2022年4月28日
MRIは原理を聞いても、未だに何故あれほど素晴らしい画像が得られるのか、イメージできないぐらい素晴らしいテクノロジーだと思う。そして、プロトンの共鳴を高めるため、これまで静磁場のレベルを上げて、高い解像度を得る方向に機器は開発されてきた。現在一般に使われる MRI は1.5テスラらしいが、私が検査を受けたときも、世界で1例という希なケースではあるが、検査室のドアが開いていて、ボンベが飛んできて亡くなった例があるという話を聞かされた。これは危険があると言うより、まずないという意味で使われているのだが、ボンベを引きつけるぐらいの磁場が存在している。従って、磁場を完全に遮蔽した状態で検査を受ける。
当然 MRI をもっと手軽に、病室でも使えるようにしようと思うと、共鳴させるために磁場は絶対必要なので、磁場の強さを抑えるしかない。今日紹介するイェール大学とハーバード大学からの論文は、磁場を25分の1に抑えた MRI を開発し、迅速な脳卒中診断が可能かどうか調べた観察研究で、4月20日号 Science Translational Medicine に掲載された。タイトルは「Portable, low-field magnetic resonance imaging enables highly accessible and dynamic bedside evaluation of ischemic stroke(ポータブル低磁場磁気共鳴画像装置は、虚血性卒中にどこでも使えてベッドサイドでダイナミックな評価を可能にする)」だ。
現代の情報処理技術を見ていると、低磁場によりシグナルが低下しても、検出をうまくやることでそこそこの画像を得ることが出来るのだと想像するが、開発の焦点などは全く専門外なので省く。結果生まれたのが、昨年、Nature Communications(オープンジャーナル)に写真が掲載されている1.5x1.5x1.5程度の、しかもほとんどシールドがない装置だ(写真のURL: https://www.nature.com/articles/s41467-021-25441-6/figures/1)。
基本的には、ERでも利用できると言うことで、他の機器に影響を及ぼさない程度の磁場でとどまっている。2021年の論文では、診断が優しい脳出血についてベッドサイド診断の可能性を示しているが、今回はCTでは診断が難しい虚血性脳梗塞部位の診断が出来るか、一般的 1.5or3T のMRIでの画像と比較している。
画像も、一般にルーチンとして知られる、T1強調、T2強調、FLAIR、そして拡散強調画像を集めている。結論はシンプルで、脳梗塞であれば大体9割が、ポータブル方で診断可能で、T2強調や、FLAIRでは、普通のMRIと比べてそれぞれ98%、100%の一致が見られている。
また、ポータブル法で得られる診断結果は、高速の大きさ、病状の深刻さ、さらに予後を十分予測できる検査として使える。勿論、拡散強調画像のように、超急性期の診断では、見落としもあるので、大いに改善の余地はある。ただ、ERでも使えること、さらにCovid-19のような感染症でも利用できるという大きなメリットを考えると、より多くの施設で使われ、必要な改善を加えることで、大きな戦力になっていくことが予想できる。さらに、AIなどが加わると、磁場を上げなくとも、高い診断能力が可能になる可能性もある。
以上、MRIがポータブルになると誰も考えもしなかったが、この機械は結構ヒットする予感がする。
2022年4月27日
多くの神経変性正疾患では、細胞内外に不溶性蛋白質の繊維様の構造体、アミロイドフィブリルが形成される。例えばアルツハイマー病では細胞外のアミロイドβ と細胞内のTau、パーキンソン病やレビー小体認知症では αシヌクレインのフィブリル形成が細胞変性を誘導する。同じような蛋白質として最近注目されてきたのが TDP-43 で、人格変化や行動異常を伴う、大脳前方の萎縮による認知症として知られる前頭側頭型認知症(FTLD) やALSでは TDP-43 のフィブリル形成が神経変性を誘導すると考えられてきた。
今日紹介するUCLAからの論文は、FTLDがTDP-43 のフィブリル形成により起こるというパラダイムを、TMEM106Bと呼ばれるリソゾーム蛋白質によるフィブリル形成が原因であると、完全なパラダイムシフトを迫る研究で、3月28日、Natureオンラインに緊急掲載された。タイトルは「Amyloid fibrils in disease FTLD-TDP are composed of TMEM106B not TDP-43(FTLD-TDPのアミロイドフィブリルはTDP-43ではなくTMEM106Bにより形成される)」だ。
FTLDはTDP43 意外にも、FUS蛋白質やTau蛋白質の蓄積でも起こることが知られており、フィブリル形成を起こした蛋白質によりFTLD-TD、FTLD-FUS などと分類されてきた。FTLD-TDはフィブリルが TDP-43 に対する抗体で染色されることから、TDP-43蛋白質がフィブリル形成を起こした群として扱われてきた。
