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6月13日:恋人選びの好みは変わらない(米国アカデミー紀要オンライン掲載論文)

2019年6月13日
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個人的な話だが、フラれた経験はあっても、こちらが嫌になって付き合いをやめた経験はなく、このおかげで結婚してからすでに45年が過ぎた。振り返ってみると、これまで好きという感情を持った女性は、なんとなく似ているように感じる。

しかしもし嫌になって関係を解消した場合、次のパートナーは違ったタイプの人を選ぶのではないかと思う。しかし、この先入観が間違っていることを今日紹介するトロント大学の調査研究が米国アカデミー紀要オンライン版に掲載された。タイトルは「Consistency between individuals’ past and current romantic partners’ own reports of their personalities (前と現在の恋愛相手の自己性格診断は似ている)」。だ。

この研究はドイツで進んでいる、家族や生活形態の変化を追跡するコホート研究の対象者の中から、一人の相手と恋愛関係を解消したあと、他の相手と恋愛関係を始めた332人を選び、その人と付き合っている今の相手と、前の相手の性格診断を行い、両方が似ているのかどうかを調べている。

心理学の人たちがどのように性格診断を行うのかがよくわかる論文だが、具体的にはBFI-Kとして知られる、外向性、率直さ、共感性、良心性、神経症的性格を個別に調べるテストを行い、この結果をさらに1)一般的な性格、2)相手と似ている点についての自己診断、3)そして特徴的な性格、にわけて調べている。

結果だが、全ての項目で前と今のパートナーの性格は似ていることがわかる。とくに、一般的ではないユニークな性格まで似ているということは、どんなに失敗しても、パートナーを選ぶ好みは変わらないことを示している。しかも、パートナー同士ではなく、自分とパートナーの間でも性格がよく似ている。いわゆる似た者カップルが多いことになる。もし似た者同士が付き合うのが正しいと、世界中で個人の性格の分離が続く可能性があるのは心配だ。

いずれにせよこれらは全て傾向で、もちろんパートナー選びの傾向は本人の性格に大きく左右される。とくに、共感性が高く、神経症的性格が少ない方が、パートナー同士の全般的性格が似ている。面白いのは、特殊な性格が一致しているかどうかで見ると、外交的で率直な人は浮気者の傾向があって、その結果パートナーは似ていないということになる。

話はこれだけで、まあよくやるなといった感じだが、自分の過去の恋愛体験を思い出させてくれる面白い論文だった

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