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2月5日 気になる臨床研究(1月28日 Nature Medicine オンライン掲載論文他)

2025年2月5日
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今年は個人的に気になった臨床研究をまとめて紹介することにしているが、2月は3編紹介する。

まず最初はオーストラリア・サウスウェールズ大学を中心とする研究で、オンラインで食事やエクササイズのコーチングを続けるプログラムの効果を調べた無作為化治験だ。

このグループは、一日45分のエクササイズを含む栄養や健康に関する様々なコーチングビデオ情報(あなたの脳の維持プログラム:MYB )をオンラインで提供して認知症の発症を予防することを目指しており、提供する情報の内容は3ヶ月に一回変更される。これに従って生活をしてもらうのが介入だが、対照群では適時 e-mail を受け取る程度の介入にとどめている。

アウトカムはオーストラリアで利用されている GCC と呼ばれる認知テストと、活動性、記憶などを測ることで評価している。結果はどの方法で評価しても、MYB で介入したグループはコントロールと比べ優位に認知機能などが3年間維持されていたといたという結果だ。

なかなか自分の意志だけで努力するのは難しいが、ちゃんとしたインストラクションが提供されればそれを守る可能性があることを示しており、一人暮らしのお年寄りの健康管理などにより積極的に取り込める可能性がある。

次の論文は昨年9月に The Lancet にペンシルバニア大学から発表された Leber 先天黒内障の遺伝子治療だ。

治験では GUCY2D遺伝子に変異があるレーバー黒内障患者さんに、アデノ随伴ウイルスをベクターに用いて GUCY2D遺伝子を網膜下に注射している (subretinal injection) 。治験ではドーズを換えて注射が行われ、12ヶ月経過を観察している。 

手技による副作用も含めてこの研究の目的は安全性の確認で、これについては問題ない。治療は片方の目で行われており、治療眼と非治療眼を比べる形で調べている。結果は極めてよく、特に高いドーズの遺伝子治療を受けた群では、全ての指標で大きな改善が見られている。

レーバー黒内障は20以上の遺伝子が特定されているが、遺伝子治療の可能性は着実に前進している。

最後はドイツ・イエナ大学から1月30日 Plos Medicine に発表された論文で子宮切除時に卵管切除を行うことで、卵巣ガンリスクを低下させるアイデアを検証している。

結果は子宮切除術に限らず、不妊目的の卵管結でも卵巣ガンの発生を5−10%は抑えることができるという結果だ。将来のために、元々備わっている組織を切除することを納得できるかという点は残るが、考慮すべき重要な結果だと思う。子宮切除術の際卵巣も切除することがあると聞くが、これと比べると卵管だけの切除は影響が低い。それでも大きなガン予防効果が見られるのは驚きで、この生物学的理由についても興味がある。

カテゴリ:論文ウォッチ

2月4日 海馬 CA1 神経は場所細胞だけでなく、社会性情報もコードしている(1月31日 Science 掲載論文)

2025年2月4日
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このブログで何度も紹介してきたように、海馬の記憶研究は、今でも2014年ノーベル賞に輝いたオキーフ、モザー夫妻の場所細胞とグリッド細胞を中心に行われている。ただ、よく考えてみると、殆どの場合研究は孤独な一匹の動物の行動を追跡して行われており、社会的状況の中で行動した場合の研究はほぼ存在しないと言っていい。例えばハイキングやキャンプを考えると、私たちはグループでの行動を思い浮かべるのが普通で、一人の場合わざわざソロキャンプという名前がついているぐらいだ。

なぜ他の個体が存在する中での行動が研究されてこなかったかを考えると、そのような状況を作り出すのが実験的に難しいからだ。この困難に挑んだのが今日紹介するイスラエルワイズマン研究所からの論文で、野生のエジプトコウモリを飼い慣らして、洞窟に見立てた部屋の中で複数の個体が飛行しているときの海馬の活動を調べ、動物の行動が全て場所細胞で表現できるのは単独行動の場合だけで、同じ海馬に様々な社会性をコードする細胞が存在し、これが場所細胞にも大きな影響を及ぼすという面白い研究で、1月31日号 Science に掲載された。タイトルは「Hippocampal coding of identity, sex, hierarchy, and affiliation in a social group of wild fruit bats(野生のオオコウモリには身元、性別、階級、そして所属をコードする海馬神経が存在する)」だ。

ともかく実験系がすごい。エジプトオオコウモリ(あとはコウモリ)を集団で飼い慣らし、各個体の集団内の社会性の認識が自然に生まれるようにしたあと、各個体の海馬にクラスター電極を設置し、洞窟に見立てた部屋の中で自由に飛行させ、その3次元的軌跡とともに海馬の400あまりの神経細胞の活動がテレメーターで拾えるようにしている。部屋の中には、2カ所の大きさの異なる巣とともに、餌場も設置している。