この研究の重要性は病理的にFTLD-TDと診断されているにもかかわらず、アミロイドフィブリルは本当にTDP-43から出来ているのか疑ったことにつきる。まず、アミロイドフィブリルを分離し、一般的なアミノ酸組成の検討ではなく、まずクライオ電顕で得られた構造から、TDP-43から構造が出来ると仮定すると、多くの矛盾が生まれることに気づく。そして、得られる構造を形成できる唯一の蛋白質としてTMEM106B を特定することに成功している。
このモデルに従って、TMEM106Bのアミロイドフィブリル構造及びその形成過程について検討し、
1)TMEM106Bはリソゾーム蛋白質で、アミロイドフィブリル形成が起こるためには、119/120番目のアミノ酸部位で切断され、リソゾーム内に放出された分子が、フィブリル形成し、細胞質に吐き出されて蓄積する。
2)構造は、ゴルフコースのように18の β シートが重なっており、これまで知られているフィブリルの中でも安定性が極めて高い。
3)構造から、おそらくフィブリル形成を促すリガンドが存在するが、特定は出来ていない。
4)TDP-43は構造化せずに TMEM106B フィブリルないに潜り込んでいるため、抗体でフィブリルが染まるという錯覚を起こしてしまった。
5)一方、フィブリルに構造化された TMEM106B を染色できる抗体はまだ存在せず、結果フィブリルがTDP-43 由来であるとする間違いにつながった。
6)TMEM106B はこれまでFTLDのリスク遺伝子として特定されていた。
という結果を得ている。
大きなパラダイムシフトで、これまでの病態を TMEM106B 原因説で見直すことで、病気を防ぐ介入方法の開発にまでつながることが期待できる、重要な研究だと思う。
以下、読者からのコメントも掲載します。私が論文を勝手に解釈している部分を指摘していただいています。是非参考にしてください。
4) に関して、”TDP-43がTMEM106Bのフィブリル内に潜り込んで”というのは少し誤解があり、2%Sark+1%SDS不溶画分にはTMEM106BのアミロイドフィブリルとTDP-43の凝集体の両方が存在していましたが、TDP-43がTMEM106Bのフィブリル内にあるのではなく、同じ画分にTDP-43凝集体も存在していたがフィブリル構造ではなかった、という事のようです。
バルクで抽出していますので、TMEM106BとTDP-43が同じ細胞由来かどうかもまだわかりません。抱き合わせで出たもう一報(PMID: 35344985)の免染ではTMEM106B凝集体はTDP-43凝集体とはだいぶ形が違いますし、私はそれぞれ違う細胞で凝集体を作っている可能性もあるのではないかと思いました。
TDP-43のamyloid-like filament structureに関してcryo-EMで解析した報告もあり(PMID: 34880495)、TDP-43がフィブリルを作らないとは言い切れないと思います。ただ今回の論文では既報よりも強力な界面活性剤を使用していますので、通常よりも3倍ほど強い構造のTMEM106Bがより多く残った可能性もあるかもしれません。
タイトルがキャッチーなので私も「おっ」と思いましたが、著者らは既報を否定しているわけではなく、TMEM106Bのアミロイドフィブリルという、もう一つの主役候補に光を当てたのだと思います。
5) に関して、今までTMEM106B凝集体の免染を試みた人たちもいましたが、存在するTMEM106BのC末抗体はすべてエピトープがフィブリル内部にあり、これが免染や免疫電顕で同定されなかった原因の1つだと私も思います。ただ、4)のコメントにも繋がりますが、”フィブリルがTDP-43由来であるとする間違いにつながった”というわけではなく、TDP-43が脳内で凝集体を形成する事自体は明らかであり、それ自体が伝播能を持ってネイティブのTDP-43を凝集化させることも確認されています。本論文でもTDP-43の凝集化自体を否定しておらず、既報が間違いだったわけではありません。
TMEM106Bフィブリルがどのような病的機能を持ち、FTLDの病態にどのように関与しているのかはこれから次々と明らかになってくると思いますが、少し前に出た関連論文(PMID: 35247328)では、FTLD-TDPだけでなくDLBやPSPでもTMEM106Bフィブリルが確認されていますし、PMID: 35344985では正常高齢者脳でも確認されていますので、FTLD-TDPを超えた何らかの機序が存在している可能性もあるものと、期待しています。
長文失礼致しました。
2022年4月26日
我が国のCovid-19感染状況は不思議な平衡状態に達し、世の中は平常時に戻りつつあるようだ。そんな中人々の関心も、ロシアのウクライナ侵略と、それに対する抵抗へと移り、感染状況を示す数字も上の空といった感じだろうか。
