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1月3日 ガン免疫を高めるにはヨーグルトをやめて、食物繊維を摂取した方がいい:ちょっと衝撃的論文(12月24日号 Science 掲載論文)

2022年1月3日
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アルコールを除いては、身体にいいと思えることは何でもしている方だ。朝は食前のウォーキングは欠かさないし、朝食は果物、ヨーグルト、whole grainと決めている。要するに、プロバイオと、繊維質の多いプレバイオを併用していることになる。

私の生活は、ガンの予防と言うより、代謝の方の改善を念頭に置いているが、「ヨーグルトが免疫を高める」という宣伝文句信じている人を心配にさせる、ちょっと衝撃的な論文がテキサス大学、MDアンダーソンガンセンターから、12月24日号のScienceに発表された。著者の中には、本庶先生とノーベル賞を受賞したAllisonも入っているし実際には世界から38研究機関が参加した大きな研究だ。タイトルは「Dietary fiber and probiotics influence the gut microbiome and melanoma immunotherapy response(食物繊維とプロバイオは腸内細菌叢を変化させメラノーマの免疫治療への反応性を変化させる)」だ。

研究では、ステージ4のメラノーマ患者さんで、PD-1に対するチェックポイント阻害治療(ICB)を受けている人の食生活を調べるとともに、腸内細菌叢を調べて、ICB治療の効果と、食生活や細菌叢との関係を調べている。また、患者さんの便移植を行ったマウスに、乳酸菌ビフィズス菌をベースにした、食品店で販売されているプロバイオ、あるいは食物繊維を摂取させ、ガンに対する抵抗力も調べている。

これまで多くの報告があるように、ICBに反応する人の多くは、Ruminococcaceaeの割合が上昇しているが、細菌叢全体の量や割合は大きく変化していない。

次に、ヨーグルトなどのプロバイオを日常摂取しているかどうかを聞き取りで調べている。このような調査の難しさは、プロバイオを摂取している人は同時に食物繊維など食事にも気をつけている人が多い点だ。そのため、様々な条件をそろえる必要があるが、驚くことに、プロバイオを摂取している方が、ガン免疫が抑えられているという傾向が得られている。

そこで、人の細菌叢を移植したマウスモデルを用いて、ビフィズス菌、あるいは乳酸菌をベースにしたプロバイオをマウスに摂取させ、ガンに対する免疫を調べると、どちらのプロバイオでも、摂取させた方がガン免疫が低下し、ガンの増殖が高まっている。

これに対し、聞き取り調査で食物繊維摂取の多い人では、期待通りICB治療効果が高い。ただ、プロバイオと同じで、食物繊維を多く摂る人は、プロバイオも続けている場合が多い。そこで、食物繊維を多く摂る人をプロバイオ摂取群と、プロバイオ非摂取群に分けて調べると、驚くなかれ食物繊維をとってもプロバイオを摂取していない人は、両方摂取している人と比べると、5年生存率でほぼ2倍の差が見られることが分かった。

他にも、マウスモデルで遺伝子発現や浸潤細胞を調べているが、全て割愛する。

要するにプロバイオはガン免疫を抑えるという衝撃の結果が示されている。

まだまだ統計的に問題があるとか様々な問題を指摘することは出来る。しかし、本当だとすると、少なくともガンのチェックポイント治療を受けている人は、ヨーグルトなどプロバイオは摂取しない方が良いという結論になる。是非プロバイオを提供するメーカーは、出来れば同じような調査を徹底的に行って、この結果が正しいか検証して欲しいと思う。

一方私自身はこのままプロバイオを含めた食生活は続けるが、もし現時点でICB治療を受けるとすると、プロバイオは中止して、食物繊維中心の食事に変える。

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