1月1日 今年注目すべきサイエンスイベント
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1月1日 今年注目すべきサイエンスイベント

2020年1月1日

読者の皆様明けましておめでとうございます。今年も毎日新しい論文を紹介していきたいと思いますのでよろしく。

さて、1月2日号のNature では今年注目すべきサイエンスイベントをまとめて伝えている。論文ウォッチでは、この「The Science Events to Watch for in 2020 (今年注目のサイエンスイベント)」を紹介して今年の幕をあける。

火星探検

Mars Roverが送ってきた赤茶けた火星の大地の写真をは、火星探検での米国の圧倒的リードを示しているが、今年もNASAは火星の岩のサンプルを採取して地球に帰還したり、ドローンを飛ばす火星探査機を送る。ただ、今年は火星がさらに賑やかになりそうで、中国が独自の探査車の着陸、ロシアのロケットによりヨーロッパの探査車が火星に到着する予定になっている。火星以外では、日本のはハヤブサが竜宮から、NASAのOSIRIS-EXが小惑星のサンプルを地球に持ち帰る。

天文学

昨年のトップニュースはブラックホールのイメージを捉えたことだが、今年も天の川の中心にあるブラックホールをイメージ化する予定になっている。また、ヨーロッパの宇宙局は今年後半に天の川の3次元マップをアップデートする予定。重力波の観察分野では昨年観察された宇宙衝突からの波を観察できるのではと期待されている。

巨大加速器の夢

素粒子科学では、ヨーロッパで計画されている100kmに及ぶ巨大加速器プロジェクトを進めるかどうか決める会議が5月に行われる。210億ユーロという巨大プロジェクトなので、世界が注目している。一方、米国ではミューオンの磁場中での挙動の精密な測定結果が明らかになる予定で、この観測で少しでも予想外の挙動が示されれば新しい素粒子の発見につながると期待されている。

地球温暖化問題に対するアクション

国連の環境プログラムから気候変動へのアクションプログラムが示される予定だが、この中には大気中の炭酸ガスを吸収するプログラムも含まれる。一方、国際海底機構は海底での採鉱を推進するための規制案を提出する予定になっている。しかし、把握が難しい海底での採鉱が取り返しのつかない環境破壊につながるのではと懸念されている。またCOP26がグラスゴーで開催され、各国が炭酸ガス削減目標を示す予定だが、米国の脱退も含めて期待は急速にしぼんでいる。

米国の大統領選挙

大統領選挙の翌日が、パリ協定からの正式離脱の日になる。トランプが当選すればそのまま離脱。しかし、民主党が大統領選挙に勝利するとこの流れを阻止できる。

マウスと人間のキメラ

昨年日本で許可された中内さんたちの、マウスや豚の胚にヒト多能性幹細胞を導入するキメラ動物作成に倫理的注目が集まっている。個人的な感想だが、キメラに対するアレルギーは欧米の方が強い気がする。

常温超電導

昨年常温での超電導が達成できたが、ただ何百万気圧という途轍もない環境が必要だった。この時使われたランタン・スーパーヒドリドの代わりに、イットリウム・スーパヒドリドの合成に期待が集まっている。

Mozzieの逆襲

ボルバッキアを感染させた蚊を環境に放出して(メカニズムは以前紹介したブログ参照:https://aasj.jp/news/watch/10603)デング熱を媒介する蚊を撲滅するインドネシアでの実験結果が発表される予定。 また、赤道ギニアの島で行われているマラリアワクチンの結果にも期待が集まっている。

固体エネルギー

ペロブスカイトを用いた太陽光発電システムが市場に登場すると考えられている。これによりシリコンより安く効率の良い発電を可能にすると期待されている。また、現行のリチウムイオン電池より安全、高効率、軽量の電池として期待される全固体リチウムイオン電池を装着した最初の自動車が、トヨタ自動車により東京オリンピックでお披露目されると期待されている。

合成酵母

4大陸15研究室が共同して行なっている出芽酵母の遺伝子を、合成遺伝子で置き換えるプロジェクトが今年完成すると期待されている。個人的には、このプロジェクトにより真核生物のゲノムをどれほどコンパクトにできるのか興味が尽きない。

生命科学領域とは違う話が多いので、ここにリストされた話題をどこまでこのブログで紹介できるかわからないが、論文が発表されればできるだけ取り上げていきたいと思うので乞うご期待。

カテゴリ:論文ウォッチ
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