ただ国民の健康を守る衛生当局はそうはいかない。多くの先進国でまだ何万人もの感染者が出ていても慌てなくなってきたのは、新しい状況に医療体制を適応させ、ワクチンや治療薬を最善の方法で提供できる自信があるからだろう。もはや感染者の隔離自体をやめる国も続出している。これに対し、我が国では未だに感染者の診療を一般医は拒んで良いし、薬剤についても、切り札と言われたパクスロビドも、承認されてもほとんど利用されていないようだ。報道では、飲み合わせが悪いなどと、他の薬剤を使用しているヒトが対象から除外されるからだそうだが、パクスロビドと併用するリトナビルも、薬剤濃度を高める効果は短期的なので、感染したときは他の薬はやめて治療に専念すれば良い。当たり前のことを当たり前に出来ないと、新しい一歩は踏み出せるはずがない。
論文を読んでいると、研究も未来に備えるといった研究が増えてきた。未だに4回目接種などと議論されているワクチンも、変異体に備えるための新しいワクチン研究が進んでいるし、治療薬も将来起こりうるSARS型コロナに対応できる抗体薬も地道に開発が行われている。
今日紹介する米国コロンビア大学からの論文は新たなSARS型コロナウイルス感染が始まったときに、すぐに利用できる治療抗体薬開発のための研究で、4月19日 Science にオンライン掲載された。タイトルは「An antibody class with a common CDRH3 motif broadly neutralizes sarbecoviruses(共通のCDRH3モチーフを持つ抗体は広い範囲のSARS型コロナウイルスを中和する)」だ。
基本的にはSARS型コロナウイルスのほとんどに対応できる抗体薬は可能かを追求している。これまでの研究で、スパイク分子で通常は内部に隠れている inner face と呼ばれる部位に結合する抗体が、CoV2だけでなく広いスペクトラムを持つとされてきた(https://aasj.jp/news/watch/17664)。
実際、δ株が発生したとき、この性質を持つソトロビマブは他の株と同じように中和できると喜んでいたが(https://aasj.jp/news/watch/18376)、ウイルスの方がずっと賢く、異次元の変異を持つオミクロン株に簡単にこの牙城が崩された。
そこでオミクロンも含めてもっと広いウイルスに対応できる抗体を探索し、新たな流行に備えようとしたのがこの研究だ。
まず回復者血清の中から、広い範囲のウイルスに効果がある抗体を持つ人をえらび、この人達の末梢B細胞から、オミクロン株に反応するB細胞を抽出、そこから抗体遺伝子を分離し、抗体を再構成して、3種類の抗体を作成している。
期待通りこれらの抗体はオミクロンも含め多くの変異体に結合できるが、中でも10−40と名付けた抗体は、ほぼほとんどのSARS型コロナウイルスを中和できる。この結果はプラクティカルには極めて重要で、今後世界中で同じ方法を用いて、同じようなモノクローナル抗体が作成されるだろう。
この研究ではさらに進んで、では何故10−40がこのようなパワーを持つのか、他の抗体と分子構造的に比較している。その結果、
1)10−40も含めて、広い範囲のウイルスに効果を持つ抗体は全て、これまで知られているように inner surface に結合している。
2)しかし、抗体の結合する向き、あるいはスパイクとの接合面とで少しづつ違いが生まれ、スペクトラムも異なる。
3)10−40は、inner surface と結合するだけでなく、多くのウイルスの inner surface と10個以上の水素結合、3個以上の 塩橋 を形成する。実際、さらに多くの結合が他のウイルスとで見られていおり、全体で12種類の結合は、全てのコロナウイルスとの結合で保存されている。
4)さらに、抗体側の特徴として利用しているD領域がD3-22に固定されており、しかも突然変異が見られない抗体で、このような広い範囲のウイルスへの強い中和活性が見られる。
を明らかにしている。特に結果 4) は面白く、ある意味で私たちの抗体遺伝子も、広い反応性を生み出すべく用意できていたことになる。
この抗体だけで良いのかどうかはわからないが、同じ手法は様々なウイルスにも適応可能で、是非次のパンデミックに備えた研究として進めて欲しい。
我々日本人が忘れてならないのは、最初の抗体療法は北里柴三郎とベーリングによって実現したことだ。伝統をうけてこの分野で我が国もリードすることを夢見ている。
2022年4月25日
臨床に利用される治療法は、それまでの膨大な基礎医学研究により支えられていることは言うまでもないが、基礎医学研究といえども明確に臨床応用を意識して実践的に考える基礎研究と、臨床応用可能性を意に介さず医学的現象を追求するタイプに分かれる様な気がする。もちろん、動物を使っていても徹底的に臨床に即した前臨床研究と、全く応用とは無関係な基礎医学研究の間に線を引くことは難しい。
