6月30日 創薬が相分離に出会う(6月28日  Nature オンライン掲載論文)
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6月30日 創薬が相分離に出会う(6月28日 Nature オンライン掲載論文)

2023年6月30日
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今や相分離は様々な過程で見られており、かつての様に毎週相分離を扱う研究が発表されるという状況ではなくなった。今日紹介するミュンヘン・ヘルムホルツセンターからの論文は、フェロトーシス阻害剤の作用を調べる内に、薬剤がフェロトーシス阻害分子の相分離を誘導して膜から隔離することでフェロトーシスを促進することを示した研究で、6月28日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Phase separation of FSP1 promotes ferroptosis(FSP1分子の相分離がフェロトーシスを促進する)」だ。

まずタイトルにあるフェロトーシスをおさらいしておこう。フェロトーシスも基本的には活性酸素により誘導される細胞死だが、鉄イオンの蓄積と過酸化脂肪合成を特徴としており、膜構成成分である脂肪が酸化されることにより細胞膜が破綻することで起こる。そしてこの過酸化脂肪の合成を調節して、フェロトーシスを抑える分子として特定されたのが ferroptosis suppressor protein 1(FSP1) で、ubiquinolを合成、これが過酸化脂肪合成を直接、あるいはビタミンEを介して抑え、フェロトーシスを抑制することが知られている。

変性性疾患ではフェロトーシスを抑えることが重要になるが、特定のガンで抗ガン剤により起こるフェロトーシスについてはFSP1は邪魔になる。そこでガン治療と組みあわせてより強い細胞死を誘導するために、FSP-1 阻害剤開発が行われ、試験管内で効果がある FSP-1 阻害剤は見つかっていたが、臨床応用にはほど遠い状況だった。

このグループもガン細胞のフェロトーシスを促進活性を持つ1万種類の阻害剤の中から、薬剤として使用できる構造を持つ化合物を検討し、最終的に icFSP1 を発見する。

この化合物はGpx4を阻害して誘導したフェロトーシスをさらに促進するが、正常細胞やフェロトーシスが起こっていないガン細胞には効果がない。また、完全にヒト細胞特異的な阻害剤であることもわかった。

次に阻害のメカニズムを調べると、これまで開発された酵素活性阻害剤ではなく、驚くことに FSP1 を相分離により過酸化脂肪合成系から隔離することで作用していることを突き止める。おそらく、このメカニズムによる薬剤はこれが初めてではないだろうか。

最後に、icFSP1 による相分離誘導に必要なFSP1の条件を検討し、FSP1 同士が集まって相分離を起こす部位、及び icFSP1 と結合する部位を特定し、これをヒト型に変えるとマウス FSP1 も同じように相分離を起こすことを示している。

最後に、icFSP1 がガンの増殖を抑えるかどうか調べるため、Gpx4分子をノックアウトしてフェロトーシスを起こりやすくしたガン細胞をマウスに上、icFSP1 のガン抑制効果を調べ、完全ではないが増殖を少し抑えることを明らかにしている。

以上が結果で、この結果だけでは薬剤としてのポテンシャルは測ることは難しい。しかし、相分離させるというオプションが、創薬の標的になることを示した点が最も重要だ。また今後の研究次第でガンや組みあわせる薬剤を選べば、強い効果を示す可能性も十分ある。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月29日 ここまでわかる野生アリの脳活動(6月14日 Cell オンライン掲載論文)

2023年6月29日
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生命科学の実験的研究の多くは線虫、ショウジョウバエ、アフリカツメガエル、マウスといった様々なモデル動物について行われてきたが、ゲノム解析の進展やCRISPRなど遺伝子操作法の開発のおかげで、少しづつ野生動物を用いた研究が増えてきた。その結果、実験室のモデル動物ではわからない行動などについての理解は進んできている。とはいえ、野生動物を用いる研究は研究人口が極端に少なく、全て自分で材料や方法を用意する覚悟が必要になる。

今日紹介するロックフェラー大学からの研究は、女王アリを必要としない無性生殖で増殖するクビレハリアリ(Ooceraea biroi)と呼ばれる特殊なアリを用いて、アラームフェロモンに対する脳の反応を調べた研究で、6月14日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Sparse and stereotyped encoding implicates a core glomerulus for ant alarm behavior(嗅球糸球体の決まったパターンで存在する少ない神経が、フェロモンによるアラーム行動を決めている)」だ。

このロックフェラー大学のグループはクビレハリアリの生態についてコンスタントに論文を出しており、昨年12月にもサナギの分泌するミルクが幼虫の成長を助けることを明らかにし、このアリが群れ全体で、産卵から発生まで見事な同期性を示す秘密を解き明かした研究をこのHPでも紹介した(https://aasj.jp/news/watch/21037)。

