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「2014年に新たにFDAが承認した稀少難病治療薬」 

2015年1月22日
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米国において、2014年中にFDAが新たに稀少難病治療薬として承認した41品目の治療薬の抄録を公表しましたので、それにAASJで補ってEXCELに纏め掲載いたします。「商品名/一般名」をクリックすると、FDAホームページのODD(稀少難病薬指定)での各薬物の情報にリンクします。

 

2013年が32品目であったのに対して、昨年は41品目と22%増加しています。

 

これらの薬物の日本での適応症の状況を、難病情報センターのデータ( http://www.nanbyou.or.jp/ )を参照して、特定疾患治療研究事業(56疾患)および難治性疾患克服研究事業(130疾患:新たに公表された指定難病110疾患とも実質的に一致している)との関連について、現状を備考欄に記入しました。

 

これら41品目の適応症は、日本では未承認ですが、米国で承認されて、未承認薬等検討会議での検討必要要件を満たしましたので、我が国としての治療効果や疾病の実情を検討して、必要なら早急に対応すべきと思います。同検討会議は患者団体等からの追加承認の要望を常時受け付けています。       (田中邦大)

150119_OphanDrugApprovalsIn2014(FDA)

1月22日:加齢黄斑変性症発症についての新説(アメリカアカデミー紀要オンライン版掲載論文)

2015年1月22日
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あらゆる分野の論文を乱読していると、「ここまでわかっていたのか」と感心する一方、「こんなこともわかっていなかったのか」と驚くこともしばしばだ。今日紹介するメリーランド大学からの論文は、加齢黄斑変性症の発症過程についての新説で、アメリカアカデミー紀要オンライン版に掲載された。タイトルは「Identification of hydroxyapatite sperules provides new insight into subretinal pigment epithelial deposit formation in the aging eye(ハイドロオキシアパタイトの特定から生まれる、加齢に伴う目の色素上皮でおこる沈着物の形成に新しい考え)」だ。もともと加齢黄斑変性症は網膜色素上皮下に老廃物が沈着して起こると考えられてきたが、発症初期過程の解析はあまり行われず、加齢という言葉でおしまいにしていた。「どうしてこんなこともわかっていなかったのか?」と感じたと言ったが、この研究自体はかなり古典的で、特に変わった方法も使わずこの初期過程に焦点を当て解析している。このグループは色素上皮下に蓄積される沈着物の成因に興味を持っていたようだ。屍体から眼球を集め沈着物共通の物質がないかX線回折を用いて分析を進めるうち、不溶性のリン酸カルシウムであるハイドロオキシアパタイトを特定した。この発見が研究の全てで、あとはこれが黄斑変性症などにすすむ可能性を追求しているだけだ。まずこのハイドロオキシアパタイトは網膜色素上皮と脈絡膜の間に形成される。おそらくなんらかの原因で微小ではあってもリン酸カルシウムの結晶がまず形成される。次にこれが核となって、コレステロール、アミロイド、ヴィトロネクチン、補体因子などの分子が集まり沈着物を作る。もちろん同じ沈着物は黄斑部にも存在するため、おそらく変性症のトリガーになるだろうと推察している。残念ながら、実際の黄斑変性症でこのような構造がどのように存在しているのか、浸出型や萎縮型といった病系との関わりなどは全く示されていない。今後、実際の病眼を用いた研究が必要だろう。しかしこんな結晶が本当に存在するなら、早期診断も可能なはずだ。単純な発想と、古典的な方法で明らかになってきた現象は、臨床応用も簡単だと思う。ぜひ加齢黄斑変性症を防ぐという方向に研究が進んでくれることを期待する。

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