれるのではないかと最初からにらんで、皮膚ガンのシステムを用いてこの可能性を調べている。まず、EMTマーカーとしてEpCamを用い、ガン細胞を陽性(E型)と陰性(T型)にわけ、次にEpcam陰性集団を様々な抗体を用いて染色し、この集団が期待通りこれらのマーカーで区別できる何種類もの細胞からなっていることを明らかにしている。そして、単一細胞のRNA発現を調べることで、Epcam発現が低下した後、EMT程度の異なる様々なガン細胞に多様化する事を明らかにしている。

次に、人間の乳ガンや皮膚ガンでも同じようなEMT過程での多様化が起こっていることを示し、これが決して実験的にできた特殊な現象でないことを示している。

これまでガンがEMTを起こすと、悪性度が高まることが知られているが、では増殖や転移などのガンの悪性度とEMTの各段階との関係はどうか、次に調べている。結果だが、増殖能の上昇はEpcamが消えた時点で起こり、EMTが始まるとすぐに誘導されるが、例えば皮膚内でもう一度上皮にもどる力は徐々に失われる。また、血中に流れ出す頻度を転移性の指標として調べると、やはりEMTが進むと転移が高まることが確認されている。

さらにEMTが一見不可逆的に起こり、転移が進むように見えても、例えば肺で増殖を始めるとまた上皮性がもどることも観察している。このことから、EMT過程は遺伝子の突然変異で起こるのではなく、染色体構造を変化させるエピジェネティックな過程である可能性が高い。そこで、Attaq-seqと呼ばれる染色体の開放度を調べる方法で、EMTに伴う転写の変化と染色体構造の相関を調べると、期待通り最初の遺伝子発現の変化は全て染色体構造のオン・オフにより調節されていることを確認している。

最後に、EMTの多様化をもたらすメカニズムがエピジェネティックスだけとすると、ガンの置かれた環境により多様化が起こっていることになる。そこで、それぞれの段階の組織内での位置を調べると、EMTが最も進んだ細胞は血管内皮に近い炎症巣と一致しており、マクロファージを中心とする炎症の程度でEMTの多様化が決められていることを示している。

全部読んでみると特に驚く結果ではなく、誰もが考えていたことをしっかりと示したと言う話だが、ガンの進展にゲノム変異とエピジェネティックの両方が協力しているのをみると、改めて厄介な相手だと実感した。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月22日:自由資本主義社会は実力主義社会的(4月号Nature Human Behaviour掲載論文)

2018年4月23日
SNSシェア
かってのソビエト連邦がマルクスが考えた共産主義だったかどうかはわからないが、少なくとも資本が国家に(あるいは国家権力者)強くコントロールされていた。この結果、コネやフェボリティズムが横行し、音楽家やアスリートを含む超エリートを除くと、教育や職場で実力主義が通用せず、これがソビエト型共産主義の崩壊を招く一因になったとされている。

ではソビエト型社会が崩壊した後は、実力主義社会が生まれたのか?
今日紹介する英国キングスカレッジからの論文は、バルト三国の一つエストニアを対象に、ソビエトの支配が崩壊する1991年前後で教育のレベルと、職場の地位でみたとき、西欧型の実力主義が定着したのか調べた研究で4月号のNature Human Behaviourに掲載された。タイトルは「Genetic influence on social outcomes during and after the Soviet era in Estonia(ソビエト支配前後のエストニアで遺伝要因が社会的結果に及ぼす影響)」だ。

さて問題は、実力主義が本当に定着しているのかをどう調べるかだが、驚くなかれゲノム解析を用いている。教育やステータスなどと相関する多型をもとに、社会的ステータスに対する遺伝要因の寄与度計算し、実力主義社会の指標として用いている。方法の詳細は省くが、本当の実力には必ず遺伝形質が関与しており、従って、教育程度や社会的地位とゲノムの相関が高まるという考えに基づいている。事実英国で、最終学歴、職業的ステータスと、特定のセットの遺伝子多型との相関を計算すると、遺伝的要因が6%程度と計算できるようだ。

この研究では、英国で行われたのと同じ方法を、エストニア人のコホート集団に適用して、ソビエト支配中に教育をうけ、職業についた人たちの、最終学歴や職場でのステータスに遺伝要因がどの程度関与しているか計算すると、2%程度で英国と比べると遺伝的寄与が低い。ところが、エストニアでもソビエト支配が終わると、特に若い世代で最終学歴や職業的ステータスへの遺伝的寄与が英国と同じ6%近くまで上昇していることがわかった。