今日紹介するハーバード大学、ダナファーバーガン研究所からの論文は、少しでも早く臨床に結びつけたいという気持ちが伝わってくる結構実践的な研究で、4月28日号 Cell に掲載された。タイトルは「Augmenting NK cell-based immunotherapy by targeting mitochondrial apoptosis (NK細胞による免疫治療をミトコンドリアを介する細胞死を標的にすることで高める)」だ。
キラーT細胞やNK細胞を培養してガン患者さんに投与し、ガンを征圧する試みの歴史は長く、現在も臨床応用が進んでいるが、残念ながら普及するには至っていない。これは、原理は正しくても、メカニズムの詳細が理解できておらず、コントロールできない要因が多く残されているからだ。
NK細胞は、標的細胞が多い場合は、グランザイムBを分泌して、細胞のアポトーシスを誘導して殺すことが知られている。この時グランザイムBはミトコンドリア膜からチトクロームcを遊離させ、これがアポトーシスにつながることが知られていたが、この研究ではこの過程を、グランザイムBによるBID蛋白質の分解が引き金になり、それがBak/Baxを活性化し、ミトコンドリア膜電位を消失させ、細胞死を誘導することを明らかにしている。
さらに、NK細胞による標的細胞の障害は、all or noneといったものではなく、分泌されるグランザイムBの量に応じて蓄積していき、最終的に閾値を超えると細胞死が起こることも明らかにしている。
以上の結果を総合すると、NK細胞でガンを傷害しようとするとき、Bak/Bax活性化を阻害するBcl2などの分子を前もって抑制しておけば、少ないNK細胞、またグランザイムBでガンを殺すことが出来ることになる。すなわちBcl2阻害剤を使うことでキラー活性を高める可能性が出てくる。
ただ、残念ながらこのような阻害剤は、NK細胞も細胞死へと誘導してしまい、ただ阻害剤を使うだけではうまくいかないことがわかった。
ここからがこの研究の実践的な点で、NK細胞がBcl2阻害剤に抵抗力を持つ条件がないか調べている。すると、NK細胞を24時間、約2割の細胞が死ぬ程度の量のBcl2阻害剤で前処理することで、Bcl2だけでなく、Bcxl,、MCLなどのアポトーシス抵抗性蛋白質の発現が高まること、そして一度処理されると、後は抵抗性を獲得したまま増殖させることが出来ることを明らかにしている。
最後に、前処置してBcl2阻害剤抵抗性を獲得したNK細胞を、ガン細胞を移植したマウスに移植すると、ガンの増殖を強く抑えることが可能になることを示している。また、一般的なT細胞もグランザイムBを使っていることから、同じ方法で治療できる可能性があることも示している。
さらに、Bcl2阻害剤が効果がない腫瘍では、MCL阻害剤を組みあわせることでガンを抑えることが出来、どの阻害剤が最適化もBHプロファイリングと呼ばれる方法で前もって予測できることも示している。
このように、NKやキラー細胞を一度試験管内で増殖させる治療法については、キラー細胞の培養法を変化させて、Bcl2やMCLを誘導し、それをBcl2やMCL 阻害剤とともに投与することで、より強い効果が得られることを示している。
おそらくキラー細胞培養を行って居る研究室なら、明日からでも可能な方法なので、是非試していって欲しいと思う。
2022年4月24日
アミロイドβ(Aβ)除去療法の治験結果が大きく期待を下回ったことから Aβ の役割を疑う声を聞くが、この考えはおそらく不勉強か偏った考えに基づく意見で、様々な状況から多くのアルツハイマー病(AD)で Aβ 蓄積が関与していることは間違いない。最も信じられている仮説は、Aβ 蓄積により神経の過興奮が誘導され、それが神経内の Tau を変化させて、Tau 蓄積と伝搬が起こるという考えで、これが正しいとすると除去療法はこの段階を狙って治療することが重要になる。
しかしこの仮説も、Aβ の蓄積場所と Tau の蓄積場所の違いなど、まだまだ説明がつかない点が多くあった。今日紹介する韓国・高麗大学とカリフォルニア大学サンフランシスコ校が共同で発表した論文では、様々なステージの AD について行った Aβ と Tau の蓄積を調べる PET 画像を詳細に解析することで、AD 伸展過程を解析、Aβ と Tau との相互作用の仕方について、明確な仮説を提案した論文で、4月9日 Neuron にオンライン掲載された。タイトルは「Regional Ab-tau interactions promote onset and acceleration of Alzheimer’s disease tau spreading(局所的な Aβ-Tau 相互作用がアルツハイマー病とTau の伝搬開始と伸展を誘導する)」だ。
これまでの研究で AD 症状の発展には Tau の細胞内蓄積と脳各部への神経細胞間伝搬による拡大が関わることが広く認められている。そこで、この研究ではまず様々なステージの数多くの患者さんの Tau の蓄積様態を調べ、Tau の伝搬過程を詳しく解析している。