今日紹介する論文は、このグループは行動観察だけでなく、それを支配する脳にまで遡って研究しようとしている明確な目的を感じる研究で、仲間が危険を知らせるために分泌するアラームフェロモンに対する脳細胞の特定を試みた研究だ。

クビレハアリは危険を知らせるフェロモンを察知すると、パニックを起こし、巣から遠くへ離れようとする。これまでの研究で、2種類のフェロモン物質が特定されている。この研究ではこの2種類に加えて、他のアリのアラームフェロモン2種類に対する反応を詳しく調べ、パニック反応を起こす3種類のフェロモンと、パニックは起こさないが巣から遠ざかろうとするフェロモン1種類を特定する。重要なことは、同じパニック反応でも、フェロモンごとに反応の強さが違うことで、脳がそれぞれを区別していることを示している。

それぞれのフェロモンを感知した感覚細胞は、クビレハアリの場合糸球体と呼ばれる500個の細胞からなる嗅覚中枢に投射する。従って、フェロモン刺激を受けた感覚神経シグナルが、糸球体のどの細胞へと受け渡されるかが、まず行動全体の脳回路を解明するための最初のステップになる。

そこで糸球体の全神経活動をモニターするためには、糸球体細胞特異的にカルシウムセンサー分子を発現させ、カルシウム流入による発光で神経活動全体をモニターするトランスジェニックアリの作成が必要になる。

モデル動物では普通に行われていることだが、野生動物では簡単でない。幸い、このアリは無性生殖で繁殖するので、卵にトランスポゾンで遺伝子を挿入して発生してきた中から、ようやく糸球体全体にカルシウムセンサーを発現したアリの系統を作成することに成功した。まさにこれが出来たことがこの研究のハイライトで、リアルタイムにフェロモンに対して反応する細胞を特定することが出来る様になった。

後は、4種類のフェロモンを感知したときの反応を、一般の臭い物質に対する反応と比べ、フェロモンに対する反応の特徴を明らかにしている。

結果をまとめると以下の様になる。

  1. 一般的臭いに対しては、多くの細胞が重複して反応することで、複雑な臭い感覚のパターンが形成されることがわかる。
  2. 一方、一つのフェロモンに対してはたかだか6個ぐらいの細胞が反応している。
  3. 臭い物質に対する反応と異なり、それぞれのフェロモンに対して反応する細胞の重複はない。
  4. しかし、それぞれのフェロモンに対する細胞クラスターは隣接して反応している。
  5. パニックを起こすフェロモンに対する反応と、巣から遠ざかる反応だけを誘導するフェロモンでは、神経反応の時間パターンが異なっている。

すなわち、パニック反応は糸球体の決まった場所限局する神経が興奮して誘導されるという結論だ。すなわち、行動回路の入り口にようやく到達したという結果で、物足りないと思う人もいるかも知れないが、これからパニック行動の回路が解き明かされると考えると、大きな前進だとわくわくする。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月28日 物理法則をAIに導入する(6月1日 Nature Machine Intelligence オンライン掲載論文)

2023年6月28日
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今日紹介する論文は、deep learningに物理法則を組み入れることの重要性を様々な例で論じた総説で、Nature Machine Intelligence にオンライン掲載された。この分野は全くの素人なので、今日は論文の解説というより、この総説を自分の理解の範囲で読んでいくうちに感じた感想を書くことにしたので、お許しいただきたい。

まず簡単にこの総説を紹介すると、deep learningでは原理的に物理法則とは無関係だが、実際には様々な形で物理法則を取り入れる方法があり、それにより新しいAIが現実に生まれているという話だ。特に自動操縦や、動きのシミュレーションなどは、物理法則をdeep learningと合体させて成功を収めており、おそらくGPSが妨害されてもミサイルが命中するのもこの例だと思う。この総説ではこういった例から、deep learningが物理法則を取り入れる状況や、その方法、そして取り入れた例を紹介している。

以上のように内容を紹介すると、あまりにそっけなく申し訳ない気になるが、私のような素人でも面白いと思ったのでぜひ読んでほしい。特に著者が総説の最後に、経験のみをベースにしたdata driven AIも物理法則を取り入れることで、作った人間にも理解できない形で物理法則を組み入れた知性を示すようになるのではないか、と書いている点に妙に納得してしまった。というのも、現在の大規模言語モデルは間違いなく私たちが習った文法とは無関係に文章を作っているが、読んでいる我々からみるとAI内部で独自の文法が発生しているように見えるのと似ている。そんなことを考え出すと、岡崎さんとのChatGPTからヒントを得た実験哲学の可能性を議論に頭が引き戻された。