以上の結果を素直に解釈すると、ソビエト支配社会では実力主義が定着するのを阻害する要因が多く存在することになり、これまで自由資本主義社会で語られて来たことを裏付けることになった。

しかし読んだ後様々なことを考えさせる論文だ。もし実力主義を同じセットの遺伝的な寄与度で客観的に図れるなら、ぜひ我が国の政治家も調べて見たいとおもう。と言うのも、多くが2世議員で、新しい階級社会を形成している最大の職業だからだ。こんな場合、この方法で計れる遺伝的寄与度は、一般に私たちが能力が高いとしている指標と一致するだろうか?そして何よりも、本当の実力主義社会は、一定のセットの遺伝子の組み合わせで計れる遺伝的寄与度を高めることだろうかと言う疑問も感じる。要するに人間もサラブレッドと同じと言ってしまえば終いだが、これをそのまま続けると、政治の世界だけでなく、世の中全体に新しい階級社会が生まれることになる。今後もこの方法で社会を評価するなら、遺伝的寄与度が一定の範囲に収まるような社会を目指すことも重要な気がした。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月22日:酵母のゲノム(4月19日号Nature掲載論文)

2018年4月22日
SNSシェア
2016年9月18日、このブログでビールの国ベルギーのルーヴェンキリスト教大学が醸造に用いられる酵母157種類についてゲノム解析を行い、人類が酵母を自分の好みにどう仕上げてきたかについて述べた興味ある論文を紹介した(http://aasj.jp/news/watch/5793)。「醸造に使われる酵母には、人類の歴史、文化、各民族の嗜好が記録されている」ことを示した読みながら思わず笑みが漏れる面白い論文だった。この論文から学んだことは、今も酒の席で持ち出し、座を盛り上げるのに使っているので、このブログからもう一度抜き書きしておく。

1) 世界中でアルコール醸造のために使われる酵母は、ほんの数種類の先祖から由来している。
2) 中でもビール酵母の多様性は大きく、英国やヨーロッパ本土のビール酵母の多様性は著しい。一方、アメリカのビール酵母は、私たちが感じているように多様性は少ない。
3) 酵母の系統の確率は、17世紀で、微生物学の概念が生まれるより前からそれぞれの土地で、人間の手で系統化された。
4) ビール酵母は醸造から醸造へと培養を続けていくので、すでに胞子形成能力を失っている。一方、ワイン酵母は、ブドウや昆虫とともに自然を生き続けているので、胞子形成能や自然ストレスへの耐性が維持されている。
5) ビール酵母は、2種類の異なる先祖から由来しているが、目的が同じであるため、匂いや味に関わる遺伝子の変化がほとんど同じになっている。
6)ビールだけでなく、日本酒やワインでも嫌う、強いスパイシーでクローバーの匂いは主に4VGという物質由来で、この物質を作る酵素は酵母から除かれていることが多いが、この匂いを特徴とするドイツのヴァイツェンビール酵母では、きちっと維持されている。


今日紹介する論文も酵母のゲノムで今度はワインの国フランス ストラスブール大学からの論文で4月19日号のNatureに掲載された。タイトルは「Genome evolution across 1,011 Saccharomyces cervisiae isolates(1011種類の出芽酵母分離株のゲノム進化)だ。

この研究で調べられたことはベルギーからの論文と全く変わることは無い。ただ、ベルギーからの論文が醸造酵母に限っていたため、その起源については不明のままだった。実際、酵母が自らの力で移動するとなると、胞子を風で運んでもらうことしかなく、世界に広がった理由を考えると、やはり人間が運んだと考えるしか無い。この課題に踏み込むため、この研究では、醸造酵母に加えて、最近急速に解析が進む、野生に存在する酵母のゲノムを加え、なんと1011種類の酵母ゲノムの配列を調べ、ベルギーの論文でいくつかの起源から由来するとされていた醸造酵母が、中国に由来することを突き止めている。この点も含めて、いかにこの論文の結論をまとめて置く。

