6月6日毎日新聞 アトピー性皮膚炎の原因を特定した広島大学皮膚科の論文
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6月6日毎日新聞 アトピー性皮膚炎の原因を特定した広島大学皮膚科の論文

2013年8月8日
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毎日新聞 2013年06月06日  アトピー皮膚炎の原因抗原 毎日新聞 吉村周平記者の記事 内容についてそのまま掲載する事は毎日新聞は許可していません。内容は以下のURLを参照して下さい。 http://mainichi.jp/area/news/20130607ddn041040009000c.html

うまくまとまった、正確な記事だ。 アトピーになる最初のきっかけは、様々な抗原が皮膚の中に侵入するのを防いでいる皮膚のバリアー機能が傷害さるためだとされている。しかし、その後は免疫の病気で、様々な抗原が皮膚に侵入し、結果、慢性の炎症が続くアレルギー性の炎症だ。この治療には、1)免疫反応自体が起こらないようにする、2)アレルギー物質を避ける、3)そしてアレルギー性の炎症を緩和する事が治療の可能性がある。一般的に行われるステロイドホルモン治療は3番目の過程を標的にしている。アトピーでは、1)番目が治療の標的になることはほとんどなく、また2)についても、アレルギーを起こす抗原をきめることがむずかしいためあまり治療の対象になって来なかった。
  今回報道の報道では、「汗の中に存在してアレルギー性の炎症を引き起こしている、カビが分泌しているタンパク質を明らかにした」という仕事を記事にしている。原著論文を読むと、極めてオーソドックスな論文で、人間の病気にしっかりと焦点をあて、最高レベルの方法を用いた、信用のおける成果だ。これに対する報道も、正確だと評価する。 ただ、人間を使った仕事について報道する場合は、どのぐらいの患者さんがこのアレルゲンに反応するかなどついても注意する事が必要だ。論文によっては極めて特殊な話を一般化していることもある。その点、この原著論文ではしっかり調べられており、かなりの患者さんが反応する。 ではアレルゲンがわかった事で、2)の方法を治療に選ぶ可能性が生まれたわけだが、次の問題はこのアレルゲンだけが病気に関わっているかどうかになる。最後のコメントは、このアレルゲンを避ければ症状の緩和が得られるように書かれているが、これについてはこの研究では明らかになっていない。原著論文でこのアレルゲンは大きなタンパク質から分解されてくることが示されている。記事から離れるが、私から見るとここは面白いかもしれない。すなわち、タンパク質の分解については様々な薬がありる。塗ると分解が止まり、アレルゲンが汗に出てこないと言ったお薬が出来たらすばらしい。

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