この結果、これまで示されていたように Tau の蓄積は嗅内野から始まること、そして嗅内野から下側頭回に伝搬が進んだ後、急速に脳全体に広がることを明らかにしている。そして、テンソル MRI 法から特定された脳内領域間の結合を重ね合わせて、下側頭回がまさにネットワークのハブの働きをしていることを明らかにした。
次は、このパターンに Aβ 蓄積が手を貸しているかが問題になる。そのため、Aβ を調べる PET を用いてその蓄積を画像化し、Tau の画像と重ねると、Aβ の蓄積が下側頭回で始まるのに呼応して嗅内野から Tau が下側頭回へと伝播し、これをハブとして脳全体に広がることがわかった。すなわち、Aβ は、神経投射の端末にあろうと、神経細胞体にあろうと、神経細胞に働いて Tau の沈殿、伝搬を誘導する。その結果、最初嗅内野で Tau が蓄積を始めた後で、下側頭回に Aβ 蓄積が始まると、これに投射していた神経を伝って Tau が下側頭回へと広がり、その後下側頭回に蓄積した Aβ、あるいは下側頭回から投射した先で蓄積した Aβ の作用を受けて、Tau 蓄積が拡大するというシナリオが提案された。
結果は以上で、いくつかの脳画像を、多くの患者さんで、しかもステージを追って、場合によっては同じ人について病気の伸展に合わせて集めることで、仮説とはいえ、明確で説得力のあるシナリオができあがったといえる。
これを検証するのは簡単ではないが、幸い Aβ 除去のための手段が存在する。このシナリオが正しいとすると、嗅内野の Tau が下側頭回に広がるのを止めることが最も重要で、Tau ペットで嗅内野にシグナルが認められ、Aβ の蓄積が進んでない時点で、抗体など Aβ 除去剤を使ってみて、病気の進行や Tau の下側頭回への伸展が止まるかどうかを調べることが、仮説の検証になるように思える。是非新しいコホートでチャレンジしてほしいし、今からでも遅くないと思う。
2022年4月23日
道路標識は様々な情報をドライバーに提供し、本来は交通事故や違反運転を抑止するためにあるのだが、その効果が科学的に検証されているのか、あまり考えたことはなかった。しかし、このような生活の中での当たり前を、「本当?」と一度問い直すことは重要だ。
今日紹介するミネソタ大学からの論文は、この当たり前を疑い、道路での情報提供のあり方に一石を投じた研究で、4月23日号 Science に掲載された。タイトルは「Can behavioral interventions be too salient? Evidence from traffic safety messages(行動制限のための指示はドキッとさせてもいいのか?交通安全メッセージからの証拠)」だ。
以前は目にした記憶がはっきりあるが、最近利用する道路では交通事故や死亡数を示してドライバーの注意を促す掲示板を見た記憶がない。ただ、米国では州ごとの年間交通事故死を電光掲示することが行われており、この数字を見たドライバーが、より注意深く運転する行動変容が期待されている。
勿論数字を見たドライバーの意識は変化する可能性があるが、その結果事故は減るのかどうかをさらに確かめたのがこの研究だ。
といっても、事故死亡数掲示の影響を科学的に調べるのは簡単ではない。幸いテキサス州では、事故死亡数を月のうち1週間だけ表示するという変則的掲示が行われており、同じ領域で死亡者表示の有り無しを比べることが出来る。
この研究では、死亡者数表示期間に、電光掲示板から10km以内で起こった交通事故数を、電光掲示板以前の10km以内、あるいは掲示のなかった月と比べ、死亡者数を掲示することの効果をまず確かめている。
さて結果だが、交通局真っ青といえる結果で、表示のなかった週と表示のあった週で、同じ区間の事故数を比べると、表示区間の事故数は2.5%近く上昇し、表示から離れるほどその頻度は低下することがわかった。また、表示が10km以内で繰り返し掲示されると、その区間では事故数増加が維持されている。
すなわち、事故死者数を見た記憶が鮮明であればあるほど、事故につながるという結果になる。著者らは、この原因が事故死者数を知って驚いた結果、運転への集中が途切れ、事故が増えると考えて、これを裏付ける証拠を集めている。
一番強い証拠として、表示される数字が高いほど事故が多いことを示している。交通事故死者数は年ごとに変化するが、表示を見た後で見られる事故の増加は、死者数の多い年ほど増加しており、逆に死者数が平均より半減していた年では、表示区間での事故数は低下している。
さらに、テキサスでは前の月までの死者数総計が表示されることになっており、1年分が蓄積した12月の数字が最大になるが、これは1月に掲示される。そして、2月には1月の累計が表示される結果、数は大きく減少することになるが、事故数は1月が最も高く、2月が最も低い。この2種類の結果は、要するに数が大きい(驚きが大きい)ほど事故が増えることを示している。
さらに面白いのは、同じ事故でも車同士の事故が増加することで、単独事故のような大きなエラーではなく、小さなエラーにつながる運転能力への影響が大きいことを示している。
