Stephen Wolfram著 What is ChatGPT doing ?を読んでいる時、言語を通して経験を重ねた人工知能を哲学概念の検証に使えるのではと思いつき、生命科学の目で読む哲学書番外編を書いた(https://aasj.jp/news/philosophy/22100)。ただ、このWolframさんの本の重要性を含め、伝えたかったことの1割も伝わっていないので、ジャーナルクラブとして発信することにしました。
今日紹介するスタンフォード大学のインターネット観測所(こんな施設があることを知って大学の見識に驚く)からの論文は、2018年トランプ政権での中間選挙、そして2020年の大統領選挙の機会を利用して、検索アルゴリズムが検索している人間の好みに偏っていないか調べた研究で、5月24日 Nature にオンライン掲載された。タイトルは「Users choose to engage with more partisan news than they are exposed to on Google Search(Google検索での党派的なニュースの偏りは検索エンジンの偏りではなくユーザーの選択の問題)」だ。