1)S.cervisiaeは近縁種から約30万年前に中国で分離し、1万5千年前後に中国からアジアを含むさまざまな地区に持ち出される。これを完全に醸造用として使い始める歴史は日本の酒は早く4000年前になる。これに対し、ワイン醸造用に使われるのが1500年になっている。我が国の酒酵母がワイン酵母より起源が古いというのは驚きだが、酒酵母とワイン酵母の種分化は約1万3千年前で、中国から持ち出された時期にほぼ一致するので、信用できるように思う。
2)醸造用酵母のゲノムについてはほぼベルギーの研究と一致しており、例えばビール酵母は遺伝子の倍数体や胞子形成は全くできないなどだ。これらは再掲したので繰り返さないが、この論文では日本の酒の記述が多い。
3)醸造酵母と野生酵母のゲノムは大きく分離しており、その中間に両者の様々なモザイク種が存在する。ところが、日本の酒酵母は例外で野生酵母のグループに分類できる。しかも、ブドウや昆虫の中で一年を過ごすために、2倍体を保っているワイン酵母と同じで、2倍体を保っている。しかし、人工的に進化させられた結果、酒酵母では染色体の異性体が多い。この野生種に近い系統を醸造に使う例はアジアに見られる。
4)染色体の異性体だけでなく、水平伝搬を含むさまざまな変異がS.cerviciaeには蓄積している。

他にも多くの結果が示されているが、酒を好む素人にとっては楽しみの起源がある程度明らかになり、民族とともに酵母が進化していることを確認できれば十分だろう。特に日本酒について詳しく述べてくれていることに脱帽。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月21日 酒を飲むと喉が乾く理由(6月5日号発行予定Cell Metabolism掲載論文)

2018年4月21日
SNSシェア
今日から、2日お酒に関する科学の話をピックアップした。

いつの頃からか、ケトジェニックダイエットの宣伝や説明を目にする機会が多くなった。要するに、炭水化物が利用できないことを体に察知させ、脳に必要なエネルギー供給を脂肪にシフトし、いやでも脂肪が消費されるように体を仕向けるという話だが、もちろん副作用もある。特に、ケトアシドーシスになると多くの副作用を伴う。実際ケトン体だけでダイエットができるなら、酒を飲めばいいことになるが、ダイエットのためにはケトン体を作りながらアシドーシスを防ぐさじ加減が必要になる。ケトジェニックダイエットではこのさじ加減を教える必要があり、その方法は結構複雑だと思う。ただ、2016年7月に紹介したように英国オックスフォードとケンブリッジ大学の共同で、新しい脂肪酸、アシドーシスを起こさないケトン体が開発され、これを服用すると運動能力が2%上昇したことを示す論文が出て、ひょっとしたらケトジェニックダイエットも簡単になるのかもしれない(http://aasj.jp/news/watch/5567

) これまでの研究でケトジェニックダイエットの効果の一翼を担うのが、FGF21と呼ばれる肝臓から分泌される一種のホルモンである事がわかっている。最近の研究で、アルコールも強いFGF21の分泌刺激作用がある事がわかっている。今日紹介するダラスにあるサウスウェスタン大学からの論文はFGF21を介する新しい喉の渇きを誘導する経路を丹念に追跡した研究で、酒を飲むと喉が渇くメカニズムを理解させてくれる。6月に発行予定のCell Metabolismに掲載される予定で、タイトルは「The hormone FGF21 stimulates water drinking in response to ketogenic diet and alcohl(FGF21はケトジェニックダイエットやアルコールに反応して分泌され、水の摂取を刺激する)」だ。

昨日も友人たちと深酒をしたが、アルコールを飲むと確かに喉が乾く。この研究ではまず、FGF21を投与したマウスでは、行動的に渇きを感じ、その結果水の摂取が普通の3倍になることを示した上で、この渇きと水を飲む行為が、例えばバソプレシンやレニンなどの電解質や尿量を調節する経路とは全く異なることを様々な方法で示している(詳細は省く)。

次に正常の状態でFGF21が水の摂取と関わるか、遺伝子をノックアウトした動物を使って調べてみると、正常ではケトジェニック食を与えた時の水の摂取量がノックアウトマウスでは低下していることを明らかにしている。

また、アルコール摂取後1時間で、FGF21が上昇することを、マウスだけではなく人間のボランティアについても調べている。またアルコールを続けて飲ませると、水の消費が上昇するが、FGF21が欠損したマウスでは、水の消費は変化しない。このことから、FGF21がアルコールを飲んだ時の渇きの主役である事が分かる。一方、食塩の多い食事をとった時、あるいは水を24時間飲まなかった時に起こる水の消費の上昇は、FGF21が欠損しても変化はない。このことから、アルコールやケトン体で刺激されたときだけの渇きにFGF21が関わる事が明らかに成った。