結果は以上で、死亡者数にとどまらず、要するに脅しでドライバーの注意を喚起し、行動変容を促そうとする手法自体が間違っていることを示している。しかし、この結果を国や自治体はどのように受け止めるのか、注意してみてみたい。
2022年4月22日
単一細胞のゲノム解析手法がいくつも開発されたおかげで、体細胞突然変異解析についての論文を目にする機会が増えてきた。先日は、肺上皮細胞で、老化による突然変異蓄積に加えて、喫煙者ではタバコによる違うタイプの変異が時間とともに増加することが示された(https://aasj.jp/news/watch/19509)。このような論文を読むと、DNA は遺伝子とその発現をコードする情報と言うだけでなく、個々の細胞の経験を知るための情報としても使えることがわかる。
この、ゲノムに残された特殊な体験を、アルツハイマー病の興奮神経細胞で調べたのが、今日紹介するハーバード大学からの論文で4月20日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Somatic genomic changes in single Alzheimer’s disease neurons(単一のアルツハイマー病神経に見られる体細胞ゲノム変異)」。
方法論などは前回紹介した気管支上皮細胞の単一細胞ゲノム解析と同じだ。ただ、アルツハイマー病(AD)で特に問題になる興奮神経細胞だけを FACS で純化して解析している。また、海馬の CA1 領域、及び前頭前皮質から細胞を調製し、AD の影響を、正常神経細胞と比較している。
結果は以下のようにまとめられる。
1)肺上皮で見られたように、年齢とともに神経細胞でもほぼ同じレートで変異が蓄積する。肺上皮と比べたときこの結果は極めて重要で、神経細胞はほぼ分裂しないと考えていいので、新陳代謝する肺上皮も、増殖しない神経細胞も、同じように変異が蓄積することは、変異が細胞の増殖ではなく、転写時に発生する DNA ストレスで起こっていることがわかる。これは突然変にのタイプからも推定される。以上、細胞が生きて DNA が転写される限り、変異は時間とともに蓄積する。
2)AD 患者さんの細胞でも、この自然に起こる変異の蓄積はほぼ同じレートで見られる。ただ AD の場合、これに加えて新しいタイプの変異が上積みされ、結果として AD では変異の数が増加する。特に海馬の CA1 で変位数の上昇が大きい。この上積み分の変異のタイプを調べると、酸化ストレスによる DNA 切断由来の変異であることがわかる。
3)最後に、これらの変異によって神経細胞活動に影響が出る可能性についても調べている。勿論、ゲノムを調べた細胞の機能を知ることは出来ない。従って全て推定だが、一つの遺伝子機能が完全に欠如した変異が、0.1%の確立で生まれること、そして転写時に変異が発生することから、当然神経細胞に必要な分子の発現に関わる変異が発生すると考えられることから、変異によって神経活動が低下する可能性は十分あると結論している。
結果は以上で、まだテクノロジーが安定しないのではと、なかなか鵜呑みにしづらいのだが、ゲノムに記されたエラー記録から病気を調べることが流行る気がする。
2022年4月21日
誰でも実感しているように、顔は間違いなく遺伝的要因が多い。ということは、私たちが親子をみて似ていると感じる特徴は、遺伝的に説明できる。同じように、日本人と中国人、アジア人とヨーロッパ人を見て私たちが感じる違いも、遺伝的に説明できると期待できる。これを裏返すと、ゲノムから顔の造作の大枠を再構成することは可能であることを意味する。
とすると、顔が一人一人異なることは、顔の形成に関わるゲノム領域に多様性が存在することを意味する。幸い、ゲノムの多様性を定義する一塩基多型(SNP)やその他の変位の多様性に関するデータベースは今も増大し続けている。もし、顔の造作を因数分解して、それぞれの因数が多様性を示すなら、ゲノム多型と相関を調べられるし、この対応が出来ると、ゲノム多型を、造作に関わる因数と相関させ、最終的にゲノムから顔を再構成することは可能なはずだ。
ここで必要なのは、顔の造作を様々な要素に分解して、それぞれの多様性から顔全体の多様性を分析することだが、これも顔認識研究のおかげで大きな進展を遂げている。その結果、ゲノムから顔を再構成するための研究が進んできている。
この代表がペンシルバニア州立大学から昨年1月に発表された論文で、顔の要素の多様性を説明するSNPを203種類特定している。この結果から、顔の造作に関わる遺伝子の多くは、発生やエピジェネティック過程に関わる、発生学者なら納得の遺伝子発現の多様性によること、そしてそれらSNPの関与を顔の要素の各部分と相関させられることが明らかになった(Nature Genetics 53, 45, 2021)。