通常ラットやマウスが2次元平面を動くときに観察される場所細胞に相当する神経細胞がコウモリの飛行でも特定され、しかも3次元的な特定の場所で特定の場所細胞が活性化することが観察される。しかし、これは単独行動の話で、同じ部屋に他の個体を存在させると、場所細胞の興奮が大きく影響される。例えば、社会的関係を持つ個体が存在する巣に飛行する場合、軌跡の途中で興奮するはずの場所細胞は全く興奮せず、目的の巣の場所細胞だけが強く興奮する。また、一緒に過ごしたあと、そこから他の場所に飛び出すときは、単独行動と同じで、途中の場所細胞が強く興奮する。この社会性の影響は場所細胞の発火数を抑えたり、上昇させることで起こり、場所細胞そのものをマッピングし直した訳ではない。面白いのは、この影響の度合いは個体同士の相互関係、すなわち好き嫌い、オスメス、階層性などに強く影響される。例えば、好きなメスが止まっている巣へ飛行するときは、軌跡途中の場所細胞の興奮が強く抑えられる、逆に目的地の場所細胞は強く興奮する。一方、あまり社会的関心のないオスの個体が同居している場合、場所細胞の興奮調整は殆ど起こらない。

この場所細胞興奮の変化は、同じ海馬にタイトルにあるように身元、性別、階級、そして所属を表象する神経細胞が形成されるからで、これらの一部は場所細胞とオーバーラップし、同時に場所や距離とともに同居する個体との社会性をコードしているニューロンを特定できる。

さらに面白いのは、これまでの場所細胞研究は殆ど自分を中心とする視点からの場所認識だったが、好きなコウモリが飛んでいった軌跡を追いかけるといったアロセントリックな影響を示す神経細胞も存在する。

以上が結果で、海馬を単純に自己中心的単独行動の枠内で起こる場所細胞興奮の場としてだけ見てしまうと、海馬の本当の機能を見失うことを示した力作だ。実際、私たちもハイキングをするとき、今どこかを気にするより、語らいを楽しんでいることの方が多いかもしれない。

元々私たちには社会性を測る神経細胞が存在することはよく研究されてきた。しかし、海馬にそんな細胞が存在し、さらには自己中心的な世界だけでなく、アロセントリックに世界を見る能力も存在するというのは、海馬が社会性に関わる様々な領域と結合していることから考えると示唆に富む。

いずれにせよ、ともかく実験系が素晴らしく、感動した。

カテゴリ:論文ウォッチ

2月3日 紫外線による皮膚炎症は DNA 損傷より、リボゾーム RNA 損傷が原因である(Molecular Cell 12月号 掲載論文)

2025年2月3日
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紫外線照射によりおこる DNA や RNA の損傷はよく研究されているが、日焼けして我々がすぐに感じる皮膚の炎症が起こるメカニズムについてはまだまだわかっていないことが多い。

取り上げるのが一月遅れてしまったが、今日紹介するコペンハーゲン大学と国立シンガポール大学からの論文は、紫外線照射による炎症の原因が DNA 損傷でなく、RNA 損傷によるリボゾームストレスが原因であることを示した研究で、Molecular Cell 12月号に掲載された。タイトルは「The ribotoxic stress response drives acute inflammation, cell death, and epidermal thickening in UV-irradiated skin in vivo(リボゾーム損傷によるストレス反応は紫外線照射皮膚で急性炎症、細胞死、そして上皮の肥厚を誘導する)」だ。

これまで紫外線照射は直接活性酸素を誘導するか、あるいは DNA 損傷を誘導する結果、p53 誘導などを介してストレス反応を誘導し、これが炎症の原因だと思ってきた。

しかし、RNA 損傷でも正常なタンパク質形成が阻害されたりすることで細胞ストレスが誘導される可能性もある。おそらくこのグループは、RNA 損傷により起こるリボゾーム機能異常を研究する過程で、リボゾームストレスが ZAKa と呼ばれるストレスキナーゼの一つを活性化し、下流の MAP キナーゼシグナルのスイッチが入る過程を研究するなかで、ZAKa が欠損したマウスを作成していた。

驚くことに、このマウス皮膚を剃って紫外線照射をしても、炎症が全く起こらないことを発見する。すなわち、一般の紫外線照射による炎症は全て ZAKa 活性化経路を通ることを意味する。とすると、DNA 損傷より RNA 損傷後のリボゾームストレスが紫外線照射による炎症の引き金になっている可能性が高くなる。

これを調べるため、紫外線の代わりに RNA を選択的に損傷する化合物を用いる実験を行い、紫外線照射とするのとほぼ完全に同じ炎症反応が誘導され、これは ZAKa ノックアウトマウスでは完全に抑えられることを示している。