ジャーナルクラブでは、ChatGPTのように「言語ゲーム(ヴィトゲンシュタイン)」による経験のみで生まれる知性や理性とは何かを議論した。ChatGPTの成功は、「言語による経験」の偉大さを改めて教えてくれるが、ヒュームの経験論を読んでカントが感じた「経験だけで生まれない知性や理性がある」という感覚と同じで、例えば計算や、構造化された概念(カテゴリー)を参照する一種の判断ができないことを、以前紹介したWolframさんの本は指摘している。そしてWolframさんは現在のAIをさらに「人間に近づけるため(語弊を恐れずこの表現を使っている)」、WolframさんのWolfram/alphaとGPT-4を統合する試みを始めているという。こうして生まれるAIが我々人間とどれほど似ているのか、考えるだけで興奮する。

このように現在のAIの可能性を学べば学ぶほど、偉大な哲学者たちが思考実験から導いた様々な概念を、AIという形で実際に実験的に確かめられるようになったと実感する。現在メディアや識者の生成AIに対する議論を見ると、効率の面で我々の社会を大きく変革させることを認めた上で、人間の知性や理性と異なる点が強調され過ぎているように思える。

しかし現在の科学も人間の知性や理性についてはほとんど理解できていないし、哲学者の思考実験が正しいかどうかわかるはずはない。そう考えると、AIを通して知性や理性について様々な実験を、様々なスケールでシミュレーションできることは、全く異なる可能性を生んでいることを示している。

すでに述べたが、「言語ゲームによる経験」だけで生まれる知性や理性とは何かがChatGPTにより示されている。人間の知性や理性と比べてこの限界を指摘することは容易い。しかし限界がChatGPTの持つloss of functionであれば、それをgainする方法を考えていくのが科学だ。このloss of functionを埋める試みが先に述べたWolfram/alphaとGPTの統合だし、他にも様々なアプローチがあるだろう。

こう考えていくと、物理法則とAIの統合問題も、予想確率が上昇するといった改善のみならず、哲学的にも面白い実験を可能にしてくれる。例えば、言語ゲームによる経験の限界を調べる実験だ。私たちは、見て、聞いて、触って、常に物理法則に従う経験を繰り返している。海馬にあるグリッド細胞などはまさにこの外界を反映した神経機能と言える。その意味で、見て、聞いて、触って得られる経験の学習を「言語ゲーム」による経験と組み合わせたり、あるいは比較したりする実験が可能になる。カントの「物自体」の概念や現象論などもこのような実験から検証できるのではないだろうか。

すなわち、言語ゲームから生まれた知性が、画像や音を経験することで、言語ゲームだけでは達成できない知性が得られたとすると、人間の脳の理解が飛躍的に進むことは間違いない。しかもこれらの課題は、multimodalなAIとして開発が進んでいる。しかしこのような開発は、役にたつだけでなく人間についての基礎的な理解をめざす科学の方法となりうるのだ。

生命科学の歴史を振り返ってみると、ガリレオにより科学という新しい方法が世界の理解に提案され、その結果生まれたニュートン力学を、生命に適用しようとする自然史運動が起こった。しかしこの運動は、最終的に物理だけで生命は説明できないという考えでおわる。この結果、生命は科学の対象でないという間違った理念を産んでしまったが、そこに19世紀ダーウィンが登場し、進化論すなわち物理法則とは全く異なるアルゴリズムを導入することで生物の特徴を科学的に説明できることが明らかになった。

そして20世紀、やはり物理法則とは異なる因果性の科学、すなわち情報科学が進み、今や生命科学は情報とアルゴリズムの学問と言っても過言でないところに来た。こう考えると、迎えた21世紀前半がAIの世紀になっていることは、私には生命科学の歴史の必然に思える。

そんなことをこの総説を読んで考えた。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月27日 タンザニア Hadza 族細菌叢から明らかになる都会の生活(6月21日号 Cell オンライン掲載論文)

2023年6月27日
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腸内細菌叢の多くは環境の影響を受けているので、田舎と都会にすむ人々の細菌叢を比べ、都会生活環境の問題を指摘する研究が盛んに行われてきたが、この究極が、未開の生活をしている民族の細菌叢と都会人の細菌叢を比べる研究で、都会生活だけでなく、人類の歴史と細菌叢の関係までカバーする壮大な研究だ。

今日紹介するスタンフォード大学からの論文は、未開人と都会人の細菌叢を比べた一種の究極とも言える研究で、ともかく細菌叢のDNAの配列をほぼ10兆塩基対解読している。タイトルは「Ultra-deep sequencing of Hadza hunter-gatherers recovers vanishing gut microbes(Hadza狩猟採取民の細菌叢を超ディープに解析することで失われた細菌をリカバーできた)」で、6月12日 Cell にオンライン掲載された。