今日紹介する中国上海の復旦大学からの論文は、ヨーロッパ人で行われた顔要素のゲノム多型解析を東アジア人に拡大し、以前の結果を確認するとともに、東アジア人とヨーロッパ人の基本特徴を持つ顔の再構成にチャレンジした研究で、4月7日 Nature Genetics にオンライン掲載された。タイトルは「Genetic variants underlying differences in facial morphology in East Asian and European populations(東アジア人とヨーロッパ人の顔の形態の違いに関わる遺伝的多様性)」だ。
著者の中には、2021年の論文にリストされた著者も存在し、手法などはほぼ同じと言える。ただ、東アジア人についての解析を行い、244種類のSNPを見つけたこと、さらに遺伝的多様性と関わる部位から顔の三次元画像を再構成する手法を試している点が新しい。
結果だが、
1)今回発見された244種類のSNPのうち、89種類だけがヨーロッパ人の203種類と重なっている。
2)逆に、残りの155種類は東アジア人特異的、そして2021年論文の114種類はヨーロッパ人特異的で有ることがわかる。
3)この両人種で全く異なるSNPは、基本的にそれぞれの人種でのminor allele frequency (major 以外の多型の頻度)が高い。すなわち、それぞれの人種だけで多様性が拡大している。
4)顔の要素に対応するSNPの多くは、中胚葉、神経堤などの発生やエピジェネティックスなどに関わる遺伝子で、これまでの研究を確認した。
以上が大体の結果だが、この研究では東アジア人とヨーロッパ人で頻度が最も大きく異なるトップ13種類のSNPを選び(鼻の高さや眉の間の距離に関わる遺伝子など)、その平均値から東アジアの顔とヨーロッパの顔を再構成している。示せないのが残念だが、SNPスコアだけから計算される違いを5倍して、より強調すると確かに私たちが持つ東アジア人とヨーロッパ人の差を反映している顔が示されており、納得する。
そして、これらの顔も、例えばヨーロッパでは鼻の高い形質が選択されてきたことをゲノムから示し、今後顔の形態はよりグローバルな方向へ進化する予感を示している。次は、ネアンデルタール人の顔を再構成して欲しい。
2022年4月20日
IL-2はT細胞の増殖を誘導するインターロイキンとして最も古くから利用されており、現在でもガンのキラー細胞試験管内増幅に利用されている。ところが、IL-2を生体内に投与する治療は行われていない。というのも、キラー細胞だけでなく、抑制性細胞、NK細胞、果ては単球までが刺激され、作用が多様すぎてコントロールがきかない。これは、IL-2に対する受容体が3種類もあり、その発現の違いにより、IL-2への様々な感受性が生まれるためだ。従って、IL-2やIL-15分子を変異させて、それぞれの受容体の刺激の仕方を変化させる、人工リガンドを用いて、キラー細胞だけ(https://aasj.jp/news/watch/9537)、あるいは抑制性T細胞だけ(https://aasj.jp/news/watch/14564)を増殖させる方法の開発が続けられ、実際に人体に投与するところまでこぎ着けている。
このように既存のインターロイキンに変異を導入する代わりに、それぞれの受容体に対する結合力の異なる抗体を用いて受容体からのシグナルを自由に調節できないか調べたのが、今日紹介するスタンフォード大学からの論文で、4月14日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Facile discovery of surrogate cytokine agonists(サイトカインに代わる作用分子の簡単な開発)」だ。
これまでサイトカイン受容体に対する抗体を用いて、サイトカイン自身に代わるアゴニスト効果を得る研究は行われてきている。ただこの研究では、通常の抗体を用いず、抗体の重鎖変異部分(VH)だけを用い、VHをファージディスプレイと呼ばれる方法を用いて進化させ、これをリンカーで結合させることで、サイトカインの代わりにならないか調べている。
まずIL-2について可能性を調べている。IL-2は α、β、γ の3種類の受容体から出来ているが、細胞内へのシグナルは β、γ 受容体が集まることで発生する。そこで、βに対するVHと γ に対するVHをリンカーで繋いで、両分子を近接させる可能性を探っている。実際には、βに対する65種類のVH、γに対する50種類のVHを選んだ後、配列からそれぞれ4種類、6種類に絞り、全ての組み合わせで人工リガンドを作成、細胞の増殖に必要なSTAT5活性能力を指標に10種類に絞って、様々な活性を調べている。
当然膨大な結果なので、要点をまとめると次のようになる。
1)刺激により誘導される転写因子を調べると、IL-2に比べて多様な刺激が発生している。例えば、STAT5は活性化されているが、STAT1は全く活性化されないといった変化が、VHリガンドでは得られる。
2)この違いは、VHリガンドにより誘導される β、γ 受容体の構造が大きく異なることに起因している。すなわち、受容体の集り方を変化させることで、細胞内のシグナルを変化させられる。