しかし、DNA 損傷が炎症の原因であるというこれまでの通説は、紫外線照射が同時に DNA 損傷と、RNA 損傷を誘導する以上、DNA ストレス関与の否定は難しい。これに対し、1) 紫外線照射後の ZAKa 活性化反応が極めて早いことから、ZAKa を活性化しているのはリボゾームストレスである可能性が高いこと、2) DNA ストレスを誘導する ATR 阻害剤の炎症誘導効果は低いこと、3) ZAKa下流では JNK と p38 の活性化が起こり、人間のケラチノサイトではアポトーシスとピロトーシスの両方が誘導されるが、DNA 複製抑制によるストレスではこのような細胞死は起こらないこと、などの間接的結果を示して、DNA 損傷の炎症への貢献はあってもマイナーであると結論している。

あとは、人間のケラチノサイトとマウスの違いや、アポトーシス、ピロトーシスを誘導するシグナル回路など様々な実験を行っているが、割愛していいだろう。紫外線を浴びて皮膚が真っ赤に焼け、あとで皮膚の肥厚が起こるのは、DNA 損傷が原因であるというこれまでの通説に対して、RNA 損傷とリボゾームストレスが原因であることを示した素晴らしい研究だと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

2月2日 痒いところを掻くという行為の深い意味(1月31日 Science 掲載論文)

2025年2月2日
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様々な原因で起こる皮膚の炎症性疾患で最もやっかいな症状は痒みで、わかっていてもどうしても幹部に手を伸ばして掻いてしまう。その結果、皮膚に新たな刺激が加わって炎症が悪化したり感染が広がるとわかっていても、痒みに抵抗できない。我慢が難しい幼児ではなおさらだ。もちろん本能的に行動してしまうマウスではなおさらで、熊本時代の大学院生だった吉田君が理研時代に発見した皮膚バリア分子欠損マウスのビデオを見せてくれたことがあるが、止まることなく体中をかきむしっている哀れなマウスを見て、痒みのインパクトの大きさを思い知った。

今日紹介するピッツバーグ大学からの論文は、古典的実験モデルを用いて痒みにより掻いてしまうことが炎症を悪化させるメカニスムであることを調べ、しかしこの痒みに対する反応が皮膚のブドウ球菌の繁殖を抑えるポジティブな効果もあることを示した面白い研究で、1月31日号 Science に掲載された。タイトルは「Scratching promotes allergic inflammation and host defense via neurogenic mast cell activation(掻くことでアレルギー性炎症が増強するだけでなく神経によるマスト細胞活性化を通してホストの抵抗力を上げる)」だ。

この研究では免疫性炎症モデルとして化学化合物に対する接触性過敏症を用いている。これは化合物を皮膚に塗って感作し、耳にチャレンジすると耳が腫れる反応を用いて炎症を評価する系で、私が研究を始めた頃から存在する古典的な方法だ。

感作後数日でチャレンジしたとき、ネズミは痒がって引っ掻き、その結果強い炎症が起こるが、化合物の刺激による痒みを感じる感覚神経を光遺伝学的に抑制する(すなわち痒みを感じなくなる)と炎症は抑えられる。また、痒みを感じても引っ掻かないように皮膚を守ると、やはり炎症は起こらない。遅延型過敏症なのでT細胞の浸潤は存在するが、それ以上の炎症の広がり(=顆粒球の浸潤などの炎症像)、には痒みにより誘導される引っ掻くというプロセスが必要であることがわかる。

皮膚を引っ掻いたときに活性化される神経細胞を調べると、これは予想通り TRPV-1(すなわち唐辛子成分カプサイシン反応性)の痛みを感じる神経細胞が重要であることがわかる。これまでの研究で TRPV-1 は刺激を受けると Substance P を分泌し、マスト細胞の刺激が起こることが知られているが、TRVP-1 発現神経細胞を光遺伝学的に抑制すると、予想通り接触性過敏症による炎症進行が低下する。

さらに、痒みを感じる神経を抑制したマウスでも、TRBV-1 神経をカプサイシンで単独刺激すると摂食過敏症による炎症が進行する。すなわち、痒みを感じて皮膚を掻きむしることで TRPV-1 神経を刺激し、その結果 substance P が神経から分泌され、マスト細胞刺激し、ここから様々な因子が放出されることで、免疫反応以上に炎症反応が誘導されることがわかった。

最終段階ではマスト細胞が主役に躍り出るので、掻くという行為に注目したのはユニークだが、あとは神経刺激により分泌される substance P などのメディエータが炎症を誘導するという、これまでも指摘されていたメカニズムに落ち着いてしまっている。そこで著者らは、引っ掻く行動を誘導する痒み回路にはネガティブな役割だけでなく、ポジティブな役割があるはずだと考えた。