10兆塩基対というと、300人の人間ゲノムに相当するので、シークエンサーで解析して解読するだけでも大変な仕事になる。実際、DNAは2013年から1年かけてタンザニアで集められ、今論文が発表されていると言うことは、解析だけにほぼ10年を要する大変な研究と言える。

未開人の細菌叢に現代人が失った様々な自然との関わりが存在するという強い信念がないと、こんな研究は出来ない。読んでみると、これまでの研究の結論と基本的には同じだが、しかしインパクトは大きい。

  1. まずHadza属の細菌叢は驚くほど豊かで、細菌、古細菌、ファージ、そして真核生物、いずれも多様性が高い。徹底的にシークエンスしているので、なんと食べている昆虫のゲノムまで出ている。
  2. ネパールの狩猟採取民や、農耕民、そしてカリフォルニア人の細菌叢と比べると、未開から都会まで多様性は失われていく。事実Hadza属では730種の細菌が存在するが、ネパールの狩猟採取民では436に低下、そしてカリフォルニア人では277種類になる。
  3. この結果は、Hadzaの便はこれまで知られていない新しい細菌や古細菌の宝庫になっていると言うことで、これほど徹底的にゲノム解析をすると、カリフォルニア人でもこれまで知られていない細菌種を発見できるが、Hadzaで発見される細菌の数はその比ではなく、割合の多い最近でも3%が新種。頻度の低い細菌となると4割が新種になっている。また、これらを培養で分離する可能性も示しており、今後が楽しみになる。
  4. 特定できた細菌の系統樹を作成すると、それぞれの種の中でもHadzaと他の地域では、系統として完全に分かれており、人的交流がないと、各地域で独自に細菌叢が発展している事がわかる。
  5. こ細菌を都会特異的、および未開特異的な群に分ける事ができるが、4)で述べたように、人的接触がないと独立して形成され、例えば世界中の未開特異的細菌を特定することは難しいが、唯一スピロヘータの一種Treponema succinifaciensは例外で、未開特異的な細菌として広く分布しており、おそらく人類がアフリカから出て数万年の歴史を刻んでいる可能性がある。
  6. 配列決定の進度を高める事で、同じゲノム部位の変異を特定する事が可能になる。この変異を、アミノ酸が置換される変異と、そうでない変異に分けてその比を調べる事で、選択圧や増殖性を調べることができる。この結果、Hadzaでこれまで知られている細菌叢の季節変化は、それぞれのバクテリアの増殖が環境により変化することに起因する事が明らかになった。

以上、他にも様々な面白い話があると思うがここまでにする。しかし、サンプリングした後の解析の十年を想像すると、大変な研究だと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月26日 子宮内膜症は感染症か?(6月14日号 Science Translational Medicine 掲載論文)

2023年6月26日
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子宮内膜症は、子宮内部の上皮が卵巣や腹膜におそらく移動して、そこで生理による子宮と同じように増殖し、出血や炎症を引き起こす女性特有の病気で、生理が続く限り様々な症状に悩まされる。これまで、生理時に増殖した内膜が、何かの拍子に卵管から卵巣、腹膜に迷入した結果で、一旦落ち込むと子宮のように外に排出できないので、強い症状を繰り返すのだと思っていた。

今日紹介する名古屋大学からの論文は、子宮内膜の迷入のみで内膜症が発生するのではなく、Fusobacteriumのような細菌感染が発症の条件になっていることを示した研究で、もし本当なら子宮内膜症を抗生物質で治療できることになり子宮内膜症に悩む多くの女性の福音になる研究で、6月14日号Science Translational Medicineに掲載された。タイトルは「Fusobacterium infection facilitates the development of endometriosis through the phenotypic transition of endometrial fibroblasts(Fusobacteriumの感染が内膜の線維芽細胞の形質転換を通して内膜症発生を促進する)」だ。

この研究では内膜症の細胞成分として線維芽細胞に着目し、内膜症ではアクチン重合に関わるTAGLNを発現した線維芽細胞へと移行していること、またTAGLNの発現自体が、細胞の増殖と遊走を促進することを発見する。さらに、こうして分化したTAGLN陽性線維芽細胞はIL6を強く発現して、迷入内膜を増大させていることを示している。

問題は、線維芽細胞でのこのような変化を何が誘導するのかだが、アクチン重合という観点からTGFβに当たりをつけ、子宮内皮培養細胞を刺激し、TAGLNが誘導できることを確認している。

次はTGFβが上昇する原因だが、まず細菌感染の可能性を考え、子宮内膜症で上昇するバクテリアの中から、歯周病や大腸ガン、さらには流産などへの影響が知られているFusobacteriumを特定する。実際の臨床例で、in situ hybridizationを用いて調べると、全てではないが64%の内膜症組織で感染が認められることを確認し、最終的にFusobacteriumがマクロファージを刺激し、この結果TGFβが誘導され、内膜症型線維芽細胞が誘導されるという仮説に至っている。事実、死菌であってもFusobacteriumはマクロファージをTGFβ分泌のM2型へ変化させることが出来る。