3)その結果として、T細胞やNK細胞の異なる活性を引き出すことが出来るリガンドを設計できる。例えば、NK細胞だけを強く活性化したり、エフェクターT細胞やメモリー細胞を別々に刺激することが出来る。
今後、β に対するVHだけを組み合わせたり、γ に対するVHだけを組み合わせたりすることで、さらに自由に活性を調節できる可能性がある。
これを示すために、この研究では β に対するVHに、IL-2とは異なるIL-10受容体に対する抗体を組みあわせるリガンドを作成し、これによりCD8は増殖させるが、CD4は全く増殖しないリガンド作成に成功している。
また、2つのインターフェロン受容体に対する異なる結合力を持ったVHを組みあわせたリガンドを設計して、抗ウイルス活性ではインターフェロンに匹敵するだけでなく、問題になる炎症性サイトカインをほとんど誘導しない新しいリガンドの作成にも成功している。
以上が結果で、VHを徹底的に進化させた後(あるいは、進化の結果、袋小路に入った受容体システムの進化を巻き戻しているのかもしれない)目的に合った分子を選択することで、従来の方法より遙かに自由にシグナルを設計できるリガンド作成方法が可能になったことを示す、重要な研究だと思う。
2022年4月19日
昨日は気管上皮細胞に蓄積する突然変異を single cell レベルの全ゲノム配列決定法を用いて調べる研究を紹介した。単一細胞の突然変異を特定できるレベルまで、極微量DNA解析法が進展してきていることを示しているが、対象にする細胞数が多くなければ、単一細胞にこだわらなくても、突然変異の蓄積を調べる方法がある。英国サンガー研究所で開発された方法で、固定された組織から特定の細胞片を切り出して、そこから作成したゲノムライブラリーの配列から、ゲノムあたりの突然変位数を調べる方法だ(Nature Protocols vol16, 841,2021)。この方法だと、DNA が分解していないフレッシュな組織をすぐ固定することが出来れば、いつでもゲノム解析を行うことが出来、今後研究対象を拡大するのに役立つ。
今日紹介するのは、同じサンガー研究所からの論文で、この方法を使って様々な哺乳動物腸管のクリプト組織の突然変異を測定し、突然変異の起こりやすさと寿命や動物のサイズとの相関を調べた研究で4月13日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Somatic mutation rates scale with lifespan across mammals(体細胞突然変異発生率が哺乳動物の寿命と対応する)」だ。
この研究では16種の哺乳動物について、死の直後大腸バイオプシーを行い、フレッシュな組織を固定保存した後、大腸の一個のクリプト組織をレーザーで切り出し、ゲノム解析に供している。一つのクリプトは、多くの場合一つのクローン由来と考えられるので、変異が薄まらず検出することが出来る。
16種類の哺乳動物には、定番のヒトやマウスに加えて、キリン、ライオン、トラ、イルカ、キツネザルなど、フレッシュな標本採取に苦労したと思われる動物が含まれている。おそらく、様々なところに網を張り巡らせて、動物が死亡した直後の穿刺針によるサンプリングを行っていると想像する。さらに、この中にはガンが起こりにくい動物として有名で、最近熊本大学の三浦さんの研究で、その原因が自然炎症メカニズムの欠損にあることが明らかになったハダカデバネズミも含まれている。
サンプリングと言い、方法開発と言い、大変な努力の結果の論文だが、結果は極めてシンプルだ。
1)異なる年齢でサンプリングが出来た、ヒト、犬、マウス、ハダカデバネズミでの突然変異蓄積は、昨日の論文と同じで、完全に年齢と比例する。
2)突然変異の起こり方は、ほとんどの種で同じだが、マウスやフェレットのように活性酸素によるダメージの多い動物がいる。またこのような動物は突然変異の蓄積率が高い。
3)これまで突然変異修復力と動物の大きさに相関があると考えられてきたが、全く存在しない。
4)一方、突然変異蓄積率と寿命はほぼ完全な負の相関が見られる。すなわち、突然変異が起こりやすいほど寿命が短い。
以上が結果で、特に4番目の結果は老化を考える上で極めて重要だと思う。実際データを見ていると、突然変異が2000から4000になったぐらいで、ほとんどの動物が死亡するという現実が示されている。
これまで突然変異は、ガンの発生を促すことで寿命を縮めるという意見もあったが、ハダカデバネズミもガンになりにくくても、突然変異は蓄積し、寿命を迎える。何故マウスと比べ、変異蓄積率が低いのかは研究が必要だが、この低い突然変異率が長寿をもたらしている。しかし、変異が一定のレベルに達すると、もはや戻ることは出来ない。
変異の蓄積により、多くの幹細胞システムで、クローン増殖が起こることが示されているが、おそらくこのような細胞に置き換わってしまうことで、システムの維持が不可能になるのだろう。
人間社会で、多様性を維持できず、特定の集団が優勢になると、組織が維持できなくなるのと同じだ。