ここで着目したのが皮膚常在性の黄色ブドウ球菌増殖抑制の可能性だ。痒みを感じて掻きむしる行動を起こしているマウスと、この反応サイクルが遺伝子操作で停止したマウスについて細菌叢の比較を行い、掻くという行為が抑制される個体では、細菌叢の多様性が低下するとともに黄色ブドウ球菌も皮膚から存在が消失することを発見する。すなわち掻くという行為が TRPV-1 神経を介してマスト細胞を活性化することで、細菌叢を変化させ、黄色ブドウ球菌の増殖を抑制することが明らかになった。

この作用はもっぱらマスト細胞により担われているので、マスト細胞を IgE で刺激して活性化すことでも誘導できる。実際には、TRPV-1 神経刺激と、IgE による刺激が協調することでより強くマスト細胞刺激を活性化して黄色ブドウ球菌の増殖を止めているよ結論している。

以上、痒みを感じて引っ掻くことにも細菌増殖防御というポジティブな側面もあるという結論だが、マスト細胞活性化により細菌どころか、皮膚にうごめくダニを予防できることを示した阪大病理の北村先生の仕事を思い出した。すなわち、ダニに刺されて痒くなって掻いているうちに、ダニを退治することができるという話で、もし本当ならうまくできている。しかし実際そんなうまい話があるのだろうか。

カテゴリ:論文ウォッチ

2月1日 アルツハイマー病での Aβ と Tau の相互関係を人間の脳画像から調べる(1月22日号 Science Translational Medicine 掲載論文)

2025年2月1日
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アルツハイマー病のメカニズムの研究は様々な動物モデルが利用されることで急速に進んでいるように感じるが、それでもAβの蓄積によるアミロイドパチーと、異常 Tau分子によるタウノパチーの関係などは諸説存在し、我々人間ではどうなっているのか、まだまだわからないことが多い。

今日紹介するミュンヘン大学からの論文は、アルツハイマー病 (AD) を、初期段階から長期に追跡するコホート研究に参加している患者さんの様々な脳画像から Aβ が神経興奮誘導を通して Tau分子の伝搬を示唆する研究で、仮説に基づいての研究とは言え発想が面白い研究だ。1月22日 Science Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Amyloid-associated hyperconnectivity drives tau spread across connected brain regions in Alzheimer’s disease(アミロイドによる神経の結合性亢進がアルツハイマー病で Tau が脳全体に伝搬させている)」だ。

これまでも紹介してきたように Aβ や Tau が脳内で蓄積している様態を PET を用いて検出することができる。この研究では、これに加えて安静時の機能的MRI (fMRI) を同時に調べ、神経の活動性を測定している。

これらの画像から AD のメカニズムに関して何がわかるのかと思ってしまうが、この研究は最初から明確な仮説をたて、その仮説と脳画像が一致するかを議論している。これは介入や遺伝子操作などが殆ど不可能な人間の脳研究では当然のことで、最終的なメカニズム解析は、培養かあるいは動物モデルを用いて行う必要がある。

では、この研究グループが証明したいと考えている仮説とは何か?これについてはタイトルで明示されており、Aβ が神経を興奮させることで細胞間の結合性を高め、これが Tauタンパク質の伝搬を促進し、タウノパチーが脳全体に広げるドライバーになっているという仮説だ。もちろんこれは新しい仮説ではなく、Aβ が神経興奮を誘導することや、Tau が下側頭葉から神経結合に従って伝搬することはすでに示されてきた。ただ、人間でこれらを示すことは簡単でない。

この研究では Aβ を検出する PET と fMRI の脳活動状態を比べ、Aβ が蓄積している場所が fMRI で神経活動が亢進している部位とオーバーラップすることを確認している。すなわち、Aβ の蓄積が神経の加興奮を誘導している可能性は人間の脳画像検査により強く示唆される。この研究ではさらにグルコースの取り込みを調べる FDG-PET でもこれを確認している。

次に検討したのは、Aβ により過興奮が誘導されると、神経シナプス結合性が高まり、これが Tau の伝搬を促進している可能性だ。このために、まず Tau-PET を用いて患者さんの経過を観察し、Tau の震源地がこれまで示されていたように下側頭葉に存在すること、そしてこの震源地から脳各領域に時間をかけて伝搬するのが PET の経過観察で追跡できるが、この伝搬時に伝搬先の Aβ の蓄積があるほど、伝搬しやすくなっていることを発見する。

重要な結果は以上で、現象論ではあるが初期 AD で Aβ が蓄積し始めると、これが神経興奮を誘導して、シナプス結合性が自然に高まる。この結合性の促進は、異常Tau がシナプスを超えて伝搬する過程を促進し、結果タウノパチーが脳全体に広がるという結論は、少なくとも AD の画像診断結果と一致する。しかも、この一致は1例、2例の話ではなく、このコホートに参加している多くの患者さんで認められるという結果だ。