最後に、Fusobacteriumを感染させた子宮から内膜を分離、これを腹腔内に散布して内膜症様組織変化が生まれるか調べ、Fusobacteriumで感染した子宮内膜だけが、腹腔内で内膜症様変化を示し、TGFβやTAGLN発現も再現できることを示している。

では子宮内膜症発生後にFusobacteriumを抗生物質で駆除することで、内膜症様変化を抑えることが出来るのか調べると、感染子宮内膜の迷入後でも抗生物質で病理的変化を抑えることが出来ることを示している。

以上が結果で、説得力のある重要な結果なので、あとは人間でも本当にこのシナリオが成立しているのかを抗生物質投与治験により示す必要があると思う。そこまで示せて一区切りなので、大至急治験を進めて欲しい。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月25日 長い毛がなぜかほくろから伸びてくるメカニズム(6月21日 Nature オンライン掲載論文)

2023年6月25日
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自分にはなくても、小さなほくろから一本の長い毛が生えているのを見たことのある人は多いと思う。人間の毛には様々なタイプがあるが、この事実はほくろではなぜか体毛が毛髪のようなサイクルにスイッチしたことを示している。

残念ながら一般的に認められた科学的理由は全くわかっていないようで、GPT4でも曖昧な答えしか返ってこない。これは科学者もこの問題をあまり気にしなかったためで、今日紹介するカリフォルニア大学アーバイン校からの論文は、現代の生物学ならこの問題に十分答えられることを示した研究で、6月21日号 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Signalling by senescent melanocytes hyperactivates hair growth(老化したメラノサイトは毛の成長を過剰活性化する)」だ。

まずほくろの組織を見ると、毛根上部の幹細胞が集まるバルジ領域にメラノサイトが集まっている像が見られる。すなわち、メラノサイトは直接毛根幹細胞を活性化出来る位置に存在している。また、ほくろのメラノサイトはN-ras変異を起こして増殖した後、休止期に入って老化した細胞であることが知られている。

そこで、マウスメラノサイトにN-ras変異を導入して毛根を調べると、通常telogenと呼ばれる休止期が減り、かなりの割合で毛根がanagenと呼ばれる発育期を示すことがわかる。マウスの場合、我々のような頭髪に当たる毛はないので、毛がどんどん伸びると言うことはないが、同じバルジ領域の色素細胞がN-rasで老化すると、毛根の幹細胞が休止期から増殖期へと誘導されることがわかる。

毛根幹細胞の増殖期への移行は、遺伝的操作でなくても、様々な方法で老化させたメラノサイトを皮膚に移植しても誘導できるし、また組織内に老化を誘導する薬剤を注射しても起こすことが出来る。以上のことから、老化メラノサイトが分泌する何かが、毛根幹細胞を増殖期に誘導することが結論できる。

この結果を受けて、N-rasで老化を誘導したメラノサイトと正常メラノサイトを比較し、遺伝子発現の違いから最も可能性が高いと当たりをつけたのがOsteopontin分子で、正常と比べ老化細胞では分泌量が3倍にも上る。同じことは人間のほくろの細胞でも見られることから、老化メラノサイトが分泌するオステオポンチン分子が、毛根を活性化することは一般的に認められると結論している。

そこでこの可能性を証明するため、メラノサイトでオステオポンチンをノックアウトし、老化したメラノサイトの毛根幹細胞への作用を調べると、増殖誘導能がほぼ失われることがわかった。さらにオステオポンチンを浸ませたビーズを皮膚に移植すると、局所の毛根を活性化することも示している。

最後に、これまでオステオポンチンの受容体として知られたCD44が毛根幹細胞に発現して、この作用を伝えることを確認している。

以上が結果で、ほくろの長い毛という誰も知っている謎を、科学の目で見直した面白い研究だと思う。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月24日 にわかには信じがたい食品アレルギー防御機構(6月15日 Cell オンライン掲載論文)

2023年6月24日
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ピーナツや卵に対するアレルギーを、腸管免疫発達の早い段階で抗原を摂食させて免疫寛容を誘導して防ぐ治療法が試みられている。この背景には、幼児ではこの方法で抑制性T細胞が誘導されるからとされている。

