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1月27日 右派はフェイクニュースが好き(1月25日号Science掲載論文)

2019年1月27日
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モラー特別検察官によるロシアゲート事件捜査は大詰めを迎えているようで、昨日もウィキリークスと内通してヒラリークリントンのメール流出を促していた件について、トランプ陣営の元幹部、ロジャー・ストーンが逮捕された。しかし、この事件は政治を決める現代の「一般意志」が、メディアやSNSに溢れる情報に影響されてており、政治家もそれを積極的に利用しようとしているのがよくわかる。例えば、我が国の報道の自由度は72位と台湾45位、韓国63位より遅れており、中国支配の強まった香港と肩を並べていることは、政治がメディア支配を強めていることを如実に物語っている。実際、メディアやSNSを統制・支配できないと、政治もなかなか打つ手がない。その結果がフェイクニュースを垂れ流すとするメディアの選別で、同じことはわが国でも起こっている。

実際にフェイクニュースを流すメディアは政治的立場を問わず存在している。ここから流れるニュースが2016年の米国大統領選挙前後にどうSNS上に流れたのを解析した論文がノースウェスタン大学から1月25日に発表されたので紹介する。タイトルは「Fake news on Twitter during the 2016 U.S. presidential election (2016年米国大統領選挙中にツイッター上に現れたフェイクニュース)だ。

この研究ではまずフェイクニュースを流しているニュースソースを特定し、1)すでに市民やジャーナリストによりフェイクニュースだけを意図的に流しているソースとして認定されているソース(Blackソース)、2)著者らが特定した編集過程でニュースを意図的に変化させるサイト(Redソース)、そして3)フェイクニュースを流しているが、これを意図的、系統的に行なっていることは確認できないサイト(orangeソース)の3種類に分けている。次に、この研究のために抽出した16442のツイッターアカウントで、それぞれのフェイクニュースがどう使われ、流されたのかを分析している。

ツイッターの内容からアカウントの政治的立場を極右から極左まで5段階にわけてフェイクニュースソースとの関係を分析している。

結果は以下のようにまとめられる。

  • フェイクニュースをツイートで流す人は多くない。
  • ツイッター上のフェイクニュースの8割はたった1%のアカウントからツィートされる。
  • シェアされたフェイクニュースの8割は0.1%のアカウントから出ている。
  • このようなフェイクニュースに偏ったアカウントは一日平均72回もツイートしているが、一般平均は0.1回。また、自分のコメントを載せ、写真をアップロードする政治マニアが多い。
  • フェイクニュースをよく利用するアカウントの政治的立場を比べると、極左、左派(アメリカでの話)はたった2.5%だが、右派、極右は16.3%にも及ぶ。すなわち右派がよりフェイクニュースを使う。
  • フェイクニュースをよく流す層は、高齢者で選挙に行く層ほど多い。

結論としては、ほとんどの人は一般ソースからのニュースを政治的判断に使っており、フェイクニュースに惑わされているという心配はないが、一部の政治マニア、特に右派がフェイクニュースをSNSに流している、という結論だ。しかし、SNSのおかげで、ここまで詳しい解析ができることこそ、私たちは学ぶ必要があると思う。

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