脳画像からは矛盾がないと私も思うが、気になる点もある。もし Aβ の働きが神経興奮誘導だとすると、もっとAβに対する抗体が効いても良いのではと思うし、ApoE変異(Christchurchi型)で Aβ が存在するのに Tau が全く変化しないのは、この仮説では説明できていないと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

1月31日 食物アレルギーの新しい誘導因子(1月22日 Nature オンライン掲載論文)

2025年1月31日
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食物アレルギーは場合によっては命に関わるが、経口摂取した食物アレルゲンにより腸内で2型アレルギーが誘導される結果で、もちろん粘液分泌など腸上皮の関与もあるが、基本的には免疫システムで終始するのかと思っていた。ところが今日紹介するハーバード大学からの論文は、粘液を分泌するゴブレット細胞から2型免疫反応を増強する分子が分泌され、アレルギー反応成立に重要な役割を果たしていることを示した研究で、1月222日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「RELMβ sets the threshold for microbiome dependent oral tolerance(RELMβは細菌叢依存性に食物トレランスの閾値を決める)」だ。

この研究では2型免疫反応が遺伝的に高まっている IL-4受容体がリガンドなしに活性化されるマウスを用いている。このマウスに卵白アルブミンなど抗原を経口摂取させ、もう一度抗原でチャレンジすると、ゴブレット細胞からの RELMβ の分泌が高まることを発見している。さらに、食物アレルギーを発症している小児でも血中の RELMβ が上昇することを発見する。

そこで、RELMβ 自体の機能を調べるため遺伝子ノックアウトマウスを作成すると、食物によるチャレンジでアナフィラキシー反応が起こらないことがわかった。皮膚から免役して食物でチャレンジする実験から、RELMβ は感作過程ではなくアナフィラキシー反応に直接関わっていることがわかった。

次に RELMβ が食物アレルギーを増強するメカニズムを探ると、RELMβ が欠損すると抑制性T細胞 (Treg) の腸管での誘導が低下していることを発見する。また通常 RELMβ 欠損によって要請されるアレルギー反応も、Treg の機能を抑制したノックアウトマウスでは抑制が見られない。すなわち、RELMβ は何らかのメカニズムで Treg の誘導を抑えることで食物アレルゲンに対するトレランスを破壊していることがわかる。

ただ、これは RELMβ が直接 Treg に作用するためではない。RELMβ はレジスチンと呼ばれる分子の仲間で腸内細菌叢に働くことが知られている。また、腸内細菌叢は幼児期の食物アレルギー発生に関わることが知られている。従って、著者らは RELMβ は腸内細菌叢への変化を介して Treg 誘導に関わると考えた。

ただこの辺から話は急にややこしくなる。Treg 誘導にも関わるとされている乳酸菌を調べると、RELMβ は直接作用はないが、分泌が高まると乳酸菌が低下する。そしてこの作用は、RELMβ がゴブレット細胞の他の抗菌分子を誘導することを介して起こっていることを示している。

ここまで来るとこの研究は細菌叢研究になり、細菌叢由来で Treg への作用がある代謝物探しになる。結果、トリプトファン由来のインドール化合物が直接 Treg を誘導する作用を持っており、この作用がダイオキシン受容体として知られる AhR受容体を介した転写調節の結果であることを明らかにしている。

最初は RELMβ からはじまって、上皮由来分子が直接免疫系に作用するのかと読み始めたが、結局割と平凡なところに落ち着いた気がする。しかし、この論文の最後にマウスの実験とはいえ、幼児期、食物アレルゲンで感作する前に RELMβ に対するモノクローナル抗体で処理すると、アナフィラキシーの発生が抑えられることを示している。もちろん幼児に抗体注射という話は簡単ではないが、遺伝的にアレルギーリスクの高いことがわかっている場合は、一つのオプションになると思う。

例えばノーベル化学賞を受賞したDavid Bakerさんは、腸炎のサイトカインによる炎症を抑える、しかも経口投与可能なペプチドを開発している (https://aasj.jp/news/watch/24742 ) 。こんなペプチドができれば食物アレルギーを抑えられるかもしれない。

カテゴリ:論文ウォッチ

1月30日 人間の海馬記憶回路の特徴(1月23日号 Cell 掲載論文)

2025年1月30日
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先日哺乳動物の海馬の構造を新しい AI 回路の設計につなげる研究について紹介したが(https://aasj.jp/news/watch/26034 )、素人ながらこの方向性の研究が新しい AI 設計に欠かせないように思う。そう考えて、今日は1月23日 Cell に掲載された、人間の海馬の回路構造を機能的、組織学的に詳しく検討したオーストリア科学技術研究所からの論文を紹介する。タイトルは「Human hippocampal CA3 uses specific functional connectivity rules for efficient associative memory(人間の海馬 CA3 は効率の良い連合記憶を実現するため特別な機能回路を形成している)」だ。