今日紹介するイエール大学と中国科学技術大学からの論文は、細胞死のエフェクター分子として知られgasderminの一部が転写活性因子としてClass II MHC(MHC II)を誘導し、局所のIL10分泌Tr1細胞を活性化して免疫寛容を誘導するという、にわかには信じがたい結果を示した研究で、6月15日 Cell にオンライン掲載された。タイトルは「Gasdermin D licenses MHCII induction to maintain food tolerance in small intestine(Gasdermin DはMHC II の誘導に関わり消長での食品トレランスを維持している)」だ。

ちょっとおさらいしておくと、gasderminはインフラマゾームにより活性化されたカスパーゼ3により2つの断片に分かれ、N末端側が膜状に穴を開けることで、ピロプトーシスを誘導する。

おそらく腸上皮のピロプトーシスを調べていたのだろう。小腸から大腸まで切断後のgasderminを調べると、小腸のみでこれまで知られていなかった13kDのN末端断片(13N)が生成されていることに気づいた。さらに驚くことに、13Nは蛋白性の食事をしたときのみ誘導され、アミノ酸に変えると誘導されなくなる。すなわち、13Nは蛋白性の食品により小腸上皮のみで誘導される。

そこで、13Nを切り出すカスパーゼを特定し、卵白アルブミン(OVA)モデルを用いて生化学的に調べると、なんとOVA由来のペプチドが一つのコンプレックスを形成することがカスパーゼを活性化して13Nを切り出すことがわかった。食べた蛋白質のペプチドが細胞内でカスパーゼを活性化するなど前代未聞のことで、自然免疫を活性化するのではと心配するが、ピロプトーシスは誘導しないようだ。

さらに驚くのは、切断された13Nは核移行シグナルは持っていないが、いくつかの核膜蛋白と相互作用し、速やかに核に移動し、転写因子の一つSTAT1と直接結合し、MHCIIと繊毛形成に関わる分子Ciitaの転写を高める。

この結果、小腸上皮のみMHCIIと食品蛋白質由来のペプチドが細胞表面に提示され、これも驚くのだが抑制性Tとは少し異なっているが、免疫を抑えるIL10を分泌するTr1細胞を誘導し、蛋白抗原に対する食事アレルギーを防ぐ。

実際、gasderminから13Nが切り出せない変異を誘導すると、ピロプトーシスは起こるが、アレルギーの発生が起こりやすくなる。勿論これまで考えられてきた樹状細胞と抑制性T細胞も働いているが、小腸上皮が食品とともに第一線の防御線を張っているという驚くべきシナリオだ。

食品のペプチドによるカスパーゼの活性化、gasderminの異なる切断様式と13N発生、13NとSTAT1の直接相互作用、そしてTr1特異的誘導など、通常起こりにくいと思われる条件が全て起こって、食品に対するアレルギーを防いでいるという話で、今でも信じがたい。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月23日 ガンとY染色体2題(6月21日 Nature オンライン掲載論文)

2023年6月23日
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Y染色体上の遺伝子の数は100に満たないし、Y染色体なくても女性は正常に生きることが出来るため、細胞の基本的な分化や増殖にY染色体は必要ないと言える。しかし、Y染色体が血液幹細胞から失われることは、 マクロファージを介した心臓の線維化を促進することが報告されているので、様々な状況でY染色体上の遺伝子が生理機能に影響を及ぼすことが考えられる。

昨日、Natureにオンライン掲載された2編の論文は、ともにガンの悪性化とY染色体上の遺伝子機能を調べた論文で、ガンの種類は異なっているが、片方はY染色体がガンの悪性化に関わり、もう片方はガンの悪性化を抑えているという結果を示している。

最初の論文はテキサス・MDアンダーソン研究所からの論文で、大腸直腸ガンでK-ras変異を持つ者だけ、男性で予後が悪い、すなわちY染色体が悪性化を後押ししている現象を調べた研究で、タイトルは「Histone demethylase KDM5D upregulation drives sex differences in colon cancer(ヒストン脱メチル化酵素KDM5Dの発現上昇は大腸ガンの性による悪性度の違いを決めている)」だ。

結論だけを紹介していくが、

  1. 人間の大腸直腸ガンのデータベースから、K-ras変異を伴う、あるいは伴わないガンについて、予後の男女差を調べると、K-ras変異を伴う場合だけ男性の方が悪性で、Y染色体上の遺伝子が悪性化を後押ししていると考えられる。
  2. 遺伝子機能を考えると、Y染色体上のヒストン脱メチル化酵素KDM5Dが唯一の責任遺伝子と考えられ、マウスモデルでこの遺伝子を過剰発現させると、転移性が高まることが確認される。
  3. 最終的に、K-ras自体がSTAT4シグナルを介してY染色体上のKDM5D遺伝子発現を高め、ヒストンの脱メチル化、そしてその結果として、上皮のタイトジャンクションを調節する遺伝子Amotなどの発現が低下、上皮構造から離れて転移しやすくなる。
  4. 同じように、ヒストン脱メチル化により、キラー活性に必須のClass I MHC遺伝子や、ペプチドをロードするTap1、Tap2遺伝子発現も低下、キラーの影響を受けなくなる。