以上の結果から、アルコールで肝臓が刺激されFGF21が分泌され、それが脳に働いて渇きを誘導し、水の消費が上昇する事がわかった。そこで最後に、FGF21が渇きを誘導する神経メカニズムを追求し、傍室核と呼ばれるホルモン分泌性の神経が集まった領域の、FGF21の受容体の一部を構成しているβKloth陽性細胞がFGF21の標的で、この細胞からアドレナリン受容体を介する自律神経回路を介して渇きや水の消費が上がる事がわかった。

これまで漠然と酒を飲んだ後の喉の渇きは、電解質や水の代謝の調節をしているホルモン系の作用かと考えていたが、全く新しい経路がある事がよく理解できた。

明日は酒を作るのに必須の酵母ゲノムについての論文を紹介する。
カテゴリ:論文ウォッチ

4月20日:エルカルディ・グティエール症候群の発症メカニズム(Natureオンライン版掲載論文)

2018年4月20日
SNSシェア
エルカルディ・グティエール病(AG病)は生後さまざまな時期から、自己免疫病のような強い炎症が起こる常染色体劣性遺伝病で、現在まで7種類の原因遺伝子が特定されている。この7種類の遺伝子の多くは、DNA複製にかかわる分子で、例えばTREX1はDNAを端から分解するエンドヌクレアーゼだし、RNASEH2は岡崎フラグメントのRNAプライマーを除去する酵素であることがわかっている。要するに、DNA複製に関わる酵素が何故これほど強い炎症を引き起こすのかが重要な問題になるが、インターフェロンが過剰につくられることがこの原因になっていることはわかっている。
今日紹介するCNRS人類遺伝学研究所からの論文は、この症候群の原因遺伝子の一つで、その機能が完全にわかっていない分子SAMHD1の機能を明らかにする事で、何故この病気でインターフェロンの過剰生産が起こるのかを明らかにした研究でNatureにオンライン出版された。タイトルは「SAMHD1 acts at stalled replication forks to prevent interferon induction(SAMHD1は停止した複製フォークで働いて、インターフェロンの誘導を防ぐ)」だ。
SAMHD1はdNTPを分解する活性を持ち、CDKによりその作用が抑制される事がわかっていた。このグループは、AG病の遺伝子が複製フォークに関わる分子であることから、SAMHD1もここで異なる機能を発揮しているのではないかと考え、薬剤で(ハイドロオキシウレア)で複製を停止させてこの分子の機能を調べると、この分子が欠損した細胞では一本鎖DNAが上昇することを突き留める。即ち、複製フォークが停止するとそこでDNAが分解されるが、このとき細胞の自然免疫を刺激しないようにDNAを処理する役割をこの分子は担っており、これが欠損すると一本鎖DNA が細胞質に流れだしインターフェロンを誘導している事が分かった。

この発見により、何故SAMHD1が欠損すると強い炎症が続くのかを説明する事ができた事になり、私のレベルでは十分な説明だが、研究では具体的にこの分子が停止した複製フォークでどう働いているか、細胞学的に丹念に調べている。おそらくこのグループは、DNA複製や修復を専門に研究てきた歴史があるのだろう。ここからは知識と経験に裏付けられたプロの仕事といった感じだ。

長い話を短くまとめSAMHD1の機能を説明すると、次のようになる。SAMHD1はCyclinA-CDKによりリン酸化を受け、活性化されると、複製中のDNAを分解するMRE11を複製フォークにリクルートして、複製されつつあるDNAを5’側へ分解すると共に、3’側はATR-CHK1経路を活性化してDNAを切除する事で、一本鎖DNAが細胞質に流れでないようにしている。ところが、この作用が欠損すると、今度はRECQ1酵素が合成されたてのDNAを引き離し、そのDNAが切断され、細胞質に流れ出し、インターフェロンを誘導するというシナリオを提案している。

DNA複製の過程を復習するには最適の論文で、自分のDNAと侵入したDNAを区別して反応するための重要な機構である事がわかる。また、AG病の成立メカニズムについてもよく理解できた。ただ、これが明らかになっても、なるべく複製が止まらないようにする以外に対症療法はなく、重要な組織で遺伝子を正常化させる事しか治療方法は思い付かないので、少し残念だ。勉強になる論文だったが、一般の方にはちょっとわかりにくいはずで、申し訳なかった。
カテゴリ:論文ウォッチ