海馬の CA3 領域は、錐体細胞が回帰的回路を形成することで、パターン記憶と記憶想起を可能にしていると考えられている。すなわち、先日も紹介した2024年ノーベル物理学賞のホップフィールド回路に似た構造を持っていることが知られている。実際、マウスから人間への進化の過程で、海馬神経の数は急速に増加し、記憶容量も上がっている。 まさに AI の巨大化競争と同じことが進化で起こったと言えるが、では回帰的回路を形成している神経間の回路はどうなっているのか?以前のマウスCA3の研究から皮質の錐体細胞と異なり、神経間のネットワークの密度が低いことが知られていた。ただ、人間での研究は少ない。

この研究ではてんかん病巣の切除手術で採取した CA3 領域からスライスを作成、複数のパッチクランプ電極を設置、刺激したときの錐体神経間の結合を生理学的に解析するとともに、同じ組織を高解像度顕微鏡により形態学的に調べ、人間の領域の CA3 回路特性を調べ、マウスの回路や、人間でも他の領域回路との比較を行っている。

結論は単純で、人間の CA3 の神経間結合の密度は極めて低いことが明らかになった。すなわち多くの電極を設置して刺激応答を調べても、殆どの神経では反応が見られない。人間の皮質では、刺激に対して10%近い細胞が反応するのに、CA3 では1%に満たない。さらに、動物の間で比べると、人間の CA3 と比べて、マウスでは4倍、ラットでは2倍の結合性が認められる。

この背景にある組織学的違いを調べると、まず錐体細胞の大きさの多様性が大きい。これは細胞間のネットワークはまばらでも、個々の結合自体が強くなっていると考えられる。実際、シナプスを反映するスパインの数を調べると、スパインの密度はマウスと比べ半分に低下しているが、神経突起の長さが伸びているので、細胞が受け取っているスパイン数は同程度に保たれている。すなわち、ノイズの入りにくい構造ができている。

そこで結合している神経間でシグナルの伝達様態を調べると、マウスでは反応の正確性(すなわち立ち上がりや強さ)が低い(例えば3回の刺激に対して反応が抜け落ちる)が、人間ではほぼ完全に刺激に応答することがわかった。

すなわち、人間では錐体神経細胞の増加をそのままネットワークでつなぐのではなく、細胞間の結合性を減らすことで正確にシグナルが伝わるように進化していることがわかる。

そこで、この結合様式を反映するニューラルネットを PC 上で再現し、神経細胞数を高める一方、ネットワークの密度は下げ、結合自体の信頼性を高めることで、パターン記憶と想起の性能が格段に高まることを確認している。

以上が結果で、ニューラルネットワークも機能が違えば全く異なる特性の回路が形成されており、さらに進化の過程で特性を変化させていることがはっきりする。このように AI と比較しながら我々の脳やその進化を再検討することで、より効率の良い人工知能が可能になる。現在マスメディアでは、中国発の Deep Seek の話題で持ちきりだが、今や本当の課題は、これまでとは全くこ異なるニューラルネットを設計するための確信で、脳研究との共同は必須だ。

そう考えると、理研脳科学研究所が最初に設立されたとき、伊藤先生が我が国の人工知能の先駆甘利先生をメンバーに招かれたことは、当時の日本の脳研究の高い見識を示していると思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

1月29日 都会人を対象としたプレバイオ治験(1月23日 Cell オンライン掲載論文)

2025年1月29日
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世界規模の細菌叢研究によって、細菌叢は地域性が極めて高く、同じ国でも田舎と都会では大きな変化が見られることが知られている。この地域多様性の大きな原因は、当然食事で、ファストフードなどの都会の食事スタイルが、細菌叢を通して生活習慣病に影響することも知られている。従って、細菌叢を健康型へ変化させる食=プレバイオと、細菌による細菌叢介入=プロバイオは、人間の健康にとって重要な課題といえる。

今日紹介するカナダ・アルバータ大学を中心とする研究グループからの論文は、カナダのエドモントン在住のボランティアにパプアニューギニアの食をヒントに作成したプレバイオを3週間食べてもらったときの細菌叢の変化を調べた研究で、1月23日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Cardiometabolic benefits of a non-industrializedtype diet are linked to gut microbiome modulation(非工業国型食事による心臓代謝への効果は細菌叢の変化とリンクしている)」だ。

よく Cell が採択したなと言うのが率直な感想で、これまで言われてきた点の繰り返しに過ぎない気がする。ただ、科学性を高めるための様々な工夫が見られるのと、徹底的な解析が行われているのは評価できる。