以上、精子形成時の染色体構造変化に関わるKDM5Dが直腸ガンではヒストンの調節機能を狂わせ、K-rasと協調して悪性化を後押しするという結果だ。

これに対し、ロサンジェルスCedar-Sinai医療センターからの論文は、膀胱ガンでY染色体が失われると悪性度が上昇するという現象を追求し、

  1. 膀胱ガン細胞からY染色体の全体、あるいは様々な領域を欠損させ手調べると、KDM5D及びマイナーClass I 抗原と呼ばれる分子UTYが欠損した場合、ガン細胞自体の増殖が上昇する。
  2. Y染色体やKDM5D、UTY遺伝子領域が欠損した膀胱ガンは、PD―L1を含む様々なチェックポイント分子を発現し、キラー細胞を消耗させる。
  3. 従って、膀胱ガンの場合Y染色体の欠損は悪性化につながるが、チェックポイント治療の効果は高い。

ことを明らかにしている。

KDM5Dのように、エピジェネティック調節機構は、細胞のコンテクスト依存性が高いため、エピジェネティックな変化は決して共通でないことから、Y染色体はガンの悪性度に相反する効果を示すことになる。いずれにせよ、男で悪性度が高いガンについては、今後KDM5Dの役割を念頭に置いて調べることの重要性がよくわかる。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月22日 幹細胞増殖に関わる分子はチンパンジーとヒトではっきり違っている。(6月20日 Cell オンライン掲載論文)

2023年6月22日
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人間とチンパンジーは進化上で最も近い動物同士で、ゲノム解読が終わったとき、その相同性が98%以上という点、すなわち人間とチンパンジーに差がないことが強調された。これは私が「猿の惑星型思想」と名付ける傾向で、類人猿もいつかは人間のようになれると考え、両方の共通性に着目して研究を行う。一方、ヒトとの差を徹底的に見つけてやろうとする方向の研究もあり、これはダーウィンの「The Decent of Man型思想」と名付けている。

私の印象でしかないが、サル学を中心に「猿の惑星型思想」は我が国の研究者に多く、「The Decent of Man型思想」は欧米に多い気がする。

今日紹介するカリフォルニア大学サンフランシスコ校とMITの共同論文は、これまでほとんどの人が「ほとんど同一」として使ってきたヒトとチンパンジーの多能性幹細胞の増殖メカニズムの違いを徹底的に調べた研究で、「The Decent of Man型」の典型とも言える研究だ。タイトルは「Comparative landscape of genetic dependencies in human and chimpanzee stem cells(ヒトとチンパンジー幹細胞の遺伝的依存性の違いを網羅的に調べる)」だ。

研究では2種類づつのヒトiPS, チンパンジーiPS及びES細胞株を用い、これら多能性幹細胞(PSC)の試験管内増殖に必要な遺伝子を、クリスパーを用いた網羅的ノックアウト法でスクリーニングし、人間とチンパンジーの差とはっきり言える遺伝子配列や遺伝子発現の違いがあるかを調べている。

驚くなかれ、サルとチンパンジーPSCの増殖で依存性の違う遺伝子が700種類以上存在していることがわかった。この中から、様々なPSCで比較し確実にヒトとチンパンジーの違いといえる遺伝子75種類を最終的にリストした。

PSCの増殖という観点で見ると、これら遺伝子はヒト特異的、あるいはチンパンジー特異的遺伝子に分かれ、さらに増殖促進的、増殖抑制的遺伝子に分けることが出来る。そして、増殖に関わるいくつかの遺伝子ネットワークに分類できる。

この研究ではこのネットワークの中から、V-ATPaseの関わるリソゾーム過程、そしてCDK2の関わる細胞周期過程に焦点を当てて詳しく調べている。

V-ATPaseはリソゾーム膜上に存在する分子で、V-ATPzaseとそれと複合体を形成する分子の多くは、ノックアウトによりヒトPSCのみで増殖阻害が起こる。これら分子複合体はリソゾームのpHを調節してmTOR活性を調節する重要なシグナル系で、ヒトへの進化の過程で、このシグナル系への依存性が高まったと考えられる。

中でも圧巻は増殖調節の核となる細胞周期に関わる分子群の関与の違いで、CDK2やサイクリンEがノックアウトされても、ヒトではほとんど影響ないのに、チンパンジーではPSCの増殖が強く抑制される。これは、ヒトでCDK1の発現が高いなど、CDK2の変異を保証する仕組みが整っているためであると考えられるが、この結果ヒトでは増殖の可塑性が生まれ、条件が変化しても増殖を維持できる仕組みがあることになる。

