7月26日 GLP-1受容体作動薬の気になる副作用(7月22日British Medical Journal オンライン掲載論文他2編)
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7月26日 GLP-1受容体作動薬の気になる副作用(7月22日British Medical Journal オンライン掲載論文他2編)

2026年7月27日
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昨日の日経新聞に「肥満薬、開発レース激しく」というタイトルで、GLP-1などの抗肥満薬の市場規模が30兆円になろうとしていることについての記事が出ていた。驚くべき数字で、フィーバーぶりがわかるが、GLP-1受容体アゴニスト(GLP-1RA)の作用についてはまだまだわかっていないことも多く、思わぬ副作用が起こる可能性を示した論文を3編紹介する。

最初のペンシルバニア大学からの論文は、GLP-1RAを使っている糖尿病患者さんは円形脱毛症になる危険性がSGLT-2阻害剤群より高いことを示した研究で、British Medical Journal に掲載された。タイトルは「Risk of hair loss associated with glucagon-like peptide-1 receptor agonists in adults with type 2 diabetes: target trial emulation(2型糖尿病の成人のGLP-1RAは脱毛症のリスクがある)」だ。

研究はペンシル大学医学部の関連病院の電子カルテから、2型糖尿病でGLP-1RA, SGLT2阻害剤、DPP4阻害剤のいずれかの投薬が始まった患者さんで、投薬前に円形脱毛症の診断を受けたことのない患者さんを年間追跡、円形脱毛症の発生を調べている。

結果は明白で、SGLT-2阻害剤やDPP-4阻害剤投与群と比べて、円形脱毛症の発生頻度は2倍近い(1000人に7人程度の発症)。GLP-1RAの薬剤の中では、GIPRにも効果があるTirzepatide服用群が最もリスクが高い。

以上の結果は、これまで小さな規模の研究で指摘されてきたことを、1万人規模の対象で確認したもので、円形脱毛症はGLP-1RAの副作用として明確になった。これまでカロリー制限が脱毛を誘導することは知られており、急速に体重を低下させるGLP-1RAも同じメカニズムで脱毛を促進すると考えられる。ただ、自己免疫性の円形脱毛症の発生は認めないので、免疫より、代謝や内分泌の変化が重要と結論している。

2番目はトロント大学からの論文で、GLP-1RA使用による虚血性視神経症の発症リスクを調べた研究で6月22日号のNeuro-ophthalology and strabismusに掲載された。タイトルは「Ischemic optic neuropathy with semaglutide: global observational analysis of sex- and formulationspecific risk(セマグルタイドによる虚血性視神経症:国際的観察研究による性別、薬剤別のリスク)」だ。

研究ではFDAの副作用レポートデータベースから2017-2024年にいずれかのGLP-1RAを用いたとき虚血性視神経症を発症が診断されたリスクをオッズヒトして算出している。結果は驚くべきもので、ozempic, semaglutide, wegovy全てで、特に男性で虚血性神経症の発症リスクが上昇している。おもしろいのは、成分は同じでもwegovyを利用時のリスクが高く、それぞれが含んでいる用量から考えると、使用量の多いほどリスクが上がることになる。一方GIPRA作用も持つTizepatideではほとんどリスクは上がらないことから、抗肥満剤として用いるとき、wegovyのような高用量のGLP-1RAは避けてGLP-1/GIPRAを選んだ方が良いという結論になる。

最後のカナダ・British Columbia大学からの論文は、動物実験でGLP-1RA投与がコツ再生に関わる骨芽細胞に影響する可能性を示した研究で、7月21日Cell Reports Medicineにオンライン掲載された。タイトルは「Negative effects of semaglutide on bone in obese mice(肥満マウスでセマグルタイドは骨にネガティブな効果を示す)」だ。

研究は単純で、12週間高脂肪食で肥満にしたマウスに、4週間毎日セマグルタイドを投与して、大腿を採取、重さや強さ、血液中の分子マーカーなどを調べている。セマグルタイド非投与群では食事量を投与群と同じに調整して、食事量による変化を平準化している。

結果は明確で、代替の重さ、強さ、もろさなど強度が低下していること、そして血中のお捨てお軽心やPINPのような骨芽細胞活性マーカーが低下していることが示されている。ただ、セマグルタイドをやめると全て元に戻る。

以上の結果は、動物実験で、セマグルタイド毎日投与という方法の問題はあるが、GLP-1RAが脂肪や筋肉だけでなく、骨の代謝にも影響して体重を落とす可能性があることを示唆し、臨床的にも確かめる必要性を指摘している。

以上が結果で、30兆円という市場が形成される薬剤だが、まだまだ我々の知らないことがあることを示唆している。

カテゴリ:論文ウォッチ
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