まず工夫の方から紹介する。プレバイオの治験論文は数多くあるが、この研究では脳や代謝に様々な効果を持つ乳酸菌ロイテリ菌を指標として用いている。ロイテリ菌は都会人では殆ど検出されない。一方、パプアニューギニア人にはほぼ全員に検出される。そこで、ロイテリ菌が都会人にも定着できるかどうかを一つの指標としている。さらにプレバイオの設計も、パプアニューギニアで食べられている食品でカナダで購買可能なアイテムを用い、カロリーは一定だが、繊維が多く脂質が少ない細菌叢回復食品(回復食)を作成し、これを介入食として用いている。

結果だが、ロイテリ菌を一回飲んでも、食事がそのままだと全く定着しない。しかし、回復食を食べているグループは、ロイテリ菌が定着する。面白いことに、ロイテリ菌でもパプアニューギニアから採取した系統は回復食で維持できるが、ドイツで分離されたロイテリ菌は回復食でも維持できない。この結果は、プレバイオとプロバイオを統合させることの重要性を強く示唆している。もちろん毎日ロイテリ菌を飲んだ場合どうなるかについては全くわからないので、プロバイオを否定するものではない。

もちろんロイテリ菌だけでなく、ホストの細菌叢にも回復食は大きな影響を持つ。驚くのは、空腹時血糖、コレステロール、LDL などいわゆるメタボの指標が軒並み改善するのを見ると、回復食の威力を知る。

これまで、田舎の人ほど細菌叢の多様性が高く、これが健康の元と考えられてきた。ところがこの研究で使われた回復食は、逆に細菌叢の多様性を低下させる。ちょっと意外だが、残った細菌については細菌同士の相互作用を高める効果が確認できる。その結果、健康にいいと考えられてきた細菌を増やし、健康に悪いとされてきた細菌叢を減らすことに成功している。

集団レベルで見ると、大きな変化が見えないように見えるが、個人ごとで調べると回復食により2-3割の細菌叢が変化していることがわかる。これは短鎖脂肪酸などの代謝物が高まることから来ている。また、炭水化物を分解する能力の高い細菌が回復食で高まる。

詳細はすっ飛ばしたが、以上がこの研究の概要で、要するに繊維の多い植物性の食品が健康の秘訣であるという当たり前の結論になる。創薬研究と異なり、食の研究は結果が出てくるのに時間がかかる。特に、死亡率や心臓疾患と言った長期追跡が必要な指標を調べたいと思うと、殆ど介入研究は難しい。しかし、薬には頼らない健康法を科学的に証明するとすると、このような研究を地道に繰り返す以外に方法はない。

カテゴリ:論文ウォッチ

1月28日 身体の血液分布を調べるPET で炎症経過を探る(1月22日 Nature オンライン掲載論文)

2025年1月28日
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非侵襲的に細胞の局在や活動を調べる方法がPETで、これに用いる半減期の短い様々なアイソトープが開発されてきた。現在主に使われているのはフッ素18 をラベルに用いた deoxyglucose の取り込みで、これにより細胞の代謝活性がわかるため、活性の高いガンや炎症部位を特定するのに使われている。ただ、身体の中には何百種類もの細胞が存在するため、これらの状態を調べるためには、それぞれの細胞が発現する細胞表面マーカーに対する抗体を利用できると、PET の利用範囲は大きく広がる。

今日紹介するハーバード大学からの論文は、血液細胞が発現しているCD45に対する抗体を用いて全身の血液分布を調べると局所炎症の発生と経過を正確に捉えることができることを示した研究で、1月22日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「CD45-PET is a robust, non-invasive tool for imaging inflammation(CD45-PET は炎症のイメージングを可能にする安定性が高い、非侵襲的ツールになる)」だ。

これまでも抗体をアイソトープに結合させたプローブは開発されていると思うが、この研究ではまずマウスCD45 を認識する H鎖抗体・ナノボディーにキレーターを結合させ、これにジリコニウム89 を結合させている。そして、この構造にポリエチレングリコールを加えることで、腎臓での吸収を抑えるという工夫をしている。

このプローブを注射して得られる画像は、予想以上にリンパ球特異的と言える。最初、体中に血液が分布しているので全身が染まるのではと思ったが、イメージングされてきたのは見事に、脾臓、リンパ節、そして骨髄で、肝臓などは予想以上に低い。すなわちまとまって CD45細胞が存在する場所が選択的に染まる。その意味で、リンパ節は強く染まる。しかし、腸管のパイエル板などは殆ど染まってこない。これはおそらく大きさの問題だろう。