つぎに、同じCDK2/cyclinEへの依存性からの脱却性質が、他の幹細胞でも見られるか、PSCから神経幹細胞を誘導して調べると、PSCとほぼ同じCDK2/cyclonE非依存性を獲得している。また、これに関わる分子の進化過程を見ると、人間とチンパンジーが別れたときに分岐しているので、ヒトの脳細胞の増殖、すなわち大きな脳の発達に関わったことが推察される。

以上が結果で、チンパンジーと人間の違いを、遺伝子発現という通常の方法ではなく、クリスパーノックアウトという、機能的スクリーンからまず始めたことがこの研究のハイライトと言える。その結果、形質の違いとして遺伝子の変化を調べることが出来、今後なぜヒトの脳細胞は数が多いのかも含めて新たな視点が開ける気がする。

個人的にはThe Decent of Man型研究の方が面白い。

カテゴリ:論文ウォッチ

6月21日 ちぎれた染色体を保護する仕組み(6月14日 Nature オンライン掲載論文)

2023年6月21日
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ずいぶん昔(2015年6月:https://aasj.jp/news/watch/3578)、クロモスリプシスという、染色体の一部が砕けてそのまま維持される現象のメカニズムを調べたハーバード大学からの論文を紹介した。勿論ほとんどの場合ガンに伴う染色体異常で、この結果遺伝子の増幅、欠損、転座など大きな構造変化が進む。

しかし考えてみると、全体の染色体から離れてしまうと、娘細胞にも正確に分配できなくなるし、テロメアなど染色体を守るメカニズムから外れてしまって、DNA損傷も増えており、細胞にとってはあまり好ましい状態でないはずだ。それでもクロモスリプシスを起こしたガン細胞が他の細胞を押しのけて増殖できるのは、この状態の染色体を保護する仕組みがあると考えられる。

今日紹介するカリフォルニア大学サンディエゴ校からの論文は、染色体から砕けて出来たミニ染色体を保護する仕組みについて明らかにした研究で、6月14日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Mitotic tethering enables inheritance of shattered micronuclear chromosomes(分裂時に砕けた小核染色体を拘束してまとめることで遺伝が可能になる)」だ。

まず、分裂時に染色体と分裂糸の結合を弱めたり、あるいはトポイソメラーゼを阻害して分裂時に染色体をちぎれるようにしたり、あるいは動原体が出来ないY染色体を誘導したりして、細胞内にちぎれた染色体断片が発生するようにして観察している。ちぎれた染色体ではDNA切断が起こるため、それを修復するためのリン酸化ヒストンの集積がおこり、これを指標に他の染色体から区別して観察できる。

すると、ほとんどの細胞でちぎれた染色体が一つにまとまることがわかる。このとき、DNA合成が終わって分裂期に入るタイミングを捉え、ちぎれた染色体に集積するヒストン以外の分子を探索し、損傷部位を認識するMDC1分子とともに、トポイソメラーゼ結合タンパク質1、そしてそのパートナーでちぎれた染色体をつなぎ止める役割を持つCIP2Aが存在することを明らかにした。すなわち、DNA損傷部位を持つ染色体をまとめておく仕組みが働いていることを明らかにしている。

次に、薬剤でそれぞれの分子が分解されるような細胞を作成し、細胞周期の様々な時点でこれらの分子を急速に除去する実験を行い、G2期から分裂期にかけてこれらの分子が失われると、ちぎれた染色体はまとめられず、バラバラに分散することを明らかにする。また、細胞にとってちぎれた染色体がまとまって存在することが生存に有利であることを明らかにしている。すなわち、まとめて一つの娘細胞に受け渡すことで、生存に必要な遺伝子全体を少なくとも一つの娘細胞には受け継がせることが出来る。

また全ゲノム配列決定により、まとめられない場合染色体の構造変化が急速に進むことも明らかにしている。そして最後に、ガンのデータベースを調べ、クロモスリプシス(ゲノム配列から推察される大きな染色体構造変化)が起こっているガンではTOPBP1やCIP2A遺伝子の発現レベルが、正常細胞と比べて高まっていることも明らかにしている。

以上が結果で、希ではあっても分裂時にちぎれてしまった染色体断片を保護する仕組みが、ガンではさらに上昇することで、より大規模なクロモスリプシスを許容し、さらには増殖優位性に使っていることが明らかになった。

CIP2Aなどは正常細胞では発現が低く、また抑制しても細胞増殖を続けられることから、クロモスリプシスが始まったガンでは、個の分子を阻害することでより大きな破綻を誘導して殺せる可能性もある。細胞学の極致と言える実験の数々はいずれにせよ勉強になる。

カテゴリ:論文ウォッチ