次に肺や腸管で炎症を誘導してイメージングを行うと、肺への血液細胞の集合を見事にに捉えることに成功している。同じことは FDG を用いた代謝PET でもできるのだが、肺の場合 LPS の量を変化させて肺の病変の強さを変化させたとき、CD45PET ではこの炎症の程度の差を捉えることができるのに、FDGではできない。

同じように消化管に炎症を起こすデキストランスルフェーとを摂取させる系でも、炎症の強さをCD45-PET は捉えるのに成功している。さらに重要なことは、肺でも大腸でも炎症が強くなると体重が低下するが、CD45-PETから計算される重症度は見事に体重の低下と比例している。

最後に、ヒトCD45 に対する H鎖と C鎖の一部を持つ CD45抗体を用いて同じようにラベルしている。この抗体は体内での半減期が短いことから、同じ抗体でも PET には使いやすい。これを用いて、ヒト造血系を移植したヒト化マウスのイメージングを行うと、リンパ節などの染まる程度は低いが、ヒト細胞が移動し居着く脾臓を特異的染められることを示している。

もちろん、炎症で血管透過性が上がっただけでプローブが検出されると言った心配はないこと、さらに常に FDG と比較して、CD45-PET の方が感度や特異性が高いことも示している。

結果は以上で、後は遙かに大きなヒトを用いた治験を進める必要がある。例えば関節リューマチや、臓器説く的自己免疫疾患などは重要な標的になる。さらには 1型糖尿病で β細胞をアタックするリンパ球の浸潤などが捉えられたら、臨床的価値は計り知れない。期待したい。

カテゴリ:論文ウォッチ

1月27日 母親由来X染色体は神経老化を早める(1月22日 Nature オンライン掲載論文)

2025年1月27日
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女性は X染色体を2本持っているが、個々の細胞レベルでは片方だけを使って、もう片方は完全に不活化している(この詳しいメカニズムについては先日紹介したばかりだ:https://aasj.jp/news/watch/26014)。これはオスでは一本しかない X染色体からの遺伝子発現量をそろえるためで、このおかげで X染色体上の多くの遺伝子の発現量がオスメスで同じようになるように維持されている。

今日紹介するカリフォルニア大学サンディエゴ校からの論文は、ゲノムレベルでは完全に同じでも、母親由来の X染色体と、父親由来の X染色体で機能に差がある可能性を追求した面白い研究で、1月22日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「The maternal X chromosome affects cognition and brain ageing in female mice(母親由来X染色体は雌マウスの認知及び脳の老化に影響する)」だ。

この研究では Xist を片方の染色体でノックアウトできるマウスを作成し、全ての細胞が母親由来の X染色体だけを使っているマウスを作成し、母親、父親それぞれ由来の X染色体をランダムに利用している正常マウスと比較している。殆どの臓器では両者で差がなかったが、海馬機能を反映する空間記憶では、若いときから母親由来の X染色体だけを使っているマウス(Xmマウス)では異常が認められた。さらに記憶力の低下は、年齢とともに低下した。

ゲノムレベルではどちらの X染色体も違いはないので、エピジェネティックな違いであると想定してまずメチル化を調べると、血液では全く違いは見られないが、海馬で老化とともに Xmマウスのメチル化速度が高まっていることがわかり、生物学的老化が進んでいることがわかった。

ここまでなら「まあそんなこともあるか」で終わるのだが、このグループはさらに踏み込んで、Xm が発現すると蛍光が発するようにして、正常の XXマウスの細胞を母方の X(Xm) を発現している細胞と、父方の X(Xp) を発現している細胞に分けてメチル化を調べると、母方の X のみメチル化速度が高まっていることを発見する。

そこで、Xm と Xp でメチル化されている遺伝子を調べるとシナプス形成に関わる遺伝子及び免疫機能に関わる遺伝子などが Xm のみで強くメチル化を受けることを発見している。またこれら遺伝子の発現で比べると、Xm からは殆ど発現がない。

すなわち、なぜか Xm ではメチル加速度が高まって、いくつかの遺伝子の発現が抑制されることが、Xm だけになったマウスで老化による認知症の進行が高まる原因と考えられる。そこで CRISPR を用いてプロモーターからの転写を高める方法をこれら遺伝子に用いて認知機能を調べると、これらの遺伝子の発現を正常の老化マウスの Xm でもう一度オンにするだけで、認知症の進行を抑えられることを示している。

結果は以上で、面白いがちょっと不完全な気がする。

実際には CRISPR オンの実験を、Xm だけからなるマウスでも見てほしかった。そして何よりも、オスの場合全ての X は母からなので、同じようにメチル化されているのかなども知りたいところだ。また、Xmだけでメチル化が早まるというそもそもの原因も知りたい。このように、答えより疑問が多く残る研究だが、現象は面白い。また、正常女性の認知症を抑える新しい方法が生まれるかもしれない。

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